家に帰った雅嗣が、2階の部屋でコミックを読んでいると……。
その1の続きです。
その1の続きです。
人気の無い家に入り、二階の部屋でラフな格好に着替えた俺は、昨日買っていたコミックを書棚から取り出し、ベッドの上で読み始めた。恋愛モノより格闘モノの方が好きだ。テレビも恋愛ドラマより格闘モノのアニメを好んで見ている。子供っぽいと言われるかも知れないけど、俺の周りの男子は大概、同じような趣味だし、学校でもそんな感じの話で盛り上がる。だから、みんな彼女がいないのかもしれない。女性に興味が無い訳では無いけど、告白したところで断られるに決まっている。少なくとも、俺自身はそう思ってた。付き合いたいと思う女子は結構いるんだけど――。
コミックを読み始めて二十分くらい経っただろうか。玄関のチャイムが鳴る音が聞こえた。この時間のチャイムは、おおよそ宅急便か町内の回覧か。そう思いながら階段を急ぎ足で下り、判子を用意しようとキッチンへ向かおうとした視界に人影が入った。
「えっ!」と思って玄関を見ると−−何故か白いユニフォームを着た雫が立っている。思わず、「何で?」と呟いてしまった。
「へへへ。扉、鍵が掛かって無かったから入っちゃった」
一まとめにしたブラウンの長い髪に指を絡ませながら微笑んだ彼女に、何故か違和感を覚えた。何て言えばいいのか分からないけど、しっくり来ないと言うか、彼女らしくないというか。うまく表現できない。
「し、雫?」
「うん」
「ど、どうしたんだよ。まだ部活の途中じゃないのか……っていうか、何か用?」と、間抜けな質問をした俺に対して、雫は小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、「用があるから来たんじゃない」と答えた。
「な、何だよ。用って」
「まあ、ここじゃ何だから雅嗣の部屋に行こうよ。いいでしょ、上がっても」
「えっ……」
白いスニーカーから足を抜いた彼女は、整えもせず二階の部屋へと階段を上がっていった。部活の途中で家に来るなんて、よほどの事があるんだろうか。もしかしたら、ランニングの途中に俺と無駄話をしていた事が原因で部長に怒られたとか。
いつもとは雰囲気が違う雫に、妙な動揺を感じた。何度か喧嘩をしたことがあるけど、その時の感じに似ている。それならそうと、はっきり言ってくれればいいのに。モヤモヤとした気持ちで、脱ぎ散らかされたスニーカーを並べた後、雫が待つ部屋へと向かった。
「へぇ〜。もうここまで読んだんだ」
扉を開いた視線の先には、ベッドに腰掛け、コミックを読んでいる彼女の姿があった。
「雫も読んだ事があるのか?」
「んん? 無いよ」
「でも、ここまで読んだんだって……。まるで読んだ事があるみたいな言い方じゃないか」
「そうだね。私は読んでないって事」
「はぁ? どういう事だよ」
雫は、俺が読んでいたページを開いた状態でベッドに伏せると、目の前に立った。
「汗臭い?」
「えっ……。い、いや。別に」
「そう? かなり走ったから、ユニフォームに汗が染み込んじゃってて。自分でも結構臭いと思うんだけど」
白いユニフォームの襟元を引っ張り、中に篭った臭いを嗅いだ彼女は、「ねえ、雅嗣もこの中、臭いたい?」と悪戯っぽい目で俺を見つめ返した。その言い方が妙にいやらしく聞こえ、思わず鼓動が高鳴った。
「な、何言ってんだよ。それより……用ってなんだ? さっきの事か?」
「さっきの事?」
「ああ。正門の前で無駄話をしてた事だよ。あれで部長に何か言われたから、怒って俺んちに来たんじゃないのか?」
「……何それ?」
「何それって何だよ。あの時はお前から声を掛けてきたんじゃないか」
「ああ、ちょっと待って。……ふ〜ん、そっか。いや、別にそんな事で来たんじゃないから」
彼女は腕を組みながらしばらく目を瞑り、思い出すような素振りを見せた。雫が取る仕草の一つ一つが、不思議とセクシーに見える。何が違うのかは分からないけど――やっぱり何かが違っていた。
「どうしたの?」
「えっ」
「私、何かおかしい?」
「い、いや。そう言う訳じゃないけど」
「いつもの雅嗣じゃないみたい」
「それは……お前もだろ」
「どう言う事?」
「それは……よく分からないけど」
「そうなんだ。やっぱり幼馴染だと分かっちゃうのかな?」
何が言いたいのか良く分からない。でも――俺が知っている雫は、男が目の前にいる時に両手で胸を鷲掴み、いやらしく微笑むような仕草をする女子ではなかった。

「な、何やってんだよ」
「どう? 私の姿を見て興奮した?」
「す、する訳無いだろ。幼馴染なんだからなっ」
「そうかな? 幼馴染って言っても、所詮は男と女だと思うんだけど」
信じられない会話だった。白いユニフォームを盛り上げる二つの膨らみが、彼女の手によって歪められている。女性が胸を揉んでいる姿を生で見るなんて初めてだ。動揺する俺を見た雫は、いやらしい笑みを浮かべながら「こんなに柔らかいんだ。女の胸って」と、初めて触ったかのような言い方で呟いた。
「し……雫。お前、何やってんだよ」
「見れば分かるでしょ。胸を揉んでいるの。このマシュマロの様な柔らかい胸をね!」
「や、やめろって」
「どうして?」
「ど、どうしてって……。俺が目の前にいるんだぞ」
「それがどうしたの? 幼馴染がこんな事をするなんて信じられない?」
「どうでもいいから、やめろって言ってるだろ!」
強い口調で言うと、ようやく彼女の手が胸から離れた。その代わり、後ろを向いて軽くお尻を突き出し、横顔でニヤリと笑った。光沢のあるポリエステル生地のパンツが、お尻のラインに沿って滑らかな曲線を描いている。そのお尻に手を沿えた雫は、細くて白い指で優しく撫で回しはじめた。
「私のお尻、大きいかな?」
「お、おい……」
「ねえ雅嗣。幼馴染としてどう思う? 私のお尻って大きい?」
後ろに束ねたブラウンの長い髪が背中から滑り落ち、彼女の背番号が見えた。ユニフォームが重力で垂れ下がり、雫の細いウェストを浮き上がらせている。そんな彼女の手は、男が痴漢をしているようないやらしい手つきでお尻を撫で回していた。幼馴染だと分かっていても、その行為に息が荒くなる。俺が興奮しているのが分かったのか、雫はお尻の割れ目に沿って中指を這わせた。ウェストから下に向かって、白いパンツが徐々に左右へ割れてゆく。パンツに割れ目がくっきりと浮かび上がると、這わせた指を軽く曲げ、「んんっ」と鼻から切ない吐息を漏らした。
「ここが私の肛門か。何かエッチだよね」
どう返答をしていいのか分からない。一体、雫は俺の家に何をしに来たんだろうか。やっぱり、部長に怒られた腹いせに、からかいに来たんだろうか。でも、それだけでわざわざ部活を抜け出して来るなんて。小さい頃から一緒に遊んでいた彼女の言動を、頭の中にある引き出しから引っ張り出し、今日の雫と照らし合わせた。
「ねえ、聞いてるのっ?」
「えっ……」
頭の中で思考を巡らせていると、雫の声に呼び戻された。ふと彼女を見ると、腕を組んで俺を見つめている。
「何を考えてたの?」
「あ、いや。な、なあ雫。ほんとに今日はどうしたんだよ。学校の正門で話してからおかしいって。俺、そんなにマズい事をしたのか?」
「は? まだそんな事を言ってるんだ」
「だってさ。どう考えてもいつもの雫じゃないから……」
「へへへ、まあね。普段の私じゃ、こんな事するはず無いよね」
「……どういう事だよ?」
「そろそろ教えてあげよっか」
「し、雫?」
俺には見せた事がない、自慢げでいやらしい笑みを浮かべた雫は真っ直ぐに歩いて、目と鼻の先で止まった。俯くと、紺色のラインが入った襟元から胸の谷間が見えそうだ。思わず覗き見たいという衝動に駆られたけど、堪えて視線を彼女の瞳に合わせた。
「見たいなら見てもいいのに。本人は全然知らないんだからさ」
「えっ?」
「やっぱり幼馴染だって言っても、女だから興味あるよな。はははっ」
彼女は笑いながら襟元に指を引っ掛けると、わざと引っ張ってユニフォームの中を見せ付けた。
「か、からかうなよっ」
「からかってなんかいないさ。俺だよ、俺。小野寺だよ」
「……は?」
「俺が六橋雫の身体に乗り移っているのさ!」
「の、乗り移……る?」
「ああ。藤元が化学室にいるとき、後で教えてやるって言っただろ。あれはこういう事だったんだ」
「雫……じゃないのか?」
「そういう事。あの薬は、魂を身体から切り離す事が出来るものなんだ。魂として幽体離脱したら、こんな風に他人の体に入り込む事が出来るんだ」
嬉しそうに笑った雫は、頭の後ろに両手を当て、腰を捻りながらセクシーなポーズを取った。
「だから、こんなポーズを取らせたり、好きな事を言わせたりする事が出来るんだ。何ていうか、完全に自分の身体と同じ様に扱えるって訳」
「ほんとに……小野寺なのか?」
「信じられないだろうな。身体は六道本人のものだから。でも、お前はずっとおかしいと思っていたんだろ? それは正解なんだ」
今度は、腰に両手を添えて足を開き、偉そうな態度で俺を見ている。まさか幽体離脱して他人の身体に乗り移れるなんて。でも、普段の雫からは考えられない言動は、小野寺の仕業であるなら納得できる。それにしても、目の前にいるのは幼馴染の雫で、その身体を小野寺が乗っ取って動かしていると言われると、雫には悪いけど何故か無性に興奮した。
「もしかして、さっきのコミックって」
「ああ。俺は読んでるけど、六道雫は読んでいないって事さ」
「……そう言われたら納得出来るよ。でも、何回でも聞きたくなるよ。ほんとに小野寺なのかって」
「俺が幽体離脱して校舎を出たときに、藤元が正門の前で女子バスケ部の生徒と別れたところを見つけたんだ。近づいたら、六道雫だと分かってさ。彼女、お前の幼馴染だし結構可愛くてスタイルよさそうだから、六道の身体を乗っ取ろうと思って。早速、六道の後ろを付いていって、体育館へ入ろうとした時に乗っ取ったんだ。乗り移る時に、六道がちょっと苦しそうな状態になって、部長とかに見つかったけど、お腹が痛いからトイレに行って来るって言ったら、素直に聞いてくれたよ。で、そのままこっそりと正門を出て藤元の家に来たんだ」
「す、すごいな……。そんな事が出来るなんて」
「そりゃ、今まで作った薬の中で最高の出来栄えだからな。俺も、ほんとに出来るか心配だったけど、予想外に上手く乗り移れたから良かったよ。それに、本人の記憶も覗き見えるみたいだし」
「本人の記憶? それって雫の記憶って事か?」
「ああ。さっきお前が正門で話をしていた時の事って言っただろ。俺、その時の話を全然知らなかったから、彼女の記憶から引き出したんだ」
「そういう事だったのか」
「だから記憶も身体も使い放題って訳さっ!」
聞いている内に、雫を小野寺が操っている事への疑惑が薄れてきた。でも、雫自身の気持ちを無視して乗り移るのは、やっぱり可愛そうな気がする。勝手に身体を使われているって事だから。そんな事を考えていると、小野寺は俺の気持ちを感じ取ったのか、「大丈夫だよ雅嗣。私、全然気にしてないから」と、雫の口調を真似て微笑んだ。いつもの雫に戻ったと錯覚してしまうほど、自然な笑顔だった。
「だ、だってさ」
「私は雅嗣の事、嫌じゃないよ。小さい頃から一緒に遊んでた仲だもんね!」
「嫌じゃないって……それってどういう事だよ?」
「私の口から言わせるの?」
「えっ……」
「雅嗣なら、何をされても許せるって事だよ!」
小野寺が適当に言っているのか、雫の記憶を覗き見て言っているのかは分からなかった。でも、雫にそう言われるとすごく嬉しくて、心がドキドキした。
「小野寺なんだろ。あんまりからかわないでくれよ」
「からかってると思うか?」
「どういう事だよ。それって雫の気持ちでもあるって事なのか?」
「藤元はどう思う?」
「俺は……」
そうあって欲しいと思った。でも、俺と雫は幼馴染だし、雫も彼氏彼女っていうよりは気軽に話せる友達って感覚だろう。まあ、それでも女子と親しく話せるのは雫くらいだから、ありがたいと感じているんだけど。
「六道が藤元の事をどう思っているか教えてやろうか? 今なら事細かに教えてやれるぜ」
「……いや。そう言うのって、やっぱり本人の口から聞きたいし」
「本人の口だけど」
小野寺は雫の口を尖らせると、人差し指を添えた。
「そりゃ、確かに雫の口だけどさ」
「俺が言えば、それは六道が言った事になるんだけど。やっぱり嫌われているかもしれないって思うと聞けないか?」
「ま、まあな」
「じゃあ……。本人の気持ちを聞く前に、身体の相性がいいか確かめておこうか」
「は、はぁ?」
「興味あるんだろ? 六道の……幼馴染の身体がどれくらい成長しているか!」
今度は悪戯っぽい目をしながら俺を見つめてくる。何か、小野寺に良い様にからかわれているみたいで、少し複雑な気分だ。ただ、あいつのせいでセクシーな雰囲気を纏わされた雫に、下半身が疼いて仕方が無かった。
コミックを読み始めて二十分くらい経っただろうか。玄関のチャイムが鳴る音が聞こえた。この時間のチャイムは、おおよそ宅急便か町内の回覧か。そう思いながら階段を急ぎ足で下り、判子を用意しようとキッチンへ向かおうとした視界に人影が入った。
「えっ!」と思って玄関を見ると−−何故か白いユニフォームを着た雫が立っている。思わず、「何で?」と呟いてしまった。
「へへへ。扉、鍵が掛かって無かったから入っちゃった」
一まとめにしたブラウンの長い髪に指を絡ませながら微笑んだ彼女に、何故か違和感を覚えた。何て言えばいいのか分からないけど、しっくり来ないと言うか、彼女らしくないというか。うまく表現できない。
「し、雫?」
「うん」
「ど、どうしたんだよ。まだ部活の途中じゃないのか……っていうか、何か用?」と、間抜けな質問をした俺に対して、雫は小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、「用があるから来たんじゃない」と答えた。
「な、何だよ。用って」
「まあ、ここじゃ何だから雅嗣の部屋に行こうよ。いいでしょ、上がっても」
「えっ……」
白いスニーカーから足を抜いた彼女は、整えもせず二階の部屋へと階段を上がっていった。部活の途中で家に来るなんて、よほどの事があるんだろうか。もしかしたら、ランニングの途中に俺と無駄話をしていた事が原因で部長に怒られたとか。
いつもとは雰囲気が違う雫に、妙な動揺を感じた。何度か喧嘩をしたことがあるけど、その時の感じに似ている。それならそうと、はっきり言ってくれればいいのに。モヤモヤとした気持ちで、脱ぎ散らかされたスニーカーを並べた後、雫が待つ部屋へと向かった。
「へぇ〜。もうここまで読んだんだ」
扉を開いた視線の先には、ベッドに腰掛け、コミックを読んでいる彼女の姿があった。
「雫も読んだ事があるのか?」
「んん? 無いよ」
「でも、ここまで読んだんだって……。まるで読んだ事があるみたいな言い方じゃないか」
「そうだね。私は読んでないって事」
「はぁ? どういう事だよ」
雫は、俺が読んでいたページを開いた状態でベッドに伏せると、目の前に立った。
「汗臭い?」
「えっ……。い、いや。別に」
「そう? かなり走ったから、ユニフォームに汗が染み込んじゃってて。自分でも結構臭いと思うんだけど」
白いユニフォームの襟元を引っ張り、中に篭った臭いを嗅いだ彼女は、「ねえ、雅嗣もこの中、臭いたい?」と悪戯っぽい目で俺を見つめ返した。その言い方が妙にいやらしく聞こえ、思わず鼓動が高鳴った。
「な、何言ってんだよ。それより……用ってなんだ? さっきの事か?」
「さっきの事?」
「ああ。正門の前で無駄話をしてた事だよ。あれで部長に何か言われたから、怒って俺んちに来たんじゃないのか?」
「……何それ?」
「何それって何だよ。あの時はお前から声を掛けてきたんじゃないか」
「ああ、ちょっと待って。……ふ〜ん、そっか。いや、別にそんな事で来たんじゃないから」
彼女は腕を組みながらしばらく目を瞑り、思い出すような素振りを見せた。雫が取る仕草の一つ一つが、不思議とセクシーに見える。何が違うのかは分からないけど――やっぱり何かが違っていた。
「どうしたの?」
「えっ」
「私、何かおかしい?」
「い、いや。そう言う訳じゃないけど」
「いつもの雅嗣じゃないみたい」
「それは……お前もだろ」
「どう言う事?」
「それは……よく分からないけど」
「そうなんだ。やっぱり幼馴染だと分かっちゃうのかな?」
何が言いたいのか良く分からない。でも――俺が知っている雫は、男が目の前にいる時に両手で胸を鷲掴み、いやらしく微笑むような仕草をする女子ではなかった。

「な、何やってんだよ」
「どう? 私の姿を見て興奮した?」
「す、する訳無いだろ。幼馴染なんだからなっ」
「そうかな? 幼馴染って言っても、所詮は男と女だと思うんだけど」
信じられない会話だった。白いユニフォームを盛り上げる二つの膨らみが、彼女の手によって歪められている。女性が胸を揉んでいる姿を生で見るなんて初めてだ。動揺する俺を見た雫は、いやらしい笑みを浮かべながら「こんなに柔らかいんだ。女の胸って」と、初めて触ったかのような言い方で呟いた。
「し……雫。お前、何やってんだよ」
「見れば分かるでしょ。胸を揉んでいるの。このマシュマロの様な柔らかい胸をね!」
「や、やめろって」
「どうして?」
「ど、どうしてって……。俺が目の前にいるんだぞ」
「それがどうしたの? 幼馴染がこんな事をするなんて信じられない?」
「どうでもいいから、やめろって言ってるだろ!」
強い口調で言うと、ようやく彼女の手が胸から離れた。その代わり、後ろを向いて軽くお尻を突き出し、横顔でニヤリと笑った。光沢のあるポリエステル生地のパンツが、お尻のラインに沿って滑らかな曲線を描いている。そのお尻に手を沿えた雫は、細くて白い指で優しく撫で回しはじめた。
「私のお尻、大きいかな?」
「お、おい……」
「ねえ雅嗣。幼馴染としてどう思う? 私のお尻って大きい?」
後ろに束ねたブラウンの長い髪が背中から滑り落ち、彼女の背番号が見えた。ユニフォームが重力で垂れ下がり、雫の細いウェストを浮き上がらせている。そんな彼女の手は、男が痴漢をしているようないやらしい手つきでお尻を撫で回していた。幼馴染だと分かっていても、その行為に息が荒くなる。俺が興奮しているのが分かったのか、雫はお尻の割れ目に沿って中指を這わせた。ウェストから下に向かって、白いパンツが徐々に左右へ割れてゆく。パンツに割れ目がくっきりと浮かび上がると、這わせた指を軽く曲げ、「んんっ」と鼻から切ない吐息を漏らした。
「ここが私の肛門か。何かエッチだよね」
どう返答をしていいのか分からない。一体、雫は俺の家に何をしに来たんだろうか。やっぱり、部長に怒られた腹いせに、からかいに来たんだろうか。でも、それだけでわざわざ部活を抜け出して来るなんて。小さい頃から一緒に遊んでいた彼女の言動を、頭の中にある引き出しから引っ張り出し、今日の雫と照らし合わせた。
「ねえ、聞いてるのっ?」
「えっ……」
頭の中で思考を巡らせていると、雫の声に呼び戻された。ふと彼女を見ると、腕を組んで俺を見つめている。
「何を考えてたの?」
「あ、いや。な、なあ雫。ほんとに今日はどうしたんだよ。学校の正門で話してからおかしいって。俺、そんなにマズい事をしたのか?」
「は? まだそんな事を言ってるんだ」
「だってさ。どう考えてもいつもの雫じゃないから……」
「へへへ、まあね。普段の私じゃ、こんな事するはず無いよね」
「……どういう事だよ?」
「そろそろ教えてあげよっか」
「し、雫?」
俺には見せた事がない、自慢げでいやらしい笑みを浮かべた雫は真っ直ぐに歩いて、目と鼻の先で止まった。俯くと、紺色のラインが入った襟元から胸の谷間が見えそうだ。思わず覗き見たいという衝動に駆られたけど、堪えて視線を彼女の瞳に合わせた。
「見たいなら見てもいいのに。本人は全然知らないんだからさ」
「えっ?」
「やっぱり幼馴染だって言っても、女だから興味あるよな。はははっ」
彼女は笑いながら襟元に指を引っ掛けると、わざと引っ張ってユニフォームの中を見せ付けた。
「か、からかうなよっ」
「からかってなんかいないさ。俺だよ、俺。小野寺だよ」
「……は?」
「俺が六橋雫の身体に乗り移っているのさ!」
「の、乗り移……る?」
「ああ。藤元が化学室にいるとき、後で教えてやるって言っただろ。あれはこういう事だったんだ」
「雫……じゃないのか?」
「そういう事。あの薬は、魂を身体から切り離す事が出来るものなんだ。魂として幽体離脱したら、こんな風に他人の体に入り込む事が出来るんだ」
嬉しそうに笑った雫は、頭の後ろに両手を当て、腰を捻りながらセクシーなポーズを取った。
「だから、こんなポーズを取らせたり、好きな事を言わせたりする事が出来るんだ。何ていうか、完全に自分の身体と同じ様に扱えるって訳」
「ほんとに……小野寺なのか?」
「信じられないだろうな。身体は六道本人のものだから。でも、お前はずっとおかしいと思っていたんだろ? それは正解なんだ」
今度は、腰に両手を添えて足を開き、偉そうな態度で俺を見ている。まさか幽体離脱して他人の身体に乗り移れるなんて。でも、普段の雫からは考えられない言動は、小野寺の仕業であるなら納得できる。それにしても、目の前にいるのは幼馴染の雫で、その身体を小野寺が乗っ取って動かしていると言われると、雫には悪いけど何故か無性に興奮した。
「もしかして、さっきのコミックって」
「ああ。俺は読んでるけど、六道雫は読んでいないって事さ」
「……そう言われたら納得出来るよ。でも、何回でも聞きたくなるよ。ほんとに小野寺なのかって」
「俺が幽体離脱して校舎を出たときに、藤元が正門の前で女子バスケ部の生徒と別れたところを見つけたんだ。近づいたら、六道雫だと分かってさ。彼女、お前の幼馴染だし結構可愛くてスタイルよさそうだから、六道の身体を乗っ取ろうと思って。早速、六道の後ろを付いていって、体育館へ入ろうとした時に乗っ取ったんだ。乗り移る時に、六道がちょっと苦しそうな状態になって、部長とかに見つかったけど、お腹が痛いからトイレに行って来るって言ったら、素直に聞いてくれたよ。で、そのままこっそりと正門を出て藤元の家に来たんだ」
「す、すごいな……。そんな事が出来るなんて」
「そりゃ、今まで作った薬の中で最高の出来栄えだからな。俺も、ほんとに出来るか心配だったけど、予想外に上手く乗り移れたから良かったよ。それに、本人の記憶も覗き見えるみたいだし」
「本人の記憶? それって雫の記憶って事か?」
「ああ。さっきお前が正門で話をしていた時の事って言っただろ。俺、その時の話を全然知らなかったから、彼女の記憶から引き出したんだ」
「そういう事だったのか」
「だから記憶も身体も使い放題って訳さっ!」
聞いている内に、雫を小野寺が操っている事への疑惑が薄れてきた。でも、雫自身の気持ちを無視して乗り移るのは、やっぱり可愛そうな気がする。勝手に身体を使われているって事だから。そんな事を考えていると、小野寺は俺の気持ちを感じ取ったのか、「大丈夫だよ雅嗣。私、全然気にしてないから」と、雫の口調を真似て微笑んだ。いつもの雫に戻ったと錯覚してしまうほど、自然な笑顔だった。
「だ、だってさ」
「私は雅嗣の事、嫌じゃないよ。小さい頃から一緒に遊んでた仲だもんね!」
「嫌じゃないって……それってどういう事だよ?」
「私の口から言わせるの?」
「えっ……」
「雅嗣なら、何をされても許せるって事だよ!」
小野寺が適当に言っているのか、雫の記憶を覗き見て言っているのかは分からなかった。でも、雫にそう言われるとすごく嬉しくて、心がドキドキした。
「小野寺なんだろ。あんまりからかわないでくれよ」
「からかってると思うか?」
「どういう事だよ。それって雫の気持ちでもあるって事なのか?」
「藤元はどう思う?」
「俺は……」
そうあって欲しいと思った。でも、俺と雫は幼馴染だし、雫も彼氏彼女っていうよりは気軽に話せる友達って感覚だろう。まあ、それでも女子と親しく話せるのは雫くらいだから、ありがたいと感じているんだけど。
「六道が藤元の事をどう思っているか教えてやろうか? 今なら事細かに教えてやれるぜ」
「……いや。そう言うのって、やっぱり本人の口から聞きたいし」
「本人の口だけど」
小野寺は雫の口を尖らせると、人差し指を添えた。
「そりゃ、確かに雫の口だけどさ」
「俺が言えば、それは六道が言った事になるんだけど。やっぱり嫌われているかもしれないって思うと聞けないか?」
「ま、まあな」
「じゃあ……。本人の気持ちを聞く前に、身体の相性がいいか確かめておこうか」
「は、はぁ?」
「興味あるんだろ? 六道の……幼馴染の身体がどれくらい成長しているか!」
今度は悪戯っぽい目をしながら俺を見つめてくる。何か、小野寺に良い様にからかわれているみたいで、少し複雑な気分だ。ただ、あいつのせいでセクシーな雰囲気を纏わされた雫に、下半身が疼いて仕方が無かった。
コメント
コメント一覧 (7)
幼馴染、というのが、僕にはなんだか新鮮で…続き、楽しみです〜♪
コメントありがとうございます〜。
幼馴染ってキーワードも興奮しますね。
私にはいませんけどw
続きも徐々に書いていきたいと思います。
お忙しい所、失礼します。
私、無料モバイルサイト「Movie Dash」
http://av-dash.com/?ad=test (※PC非表示)
広告担当 鎌田 敦と申します。
この度、管理人様のサイトを観覧させて頂き
是非とも広告の掲載をして頂きたいと思い
連絡をさせて致しました。
今現在、広告の募集はされていますでしょうか?
当サイト掲載可能で御座いましたら、
掲載料金等、掲載についての詳細をお聞かせ願います。
末永くお付き合いが出来ればと考えておりますので
是非ともご検討の程、宜しくお願い致します。
アフィリエイトも対応いたします。
他にもアニメサイト・熟女サイト・スマートフォン専用サイトなどもございます。
当サイトに掲載されているサイト様は、会員制有料アダルトサイトでございます。
登録に際して、各認証項目を設けておりまして
会員登録されない場合は料金が発生することは、ございません。
掲載されている業者様は、映像配信型風俗特殊営業の届出済みで、
認可を得た上で運営しており、法律的に問題は一切ございませんのでご安心下さいませ。
※尚、当サイトはPCでの表示はできません。
大変お手数ですが、モバイルにてご確認お願いします。
それでは、ご連絡を心よりお待ちしております。
以上失礼致します。
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サイト名 / 無料エロ動画「Movie Dash」
URL/ http://av-dash.com/?ad=test
MAIL/ ad@av-dash.com
担当者/ 鎌田 敦
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何度も書き込みいただいているのですが、広告の募集はしておりません。
よろしくお願いします。
>鉱山師さん
コメントありがとうございます!
続きは、出来れば週末に掲載したいです。
しかし、まだ一文字も書いていない状態で(^^
頑張りまする〜。
コメントありがとうございます!
あれも作らなければならないのですが、かなり大変な作業なので滞っています。
他にも中途半端に終わっている作品があるので、順次作っていきたいところです。