時間を停止できるスイッチを手に入れた高校生が、友達の姉とセックスしようとするお話です。
「隆之の姉ちゃん、もうすぐ帰ってくるのか?」
「多分な。でもどうしてさ?」
「え、いや。何でもないけど。早くゲームの続きをしようぜ」
「ああ」

 学校の帰り、初めて隆之の家に遊びに来た八雲は、それとなく時間を気にしながら隆之とゲームをしていた。勉強机の上に置いている目覚まし時計の針は夕方の六時半を回ろうとしている。

「そういえば、確か両親って帰りが遅いんだっけ?」
「ああ。お袋は八時くらいかな。親父は論外。いつも姉ちゃんが先に飯を作ってくれるんだ」
「へぇ〜。俺がいたら邪魔っぽいな。姉ちゃんと二人で食事するんだろ」
「別に構わないよ。飯なんていつでも食えるし。あ、やられた。コントローラーが反応しなかった」
「それは自分のミスだろ」
「いや。ボタンを押したのにジャンプしなかったんだ」
「ま、そういうことで」
「八雲、もう一回やるぞ」
「何度でも相手してやるよ」

 格闘ゲームが好きな隆之は、八雲になかなか勝てないのが悔しいのか、勝つまで再戦を申し出た。もちろん八雲は相手になるが、今日彼の家に来たのはゲームが目的ではなかった。
 一昨日、あるサイトから手に入れた物。それは時間を止める事が出来る小さなスイッチだ。このスイッチを押すと、押した人間以外の時間が瞬間的に停止する。手に入れてから実際に試してみたが、リビングでテレビを見ていた母親がマネキンの様に動かなくなっていた。そして、外に出ると普段のざわめきが一切なく、しんと静まり返っていた。空を見上げ、しばらく雲の流れを見ていたが、その場から動こうとはしなかった。本当に自分しか動いていないんだと思えた瞬間だった。
 隣の家に入ってみようと思ったが、扉に鍵が掛かっていて入れない。歩道を歩いている男性に声を掛けても返事はなく、頬を抓っても真面目な顔をしたまま痛がりもしなかった。
 しばらく家の周りを歩いていると、幼稚園児を連れた若いお母さんが動かなくなっている姿を発見した。フリルの付いた長袖カットソーにジーンズ姿の女性は、手を繋いでいる子供に顔を向け、笑顔で何かを話しかけているところだった。そんな彼女に近づき、頬を軽く叩いてみる。もちろん彼女は無反応で、子供をずっと見つめていた。

「急に動き出すなんて無いよな……」

 女性の顔を見ながら後ろに回り、ジーンズに包まれたむっちりとしているお尻をそっと撫でてみる。やはり彼女は無反応で、触られているという感じではなかった。

「うわ……。すげぇ」

 動かない事が分かった八雲は、両手でお尻を撫で回した。母親同様、マネキンの様に動かないが、お尻には柔らかさがあり温かい体温が伝わってくる。少し力を入れて揉むとバランスを崩し、体が前に倒れそうになった。

「わっ! 危ねっ」

 慌てて体を支え、元通りに立たせた彼の手には、カットソーに包まれた胸が収まっていた。咄嗟に手を離したが、ニヤリと笑うともう一度胸に手を添え、大きく揉んでみる。何ともいえない柔らかさが掌いっぱいに広がり、彼を興奮させた。

「こんなに揉んでも気が付かないっていうか、動かないんだ。時間が停止するのってすげぇな」

 調子に乗った彼は、カットソーを捲り上げブラジャーに包まれた胸を晒した。CかDカップほどある胸は、ブラジャーによって大きな谷間が作られている。

「たまんねぇなぁ」

 ブラジャーのカップを引っ張り、中に隠されていた胸を覗き見た彼は鼻の下を伸ばした。少し黒ずんだ乳首が埋没している。その乳首を見た八雲はブラジャーを競り上げると、彼女の体が倒れないように抱きしめつつ、赤ちゃんの様に乳首を口に含んだ。そして吸い付きながら舌を使って嘗め回した。
 すると、埋没していた乳首が強制的に表に引っ張り出され、自然と固くなってゆく。

「乳首が勃ってきた。こっちは」

 今度はもう片方の乳首を口に含み、同じように吸い付きながら刺激する。時間が止まっていても感じるのか、彼女の乳首は両方とも固く勃起した。
 表情を伺うと、最初に見たときと同じく笑顔を崩していない。しかし乳首が勃起するという事は、体が感じているという事だから、動かなくても本人の意識はあるのだろうか。
 そんな風に思いながら片手で体を支えつつ、また胸に吸い付き空いている手で胸を揉みしだいた八雲は、しばらく人妻の胸を堪能した後、時間を動かしてみる事にした。
 ブラジャーを元通りにし、カットソーを下ろしてから少し離れ、スイッチを押してみる。すると、一瞬にしてざわめきが聞え、女性が会話の途中から話を始めた。

「ゃんと遊んでたの? 仲良く遊べた?」
「うん」
「そっか。秋ちゃんは女の子だから優しく……」

 そこまで話すと、胸に違和感を覚えたのか片手を胸元に宛がった。

「どうしたのママ」
「えっ。う、ううん。何でもないよ」

 後姿なのでよく分からないが、恐らく乳首が勃起している事に気付いたのだろう。子供と歩きつつ、カットソーの上から何度もブラジャーの位置を直す仕草をしている。
 彼女の様子から、時間を止めている間の事は全く理解出来ていないようだ。これなら好き勝手に悪戯できると思った八雲は、時間を止めて色々な人に軽い悪戯をした。しかし、彼がこの時間を停止できるスイッチを手に入れ、最終的にしたいのは未だ体験のない女性とのセックスだ。そして、コスプレマニアの彼としては、自分の好きなコスプレ衣装を着た女性とセックスしたい。そんな願望を叶える方法として選んだ女性が、同級生の隆之の姉、唯香だった。隆之から聞いた話では、彼女は五歳年上の二十三歳。大学を出てOLをしているらしい。家族で撮った写真を見せてもらったところ、八雲好みの綺麗な顔立ちをしていた。大学時代は複数の男性から交際を迫られていたと、姉の自慢をする隆之の話も頷ける。
 美人女性にコスプレさせて悪戯したり、セックスをしたり。
 友達の隆之にはちょっと後ろめたい気がしたが、誰も動かないとはいえ落ち着かない外ではなく、部屋の中でゆっくりと女性の体に悪戯したい。友情よりも、体の奥底から湧き出る性欲――欲望には勝てなかったのだ。
 そして――

「ただいま〜」
「あ、姉貴が帰ってきた」

 その言葉に、八雲の鼓動は激しく高鳴った。