性的な欲求に少し満足した僕は有岡さんを椅子ごと後ろに引くと、セーラー服を正面から眺めつつしゃがみ込んだ。彼女の視線は肉棒をしごいているところを見ているままだから、右の斜め下を向いた状態だ。その頭を、しゃがんだ僕を見るように調整する。有岡さんは僕を真っ直ぐに見ているけど、少し視線が違うように思えた。元々、遠くを見ている状態で瞳が固定されているからかもしれない。
 そんな彼女の視線を感じつつ、両膝を持って閉じている脚をゆっくりと左右に開いた。プリーツスカートの生地が内腿の間に垂れて股間を隠そうとするけど、完全に覆い隠す事は出来ず、薄暗いスカートの中に白いパンティが見えた。

「あ、有岡さんのパンティだ。すごい……」

 また肉棒が硬く勃起する。蟹股に足を開いた彼女の姿はちょっと滑稽に思えたけど、スカートの裾を捲って下半身を曝け出すと、逆にいやらしさが倍増した。 その姿は、まるで僕を誘っているかのようだ。

(どう? 私の姿。すごくエッチでしょ)

 僕を見つめる彼女が、心の中でそう言っているように思えた。ドキドキしながらパンティ越しに股間を擦ると、ぷっくりと膨れた生地が左右に割れる。少しは反応するかと彼女の顔を見たけど、やっぱり無表情で僕を見ていた。

「こんなにいやらしい事をされているのに、有岡さんって全然平気なんだね」

 時を止められた彼女は何を言っても口を開かない。僕はパンティの生地を擦ったり押したりしながら、初めて触る女性器に心を躍らせた。もう一度彼女の顔を見て、変化の無い事を確認した後、スカートの奥に両手を入れ、パンティをゆっくりと脱がせ始めた。お尻に引っかかるけど、彼女の体を少し傾けると比較的脱がせやすくなる。

「うわ……」

 その光景に、思わず呟いた。彼女の股間には、僕と同じように縮れた陰毛が生えていた。でも、それ程茂っているわけではなく、薄っすらと生えている程度だった。そしてねっとりとした透明な汁がパンティの裏生地と陰唇の間で糸を引いた。これって有岡さんが感じているという事なのだろうか? 時間は止まっていても、体は反応したのかもしれない。いや、時間を止める前に彼女が感じていたとか。よく分からないけど、生の股間が目の前にあると言うリアルな状態にドキドキした。
 太腿から脹脛、そして片足ずつ抜いてパンティを脱がせると、彼女の股間を包んでいた裏生地を眺めた。少し黄色いシミが付いていて、先程の透明な汁がテカテカと滑っている。
 また有岡さんの無表情な顔を見ながら、そのシミの付いたパンティを匂う。ちょっと小便臭くて変な匂いだ。指で触ると、滑った汁が纏わり付いてきた。

「これ、有岡さんのマンコから出てきたんだ」

 パンティを机上に置いた僕は、有岡さんの濡れた陰唇を指で触ってみた。生温かくて柔らく、プニュプニュとした肉の丘。その谷間に指を滑らせ、ゆっくりと押してゆく。押すというよりは、谷間に飲み込まれてゆく感じだった。きっとここがマンコ――膣の穴なんだ。
 痛がる様子も無く、恥じらいも感じられない有岡さんの膣はとても温かかった。肉壁に指が締め付けられる。この中に肉棒を入れたらどれ程気持ちがいいんだろうか。僕は想像しながら、膣に二本の指を入れて掻き回した。
 クチュクチュといやらしい水音が膣の中から聞える。こうして指で弄っていると、有岡さんはイッてしまうんだろうか? 時間が止まっていても、体は反応するんだろうか?
 しばらく弄っていたけど、何の変化も現れないと思った僕は、陰唇を開いて有岡さんの全てを確認した。クリトリスや尿道口、そして指を入れていた膣口が縦に並んでいる。サーモンピンクの襞に、鮮やかなピンクの穴。ちょっとグロテスクだけど、自分とは全く異なる構造の女性器は神秘的だった。

「この小さなクリトリスが気持ちいいんだろうな?」

 そう思って、指の腹で弄ってみた。充血してぷっくりと膨れた、小豆のようなクリトリスを優しく撫でると、女の子なら善がるはずだ。でも、彼女は相変わらず反応しなかった。喘いで欲しいと言う気持ちもあるけど、こうして自由に触れるシチュエーションには変えられない。
 僕は少し物足りなさを感じながら立ち上がり、ズボンとボクサーパンツを脱いだ。

「……しちゃおうかな」

 大きく深呼吸をした後、教卓の後ろに立つ野原先生を見つめた。目の前で生徒がセックスをするなんて、想像した事があるだろうか。教科書に視線を落とす先生は、これから起こる出来事に拘りたくないため、知らぬフリをしているように思えた。そんな事にまで責任は持てない。無言でそう言ってる様だった。
 僕は椅子に座る有岡さんの両脇を持って立ち上がらせると、彼女の変わりに椅子に座った。そして、足を開かせながら対面になるよう、太腿に座らせた。
 制服姿の有岡さんが僕の上に乗っている。抱きしめて引き寄せると、勃起した肉棒が互いの下腹部に挟まれた。白いセーラー服に包まれた胸が目の前にある。顔を上げると、無表情の有岡さんが僕を見ていた。ここまで至近距離で面と向かえば互いの鼻息が届きそうだけど、彼女の鼻からは息をしている気配を感じられなかった。

「いよいよ有岡さんと……するんだ」

 彼女を軽く持ち上げつつ、上手く腰を動かして膣口に亀頭を合わせると、肉棒は何の抵抗も無く入り込んでいった。

「ううっ」

 僕だけが低い呻き声を上げた。スカートを捲ると、互いの下半身が密着して陰毛が絡み合っている。

「は、入った。僕のチンポが有岡さんのマンコに入った。セ、セックスしているんだ」

 肉棒全体が温かい膣壁に包まれて、キュッと締め付けられる感触。こんなに気持ちのいい感覚は、今まで経験した事が無い。これがセックスという行為なんだ。
 僕は有岡さんの体をギュッと抱きしめた。彼女は両腕を体の横に垂らしたまま、何も言わずに抱きしめられてくれる。セーラー服の胸に顔を埋め、頬を摺り寄せた。彼女の匂いを何度も何度も吸い込んだ。裾から両手を忍ばせて、その華奢でスベスベした背中を何度も何度も撫でた。

「はぁ、はぁ、これで有岡さんは僕のものだ」

 有岡さんを自分のものにしたという満足感に満たされた瞬間だった。
 誰も僕の邪魔は出来ない。先生も、柔道部の角山君も、厳格な父親も。警察だって僕を止める事は出来ないんだ。そして、何より有岡さん自身も。
 鼓動が異常なほど高鳴っている。
 僕は、表情を変えない有岡さんの頭を両手で掴むと、閉じられているピンク色の唇を奪った。鼻息を荒らげながら強引に唇をこじ開け、閉じていた歯を開いて口内を犯した。有岡さんの動かない舌に自分の舌を絡め、彼女の味を楽しんだ。顔を斜めに倒していても、お互いの歯が触れ合ってコツコツと音がする。サラサラの髪を掴みながら、唾液塗れになる程、激しくキスをした。こうしている間も、彼女の目は開いたままだ。口内を舌で犯され、膣を肉棒で犯されているのに。しかも、好きでもない僕に。

「はあっ、はあっ、はあっ。有岡さんっ!」

 理性なんて存在しなかった。有岡さんを抱きしめながら立ち上がった僕は、一旦肉棒を引き抜くと、彼女を机上にうつ伏せにして寝かせた。教科書やシャーペンが無造作に床へ落ちてゆく。パンティも椅子の上に揺れ落ちていった。両腕が机からだらりと垂れた彼女のスカートを捲り、バックで肉棒を挿入する。

「うっ。はぁ〜」

 有岡さんのお尻と僕の下腹部が密着し、また肉棒が膣壁の祝福を受けた。気持ちよすぎて腰がよろけそうだ。それでも僕は、彼女の腰を持って一心不乱に腰を振った。
 机の脚が床に擦れてギシギシと音を立てている。そして、パンパンと肉がぶつかり合う音がした。
 静寂の中、僕の周りだけ激しい音に包まれる。

「はぁっ、はあっ、はぁっ」

 肉棒を捩じ込む度に、少しずつ机が前に動いた。こんなに激しく音を出しているのに、誰一人として気付かない。動かない。
 どれくらいの時間が経ったのかは分からないけど、黒板の上にある時計の針は、一時間目が始まった直後のままだ止まっていた。

「はぁ、はぁ、うっ、はぁ、はあっ」

 有岡さんの膣は、本当に気持ちよかった。肉壁が絡みついてきて、ヌルヌルと滑っていて、グチュグチュと音を立てている。
 もし、彼女に意識があったら激しく悶えてくれるだろうか?
 僕のセックスに満足してくれるだろうか?
 何も言わない彼女は、机の横に垂らした両腕をブラブラと揺らしているだけだった。

「はあっ、あっ、有岡さんっ! も、もうっ……イクッ!」

 こうして僕は片想いのまま、彼女の意志を無視して膣内に射精した――。



 静寂が蘇る。
 机に体を預ける彼女の膣口から、白い精液が垂れていた。その光景にまた興奮したけど、十分に満足した僕は時間を進めようと思った。ちょっとだけ股間を拭き取ってからパンティを穿かせ、元通りに座らせる。床に散乱した教科書やシャーペンも机上に並べて、元通りの彼女を作った。
 その後、自分の席に戻って懐中時計のリューズを引っ張った。
 瞬間的にざわめきが戻ってくる。今まで止まっていた全員が、本来の行動を取るべく動き始めた。でも、有岡さんだけは違っていた。

「きゃあっ!」

 裏返った声を上げて体を抱きしめると、「あっ、あっ、あぁ……」と切ない声を震わせている。みんなが驚いて有岡さんに視線を送った。彼女は顔を真っ赤にしながら、ギュッと脚を閉じて身悶えている。僕が愛撫したりセックスした時の感覚が、時間を動かした事によって現れたんだろう。

「や、やだっ。な、何これ……。あっん」

 相当感じてくれていたに違いない。僕はそう思ってニヤリと笑った。大きく肩で息をしながら呼吸を整える彼女がとてもセクシーに見えた。
 誰も気づいていない。気づく事が出来ないんだ。
 僕はポケットの中に仕舞った懐中時計を握り締めると、次はいつ時間を止めようかとワクワクしながら授業を受けた――。


おわり