博和の願いを叶えるため、幽体となった志郎は……。
上手いタイミングで佐藤さんに乗り移った筈ですけど、これはもしかして!?

※漫画の下にセリフのコメントを追加しました。
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「今日は珍しく多いわね」
「そうですね。近くでイベントでもあったんでしょうか?」

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「いつもこれくらい客が来てくれればいいんですけど」
「そうね…」
≪そろそろ志郎が来る時間だけど…。まだ乗り移っていないよな…≫
「ああ、そうだ博和君。私、ちょっとだけ事務室に戻ってもいい」
「もうすぐバイトの時間も終わりだから店長から言われていた物を確認しておきたいの」
「いいですよ。でも、店長から言われていた物って?」
「それは内緒よ。別にいいでしょ?」

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「もちろんいいですけど…」
≪さて、丁度いいタイミングだな。志郎…今なら誰にも気づかれずに佐藤さんに乗り移れるぞ≫
≪頼んだぞっ!≫

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ふわ…

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キャッ!
「今の声…佐藤さんだよな」
「もしかして…」
「乗り移ったんだな! へへ、やっぱりこのタイミングを逃さなかったか」
「流石志郎だ!」

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「痛〜いっ。ゴメンね。急に足が攣っちゃって」
「もう…大丈夫? 部活で走り過ぎたんじゃない?」
「そうかも…たまにあるんだ。栄養が偏っているのかな」
「沙菜は野菜が嫌いだもんね! ビタミンが足りてないんじゃない? はい、落としたお茶だよ」

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「ああ、ごめん!」
「ちょっとトイレを借りてくるから持っててくれない?」
「いいよ。私、他の物を見てるから」
「ごめんね、博和君。遅くなって!」
「いいえ、佐藤さん!」

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「ロッカーを開けたら傘が倒れてきてビックリしちゃった」
「ふ〜ん…それであんな声が出たんだ」
「何事かと思ったよ」
「皆、置き傘しすぎだね。持って帰ってもらわないと」
「そうだな。でも、そろそろいいんじゃないか?」
「なあ、志郎」
「誰? 志郎って…」

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「佐藤さんの口調を真似しなくてもいいって。乗り移ったのは分かってるんだからさ」
「ええ?」
「ちょっと言っている意味が分からないんだけど」
「すごく佐藤さんの雰囲気が出てるよ。流石志郎だよなっ。結構前から来て佐藤さんを観察してたのか?」

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「はあ? いいかげんにしないとほんとに怒るわよっ。何、その馴れ馴れしい喋り方!」
「まるで友達みたいなタメ口きいて。ちょっと事務室に行っただけでどうしてそうなる訳?」
「えっ…。志郎…じゃない?」
「もしかして…さ、佐藤さん?」
「訳分かんない。何処に目を付けているの? 私が誰に見える訳っ! 戻ってくるのが遅くて嫌だったならそう言えばいいじゃないっ」

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「馬鹿ねっ。あんなに大きな声で…。客がいるのに店員同士で喧嘩する?」
「仕方が無いから助けてあげようかな!」