とりあえず……。
前に小説で書いていた漫画版になります。
※画像の下に会話のテキストを追記しました。
ツレの姉貴1_001
「なあ加藤。お前、俺んちに泊まりに来ないか？」
「はぁ？　何だよ急に」「両親が旅行に行っててさ。徹夜でゲームが出来るんだ。俺んちでやろうぜ」
「う〜ん……そう言われてもなぁ」
「忙しいのか？」
「そう言う訳じゃないけど」
「じゃあ来いよ。夕食は用意していないから自分ちで食べて来てくれ」
「えらく強引だな。ゲームったって、ネットワーク対戦出来るからわざわざお前んちに行くこと無いだろ」
ツレの姉貴1_002
　そんなに一緒にやりたいなら構わないけどさ−−まあ、俺だって親がいないところでやる方が気楽だし。吉沢の家に泊まらせてもらう事になった俺は、家路につくと母親に事の成り行きを伝え、リュックに着替えを詰めて夕食を取った。吉沢はクラスの中でも仲の良い友達の一人で、週に三日はポータブル端末でネットワークゲームの対戦をやっている。たまに夜中の三時ごろまでやっている事もあるけど、そんな時は大概二人して授業中に居眠りをして先生に怒られる。こんな生活をしているせいか、成績は中の下くらい。大学に行くつもりは無く、働こうと思っているからそんなに気にならない。いや、吉沢も似たようなものだから、焦る気がしないっていうか――。
　ただ、アイツは父親が不動産業をやっていて、やたらに金を持っているから将来を心配する必要が無い。そこが俺んちと決定的に違うところだ。多分、親の仕事を継ぐんだろうな。それに比べて俺の父親はごく普通のサラリーマンな訳で。
ツレの姉貴1_003
「なあ母さん。俺、今日は吉沢の家に泊まりに行くよ」
「吉沢君の家に泊まりに行くって。あんた達…夜通しゲームする気だね。ゲームばかりじゃ良い会社に就職できないよ」
「分かってるって！　三年になったら勉強するからさ」
「全くあんた達は……。吉沢君のお姉さんを見習ったら？」
「へいへいっ！」
「鍵は開いているから入って来いよ」
「ああ。分かった」
「お邪魔します。ん…」
吉沢の姉ちゃんが穿いているパンプス？

ツレの姉貴1_004
「こんばんは、加藤君」
「あっ。こ、こんばんは」
「仁伍から聞いたわ。今日は家に泊まるんですって？」
「は、はい。お邪魔します」
「うふふ。先にお風呂、済ませてくれる？」

ツレの姉貴1_005「でも、俺なんかが先に入るなんて……」
　そりゃそうか。自分が入った後に赤の他人−−しかも男が入るのって、色々と見られる感じがしてきっと嫌だよな。俺だって、女性が入った風呂に後から入るのって、何だかドキドキするっていうか−−。
　吉沢の姉ちゃんが座った椅子に座ったり、湯船に陰毛が浮かんでいたりとか、想像しただけで鼻血が出そうだ。
ツレの姉貴1_006
「ああ…。やっぱり先に入らせてもらいます」
「仁伍は自分の部屋にいるわ。ゆっくりして行ってね」
「来たな加藤。とりあえず風呂に入って来いよ。バスタオルとか脱衣所に置いてるから」
「吉沢…。お前はもう入ったのか？」ツレの姉貴1_007
「いや―入ってないけど。客人には一番に入ってもらうって決めているんだ」
「客人ってただのツレじゃないか」
「ツレだって客人は客人さ。とりあえず先に入れよ」
―じゃあ先に入らせてもらうよ―
ツレの姉貴1_008

「はぁ〜。吉沢の姉ちゃん。すごく綺麗だったな」
あの白いブラウスに包まれた胸って、どれくらい大きいんだろう。
淡い茶色のストレートの紙が綺麗だったな。
それに黒いパンストがすごく似合っていたよな―