この作品は、同人誌「入れかえ魂Vol.3」「入れかえ魂Vol.4」に掲載された「どうにもならない(前編)」と「どうにもならない(後編)」となります。
 先生が大好きな高校生が、彼女の体を乗っ取り、色々な悪戯を行います。また、その性質上ダークな展開になりますので、読みたいと思われる方のみ、閲覧くださいませ。
「あっ」
(やだっ! 誰か来たわ。もうっ! どうするのよ)
「そんなの知らないって。後は先生が何とかしてよ」
(何、無責任な……)
「……事を言ってるのよっ。あっ」

 頭の中で話していたはずの言葉が、智恵の口から出てきた。どうやら体の主導権を智恵に譲ったようだ。いきなり動くようになった体に戸惑う智恵。
 今、こんな状況で自由になっても――

「そんな……どうするのよ……」

 トントンッ

 誰かがガタガタと扉を開けようとしている。

「どうしよう……」
「誰かいるの?」

 扉の向こうから女子生徒の声がする。

「…………」
「誰かいるんだったら開けてよ。私、剣道部の須藤よ」
「す、須藤さん!?」

 なんてことだ。
 まさか、この剣道着の持ち主が現れるなんて……
 智恵は動揺していた。どうすればこの場を乗り切れるだろう?
 というか、どうしてこんな目に遭わなければならないのだろう?

「あ……あの、須藤さん?」
「……先生? 村内先生ですか?」
「そ、そうなの」
「すいません、鍵を開けてもらいたいんですけど。忘れ物しちゃって」
「え、ええ。分かったわ。今、開けるから少しだけ待ってくれる?」
「……は、はい……」

 怪訝そうな感じが、声のトーンから読み取れる。智恵は急いで剣道着を脱ごうと、腰に結んでいる青い袴の紐に手をかけた。

「あ、あれ……手、手が……動かない……」

 紐を解こうとする指が動かない。
 きっと吾郎が剣道着を脱がさないように、部分的に体を動かしているのだ。

「ちょっと……早く脱がせて……」

 でも、智恵の手はびくともしない。それどころか、勝手にその袴の紐から手が離れてしまうのだ。

「そんな……わざと脱げないようにしてるの?」

 吾郎の声は聞こえない。きっと、このままの姿で須藤あざみに会えということなのだろう。
 そんな事出来ないっ!
 そう思った智恵は、勢いよく手を動かして紐を掴んで解こうとした。でも、その次の行動がどうしても取れないのだ。

「藤田君っ……いい加減にしなさい」

 小さく呟いた智恵だったが、やはり吾郎は返事をしなかった。

「もうっ……どうすればいいのよっ」

 そう言った矢先、今度は体全体が勝手に動き始めた。剣道着姿のまま歩き始め、扉の前で立ち止まる。

「藤田君っ!」

 そして、手が勝手に扉の鍵を開けたあと、また体の自由が利くようになったのだ。鍵が開いた音の気づいたあざみが、ガラガラと扉を開く。

「……先生……えっ!?」

 智恵を見たあざみの目が点になっている。目の前に現れた村内先生。その先生が、なぜか剣道着を着ているのだ。

「せ、先生……それ……」
「あ、あの……ち、違うの」

 智恵はアタフタしながら必死に言い訳を考えた。
 だが、何をどうやって言えばいいのか分からないので次の言葉を出せない。そんな智恵の様子を見て、何か怪しいと感じたあざみ。

「先生……その剣道着ってもしかして部員が着ていたものじゃないですか?」
「え……あ、だからその……」
「せ、先生ってそんな趣味があったんですか?」
「だから違うのよ。私が着たんじゃなくて……」
「それなら誰が着たんですか?」
「き、着ているのは私だけど、でも私じゃないのよ。だから……ど、どう説明すればいいのかしら。その……」
「すいません。私、先生に剣道着が臭いって言われたから洗おうと思って取りに着たんです。だからそこを退いてください」
「えっ……」
(ごめんなさい。須藤さんの剣道着、私が着ているの……)

 心の中でそう呟いた智恵。
 それを知らないあざみが、智恵の横を通って自分のロッカーまで歩いていく。

「あれ……私の剣道着がない……」

 そう言いながら智恵のほうを見た。その視線がとても嫌な感じだった。

「あの……ご、ごめんなさい。この剣道着……」
「もしかして、私の剣道着なのっ?」
「……そうなの……ごめんなさい」
「そんな……信じられない。先生が私の剣道着を……」

 ロッカーの前で俯いて、小さく呟いたあざみ。

「ごめんなさい……でも……これは私じゃないの。私が着たくて着たんじゃないのよ。その……須藤さん、信じて」

 その言い訳に何も答えないあざみは、長机にある智恵のTシャツとジーンズを見ると、

「……先生が私の剣道着を着たいのなら、もうこの服はいりませんよね。私、捨てます」

 そう言って、Tシャツとジーンズを鷲づかみにすると、涙目になったまま走って部室を出て行ってしまった。

「す、須藤さんっ!!」

 慌てて追いかけようとしたが、袴で走ることに慣れていない智恵は、扉を出たところであざみの後姿を見失ってしまった。

「須藤さん……」

 途方に暮れる智恵。

「……ちょっと! 藤田君っ。どうするのよっ!」

 あざみに服を持っていかれた智恵はこのまま部室を出るわけに行かない。

「藤田君っ! 出てきなさいよっ」

 扉を閉め、部室の中で叫ぶ智恵。しかし、吾郎はずっと身を潜めているようで、ぜんぜん返事をしなかった。

「もうっ……これじゃ、どうしようもないじゃないのっ!」

 腹立たしそうに一人、パイプ椅子に座る。
 本当にどうしようか?
 仮に吾郎が出てきても、この状況が変わるわけではない。とんでもないことをしてくれたものだ。

「どうするのよ。誰か来るまで待つといっても……」

 そう呟いたとき、またコンコンと扉を叩く音がした。

「……はい」

 もうどうにでもなれと言わんばかりに、投げやりな返事をした智恵。

「……あの、先生。さっきはごめんなさい……」

 それはあざみの声だった。

「須藤さん?」
「はい……」
「須藤さんなのね。よ、よかった……」

 これで外に出れる。須藤さん、私の服を持ってきてくれたんだ……
 そう思って、「開いているわよ」というと、ガラガラと音を立てて扉が開き、あざみが入ってきた。

「須藤さ……えっ!?」
「先生……」
「す、須藤さん……そ、その服」
「私も先生の服、着ちゃった」
「…………」

 開いた扉から現れたあざみは、Tシャツとジーンズ姿だった。
 もちろん、それは智恵が先ほどまで着ていた服。

「村内先生ってお尻が小さいんですね。私が穿いたらちょっときついです。それにウェストも……」

 あざみがTシャツの裾を捲りあげると、ジーンズのボタンを無理やり止めているのが分かった。お腹の肉が少しだけジーンズの上に乗っている感じ。
 そして後ろを向くと、お尻がムチッとしていて、ある意味セクシーだった。

「あ、あの……須藤さん?」
「村内先生が私の服を着たいって思う気持ち、何となく分かりました。こうやって村内先生の服を着ていると、なぜか体の奥が熱くなって……」

 あざみは自分の体をぎゅっと抱きしめ、智恵のTシャツを体に密着させた。内股になっている下半身をモジモジさせている。

「あの、先生。この服を私にもらえませんか?」
「ええ? そんな事、急に言われても……そ、それに、私はこの格好じゃ外に出られないでしょ」
「そっか。私が先生の服を着ていたら、先生がここから出られないんですね。あ……私があの時、この服を捨てちゃったら……」
「そうなの」
「ご、ごめんなさい……」
「いいのよ。それより私の服、返してもらってもいい?」
「……分かりました。でもその前に……」

 あざみは瞳をウルウルさせながら智恵に近づいてきた。
 そして、

「村内先生……あの、私……」
「な、なに?」
「……ごめんなさいっ!」
「え? ん、んんっ!」

 あざみは智恵に頭を下げて誤ると、いきなり智恵に抱きつき唇を奪った。あまりの唐突さに目を丸くしている智恵。あざみの舌が唇を割り込んで、智恵の口の中に入ってくる。
 我に返った智恵があざみを引き離そうとするが、あざみの腕は智恵の首にしっかりと巻きついていて全く離すことが出来なかった。
 それよりも、あざみの舌が智恵の舌に絡みついて、何故か……とても気持ちいい。

「んんっ……んうぅぅ……」
「んふ……んっ……んん……」

 あざみを引き離そうと肩に置いていた智恵の手に力が入らない。そして、頭の中がぼーっとして、何も考えられなくなってしまった。お互いの鼻息が頬にあたって少しこそばゆい感じがする。

「せんせ……ん……んん……はん……」
「んうっ……うっ……」

 あざみは智恵の首に絡めていた腕を外すと、そのまま白い剣道着の背中を優しく撫でまわした。そして、青い袴に包まれた智恵のお尻を軽く揉んだ後、手を前に移動させて剣道着の襟元からすっと中に忍ばせた。

「んっ……」

 ビクンと智恵の体が震える。
 わ、わたし……生徒とこんな事を……
 ぼやけている頭の片隅で、少しの理性が働いていた。まだあざみの舌は、智恵の舌に絡みついている。よだれが唇から伝い、顎の下で雫となって落ちそうだ。剣道着に忍び込んだあざみの手が智恵の胸を撫で、そして硬くなった乳首をキュッと摘んで引っ張っている。

「んっ! んふぅ……んんっ……ぁっん……」

 き、きもちいい……
 こうやってあざみに触られるのはとても気持ちがよかった。下半身が熱くなって、マンコがジュンと湿り気を帯び始めているのが分かる。

 はぁ……と、蕩けそう……

 そう思いながらあざみに身を任せようとしたとき、ふと岡村先生の事を思い出した。
岡村先生が女子生徒とセックスをしたと言っていた事を。

(やだ……これじゃ、私も岡村先生と同じ……)
「んっ……ちょ、ちょっと。須藤さんっ!」
「あんっ……」

 やっとの思いで甘い呪縛から逃れた智恵は、あざみの体を無理矢理引き離した。

「はぁ、はぁ……す、須藤さん。こんな事しちゃ、いけないわ」
「……だって、先生もその気だったでしょ。乳首だってコリコリに硬くなってたし、きっとその袴の中も大変なことになっているんじゃないんですか」
「だめ。先生と生徒なのよ。それに女同士でこんな事は出来ないわ」
「でも、村内先生は私のことが好きで、私の剣道着を着たじゃないですか」
「ち、違うわ……いえ。須藤さんのことはもちろん好きよ」
「だったら……」
「そうじゃないの。そういう意味で好きって言ってるんじゃないわ」
「…………」
「須藤さんにも分かるでしょ。こんな事するのはよくないのよ」
「……でも……岡村先生はしています……」
「えっ……」
「岡村先生は生徒とセックスしてるんですよ。それなら村内先生だって……」
「…………」
「村内先生も気持ちよかったんでしょ。私が触ったら感じたんでしょ」
「ち……違うわ」
「私、先生が感じるところはすべて分かるの。どうすれば先生がイケるかも」
「す、須藤さん……あなた何を……」
「先生のクリトリスってまだピンク色なんでしょ」
「なっ……」
「感じたらお汁が結構出るんですよね。すぐにパンティが塗れちゃうほど」
「何を……言ってるの……」
「でも……村内先生は私のものにはならない。先生には好きな人がいるから……」
「……い、いないわ。そんな人は」
「私知っています。先生が一生離れたくないと思っている人がいる事」
「だ、だからそんな人はいないのよっ……」
「そんな事ない。先生は本当の自分の気持ちを隠しているだけ。先生はもうあの人しか愛せない……」
「……須藤さん、誰の事を言ってるの?」
「……いるじゃないですか。先生の中に」
「え……」
「もう一生離れたくない人が」
「…………」
「私、うらやましい。先生と一緒にずっといることが出来るなんて」
「ちょ、ちょっと……須藤さん……」
「私も死んだら村内先生と一緒にいられるのかな?」

 あざみはニヤッと笑って見せた。その笑いは、本来あざみが持っているものではないような気がする。どこか冷たく、いやらしい笑い方。

「ま……まさか……」
「ねえ先生。もうすぐ池上先生と帰る時間だから職員室に戻りましょうか」
「……ふ……藤田くん……なの……」
「先生。服を交換しないとこの部室から出られませんよ」
「藤田君? ねえ、藤田君なの?」

 あざみはクスクス笑いながらTシャツを脱ぐと、ジーンズに手をかけて足首まで下ろした。

「あ……先生ごめんなさい。私、パンティ穿いていなかったから先生のジーンズに恥ずかしいお汁がいっぱい付いちゃいました」

 そう言いながら、脱いだジーンズの股間を包んでいたところを見せたあざみ。その股間部分の内側には、ねっとりとしたあざみの透明な愛液がヌルヌルと光って見えた。

「さすがにブラジャー一丁でセーラー服を取りに行くわけには行かないから、早くその剣道着を脱いでください」
「し、質問に答えなさいっ! 藤田君なんでしょっ。どうしてこんな事までするのっ!」

 激しく問い詰める智恵。今まで騙されていたと思うと、くやしくてくやしくて……声が震えている。しかし、あざみはクスッと笑うと、脱いだ服を長机の上に置いた。質問に答えないあざみを、涙が落ちそうな目で睨みつけた智恵だが、やむなく無言で青い袴と白い剣道着を脱ぐ。
 それを受け取ったあざみが、剣道着を着込んだ。
 智恵も同じように、自分のTシャツ着て、あざみの愛液が染み込んだジーンズを穿いた。

「村内先生、それじゃあセーラー服に着替えてきます。この剣道着は明日持ってくるから部室の鍵はかけてもらっていいですよっ!」

 睨みつける智子に対し、とびっきりの笑顔を見せながら部室を去ったあざみ。

「……くやしい……どうしてよ……」

 吾郎のひどい悪戯に、涙が溢れ出る智恵。まさか生徒である須藤あざみに乗り移っていたなんて。
 そして、その生徒と……

「ひどい……ひどすぎるわ……」

 智恵は流れ落ちる涙を手の甲で拭きながら、部室の鍵をかけて職員室へ鍵を返しに行った。