子供の入れ替わり
「え!?ぼ、僕が目の前に?」
「わ、私……え?えっ?」
「ぼ、僕が……あ、相川さんになってる」
「私が……田原君になってるの?」
「どうして?」
「わ、私が聞きたいよ。どうして私が田原君の姿に?」
「僕達……体が入れ替わっちゃったんだ」
「そ、そんなぁ。どうしてこんな事になっちゃったの?」
「そんなの僕にも分からないよ。手が触れ合ったとたん、体に電気が走った感じがして……」
「私も。一瞬、目の前が真っ暗になって……」
「気が付いたら相川さんの体になってたんだ」
「……私も」
「こ、こんな事って……」
「ね、ねえ田原君。もう一回手を握ったら元に戻れるのかな?」
「分からないよ。でもやってみよう」
「うん」
 二人は学校の帰り、友達が入院していた病院へお見舞いに来ていた。その帰りに突然起きた不可思議な出来事。
 驚きながらも、同じ現象が起きるかも知れないと思い、もう一度手を握り合った。しかし体は元に戻らず、互いの意識は入れ替わったままであった。
「ど、どうしよう……。元に戻らないよ」
「私、このまま田原君の体になっちゃうの?」
「ぼ、僕だって相川さんの体なんて嫌だよ」
「ひどいっ。私だって田原君の体なんて嫌よっ」
「そ、そんな言い方しなくったっていいじゃないか」
「田原君が言い出したんだよ」
「そ、それは……ご、ごめん」
「……私も言い過ぎちゃった」
「と……とにかく、ここは病院だからお医者さんに診てもらおうよ」
「でも……信じてもらえないよ。私が田原君で、田原君が私だなんて。きっとからかってると思われるよ」
「そうかな……。じゃ、じゃあお父さんとお母さんに相談しようよ」
「どっちの?」
「えっ?」
「田原君のお父さんとお母さん?それとも私の?私、田原君の姿でお母さんに会いたくないよ」
「それは……僕だって」
「何とかならないのかなぁ」
「じゃ、じゃあさ。元に戻るまで僕は相川さんの家で暮らして、相川さんは僕の家で暮らすのはどう?」
「私が田原君の家で?でも、どうすればいいか全然分からないよ」
「僕のフリをして話していれば大丈夫だよ。僕も相川さんの真似をして、相川さんのお父さんとお母さんにばれないようにするから」
「で、出来るかな……私」
「きっと出来るよ。僕みたいにしゃべればいいだけなんだから」
「田原君、私みたいにしゃべれるの?」
「そ、それは……少し練習すれば何とかなると思う」
「私、心配だよ」
「じゃあ……自分の家に帰る?」
「それは……」
「しばらくは、お互いのフリをして過ごすしかないよ」
「……仕方ないよね。うん、分かった。頑張ってみるよ」
「僕も頑張るから」
「ね、ねえ」
「何?」
「私の裸、見ないでね。私も田原君の裸、見ないようにするから」
「……うん。分かったよ」
「絶対だよ」
「約束するよ。じゃあ……明日、学校で」
「うん。じゃあね」
 こうして二人は、体にあった家に帰っていった。
 上手く親をごまかしたのは良いが、二人とももうすぐ中学生。異性の体には微妙に興味がある。少しくらい――二人はそう思いながら、互いに秘密で異性の体を探索したのであった。


……という感じで、低年齢層の入れ替わりは個人的にちょっと苦手な感じです(^^;