女性が服を脱ぐシーンはテレビや漫画で何度も見た事があるが、自分の部屋で、しかも信河先生が脱ぎ始めた事に唯人はときめき、萎え始めた肉棒にも自然と力が入った。
 瑠那が彼を意識しながらゆっくりとTシャツの裾を捲り、体の前でクロスした腕を引き上げてゆく。

「は、早く脱いでくれよっ」
「いいだろ。今は俺が楽しむ番なんだから」

 瑠那は焦らすように裾を捲ったり、戻したりしている。その様子に痺れを切らした唯人は、何度も声を強くして催促した。

「頼むからさっ!そんなに焦らすなよ」
「お前が取り乱している様子が面白くてさ。やっぱり脱ぐの、止めよっかな」
「何だよそれ。こんな気持ちにさせておいてそれは無いだろっ」
「冗談だよ。ほんとは俺も早く脱ぎたいんだ」

 Tシャツがスッと捲れ、彼女の顔を隠すと同時に紫色のブラジャーに包まれた胸が現れた。そして髪が引っかからないように丁寧に頭から抜いた後、絨毯の上に落とす。

「おお!」
「これが信河先生のブラジャー。結構セクシーだろ?」
「そりゃもうっ。すげぇそそられるよ」
「じゃ、次はジャージのズボンだ。お前が顔を埋めていたお尻がどうなっているか見せてやるよ」

 唯人に向かってお尻を突き出し、Tシャツの時と同じように両手でゆっくりと引き下げてゆく。丸いお尻が徐々に見え始め、ブラジャーと同色のパンティが姿を現した。そのまま太ももを露にし、足元まで引き下ろしてしまう。
 そして片足ずつ上げてズボンを脱ぐと、唯人と向き合うように立ちニヤリと笑った。
信河先生6
「どうだ?」
「……先生のパンティ、すげぇそそられるっ」
「大人の下着って感じだよな。結構高そうだし」
「先生って儲かるのか?」
「いやぁ、大して金持ってないんじゃないか?先生になったばかりだし」
「彼氏に買ってもらったとか?」
「さあな。幾ら給料を貰っているとか、彼氏の存在とかは全然分からないから」
「そうなんだ」
「俺が体を乗っ取った後、先生の意識は全然感じないし、何を考えているのかも分からない。薬の説明書には、他人に乗り移った際、本人の意識は眠っているような状態になっているらしいんだ。だから俺が乗り移っている間に何をしても、先生は全く知らないって事」
「じゃ、じゃあ先生の体で犯罪を犯しても知らないんだ」
「ああ。もちろんそんな事はしないけどな」
「世の中にはいるんじゃないか?他人の体に乗り移って犯罪を犯す奴が」
「多分な」
「考えてみたら怖いよな」
「この薬を購入する際、色々な質問事項に答えて承諾するページがあるんだ。そこで人殺しや乗り移った本人の人生を狂わせるような事をしてはならないと書かれていて、違反すると酷い目に遭わされるらしいんだ」
「酷い目?」
「体を乗っ取られて自殺させられるとか」
「マ、マジで?」
「それが最も重い罰だな。まあ、俺達がしている事くらいなら大丈夫みたいだけど……っていうか、それを楽しむために売っている様なものだからな」
「へぇ〜」
「女性も買ってるらしいんだ」
「女性が?それってやっぱり男に乗り移るためにか?」
「そういう人もいるし、同性に乗り移る人もいるんだってさ」
「同性に?俺が春樹に乗り移るみたいなもんか」
「ああ」
「う〜ん、俺はちょっと……」
「俺もさ。やっぱり乗り移るなら異性がいいに決まってるから。でも、金を持っている人は何度も薬を買っているだろうから、色々な事を試してみたいと思うんじゃないかな?」
「なるほどな。確かにそれはあるかも……って、そんな話はどうでもいいんだ」
「はは、そうだな。俺も思わず話し込んじゃったよ。折角下着姿になったのにな」

 春樹によって瑠那の両手がブラジャーに宛がわれ、優しく揉み始めた。自分で胸を揉むという行為を楽しむ彼女を、唯人はうらやましそうに眺めていた。

「柔らかいなぁ。どうして男と女って、こんなに体型が違うんだろ」
「そりゃ……分かんないけど」
「男は女の体に惹かれ、女は男の体に惹かれる」
「ま、色々あるけど。俺は女性の体が大好きだよ」
「俺もさ。この信河先生の体が自分の思い通りに動くんだ。先生の胸を触ると、触られているって感じが伝わってくるし、不思議と下半身も疼いてくる。きっと先生の体が興奮しているんだよ。乳首だってこんなに硬く勃起してるし」

 春樹は瑠那の手でブラジャーのカップを引っ張り、乳首の状況を説明した。

「見せてくれよ。俺にも先生の乳首、見せてくれよ」
「乳首だけじゃない。全部見せてやるよ。俺も先生の全裸を見るのは初めてだから。早く見たいよなっ!」

 両手を背中に回し、ブラジャーのホックを外す。自分の体じゃ、こんな風に手が回らないだろうな――なんて思いながら外し終えると肩紐を腕から抜き、足元に落としてしまう。
 小粒だが形の良い胸。そして、ほんの少しだけ黒味を帯び始めた乳首。

「うわ……せ、先生の胸だっ!」
「ああ。このアングルで胸を見るなんて、改めてすごいと思う」

 俯きながら胸を見る瑠那は、その向こうに見えるセクシーなパンティに手を掛けた。
 そして、チラリと唯人を見ると惜しげもなくパンティを引き下ろした。

「す、すげぇ……」
「これが先生の裸なんだ。へへ。自分がこんなにスタイルのいい女になったと思うと、感動するよ」
信河先生7
 瑠那が嬉しそうに笑った。陰毛が縮れていて、その下に女性の性器が存在している。初めて生で性器を見た唯人は、瑠那の足元ににじり寄った。

「うほぉ〜。これが先生のアソコなんだ」
「あんまり近寄って見るなよ。俺が楽しむ番だって言ってるだろ」
「分かってるさ。だから見てるだけじゃないか」
「俺もじっくり見たいんだ。ベッドに座るから、ちょっとどいてくれよ」
「あ、ああ」

 全裸の瑠那が唯人の横を歩き、ベッドの淵に腰を下ろした。すかざす唯人は瑠那が座った前に陣取り、軽く足を開いている彼女に出来るだけ近づいた。

「そんなに近づかなくても」
「だってさ、見たいんだ。先生の全てを」
「……ったく」

 少し呆れた顔をしつつも、すぐにいやらしい笑顔に戻った瑠那は、右足をベッドに上げると、膝を立てて大きく開いた。おかげで陰唇が丸見えになり、少し開いた状態になる。

「…………」

 そのリアルな光景に言葉を失った彼を見た瑠那が、視線を落として自分の股間を眺めた。背中を丸め、両手の指で陰唇を左右に開いてみる。

「うわぁ。これが先生のアソコなんだ。中がすごく濡れてるな。やっぱり先生の体が興奮してたって事か」
「は、春樹。お前、よくそんなに冷静でいられるな」
「どうして」
「お、俺……もう自分を抑えられなくなりそうだ」
「おいおい。襲い掛かってきたら承知しないからな」
「し、しごきたいよ。俺、そうやってアソコを開いた先生を見ながらしごきたいんだ」
「だから慌てるなって。まだ何もしてないのに」

 春樹は瑠那の手でもう少し陰唇を広げ、隠されていたクリトリスや膣口をマジマジと眺めた。

「へぇ〜。結構グロテスクな感じだな。これがクリトリスか。……あうっ!」
信河先生8
 指の腹でクリトリスに触れると、全身に電気が走ったような刺激を感じた。その気持ちよさに思わず背筋が伸びてしまう。

「ど、どうしたんだ?」
「これ……すげぇよ。クリトリスってめちゃくちゃ刺激的なんだ」
「刺激的?」
「ああ。も、もう一度……うっ、はぁっ」

 上ずった瑠那の声に、唯人は肉棒を握り締めた。

「は、春樹っ」
「た、たまんねぇ。この刺激、たまんねぇよ。女の体って……すげぇ気持ちいいっ!」

 その快感に感激した春樹は、クリトリスを重点的に弄り始めた。
 中指でクリトリスを潰すように円を描きながら刺激すると、瑠那の体がビクビクと震え、切ない喘ぎ声が自然と漏れてしまう。

「あっ、はぁ。あっ、あふっ」
「せ、先生が……。信河先生がオナニーしながら喘いでる。す、すげぇ……」
「ああっ。はぁ、はぁ、んっ。んんっ。すげっ!すげえよ唯人っ。先生の体、感じすぎるっ」

 クリトリスを弄る指がいやらしい光沢を放ち、ベッドのシーツに染みを作り始めた。

「春樹っ!」

 このまましごいてイってしまいたい。唯人はそう思いながら肉棒を強く握り締めた。
 クリトリスを弄っていた指が下に伸び、膣の中へと入り込んでゆく。本来は肉棒を挿入し、子供を作るための穴に二本の指が捩じ込まれ、掻き回しているようだ。

「あっ、あっ。はぁ、はぁ。ち、膣の中も……生温かくて気持ちいいっ。ひうっ!」
「はぁ、はぁ、はぁ」

 目の前でオナニーをしている瑠那がいる。あの信河先生とは思えない乱れ方に、唯人はひどく興奮した。
 肉棒をしごきたいという気持ちが心の中に渦巻く。しかし、今しごいてイッてしまったらセックスした時に気持ちよさが半減するだろう。
 とてもセクシーな声。そしていやらしい手の動き。

「んっ、はぁ、はぁ。あっ……すげっ。ココを弄るとっ……あうっ!」

 顎を上げながら体をビクビクと震わせ、瑠那の体が発する快感に酔いしれる春樹は気持ちよすぎてベッドに上半身を倒してしまった。
 膝を立てていた右足がベッドからずり落ち、絨毯に付いたつま先に力が入り折れ曲がっている。

「あっ、あっ、はぁっ……。ああっ、あうっ、あうっ、はああっ!」
信河先生9
 大きな喘ぎ声と共に仰向けに寝ていた背筋が反り、お尻が浮き上がった。どうやら軽くイッてしまったようだ。

「あはっ……。あっ、ああ〜」

 その様子を血走った目で見ていた唯人が膝立ちし、ベッドの淵からはみ出した瑠那の足を広げて間に割り込んできた。眉を歪めながら大きく深呼吸する瑠那に、力強く話しかける。

「春樹っ!俺、もう我慢出来ないっ」

 浮き上がっていたお尻をベッドに着地させた瑠那が薄っすらと目を開くと、股間に宛がっていた手を頭の横に移動させた。

「いいか?入れてもいいか?」

 肉棒を握りながら陰唇に近づけた唯人に、瑠那は無言で頷いた。