「胸って結構重いんだな。歩くと何となく皮膚が引っ張られる感じがする」

 一歩ずつ足を進めると久美子の胸が上下に揺れ、肩の下の皮膚が引っ張られる。自分の体では感じたことの無い感覚だ。ベッドの前で立ち止まり、両手で下から乳房をすくい上げつつ上下に揺らしてみる。掌で踊る乳房は重量感があり、ゴムボールよりも柔らかくマシュマロのように簡単に指がめり込んだ。
 自分の手で触るより、彼女と一つになった状態で乳房と掌の両方から感じる方が柔らかさが増すように思えた。勃起した乳首を摘むと、自然に脇をギュッと閉めてしまう。その刺激に、「あはっ」という久美子の吐息が漏れてしまうのだ。その艶のある声が敦司にはたまらなかった。

「ふっ……んっ。久美子さんって、家ではいつもこんな事をしているのかな?これだけ気持ちいいんだ。俺だったら毎日オナニーしちゃうよ」

 ベッドに腰掛け、肩幅ほどに膝を開いて右手を股間に向かわせる。先ほど感じたあのクリトリスの感覚。そして指で膣を犯す気持ちよさ。それをもう一度味わおうとしているのだ。今度は完全に体を乗っ取っているので久美子に邪魔をされる事はない。
 右手の中指が遠慮なしに陰唇に割り込み、皮を被ったクリトリスを刺激する。

「あはっ!これこれ。はぁ〜、あっ。気持ちいいっ。クリトリスってこんなに小さいのにどうして気持ちいいんだろ。この豆一粒に快感が凝縮されてるって感じで……あうっ。久美子さんの声もたまんないよ」

 指の腹で押しつぶすようにしながら指を回すと、久美子の両足が驚くほど跳ねた。潤んだ瞳に、半開きの口からは「はぁはぁ」と吐息が漏れる。

「あっ、あっ、あはっ、んっ、うっ、うっ、あっ、あっ」

 敦司は股間を弄る彼女の指を見るのではなく、鍵を掛けた扉に顔を向けてひたすらに女性の快感を堪能した。顎を上げ、日常生活では聞くことの出来ない喘ぎ声を漏らす久美子の中に、敦司の存在を感じる人はいないだろう。患者のいる病室で裸になり、自慰にふけていた看護師として処罰を受けるかもしれない。もちろん、敦司はそういう状況に陥らないようにするつもりだが、この男心をくすぐる喘ぎ声は彼が意識して出しているものではなく、彼女の体が感じる際に、自然と漏れるのだから仕方がどうしようもなかった。

「はぁ、はぁ、ああ。あっ……はぁ、あっ、あっ、あんっ」

 快感が全身を駆け巡るたびに丸めた背中をビクンと伸ばし、開いた久美子の足を引くつかせる敦司は座って弄るのが耐えられなくなったのか、上半身をベッドに倒した。丁度魂の抜けた自分の体が横たわっており、枕の役目を果たしてくれる。生温かい腹部に頭を預け、先ほどよりも激しく指を動かすとお尻が自然に浮いた。

「ああっ!はっ、はっ、ああっ。すげっ……あっ、あっ、あんんっ」

 夢中になってクリトリスを弄り、妖艶な久美子の体から女性の快感を貪る。床についていた踵が浮き、全身に力を入れながらしばらく擦り続けると、彼女の体がオーガズムに達した。それは敦司にとって衝撃的な刺激であり、男の体では絶対に味わうことの無い至福の快感であった。足が吊りそうになりながらも、彼女の体が提供した快感を受け取った敦司は、大きく息をしながら体の力を抜いた。
 まるで全速力で走った後のように息を切らせ、大きく胸で深呼吸をする。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ〜」

 結構大きく喘いでしまったが、廊下に漏れていただろうか?
 白い天井を見つめながら、ふとそんな事を思った敦司は数分ほど目を瞑り、彼女の火照った体を少し落ち着かせると上半身を起こした。
 座っている白いシーツには膣から溢れた愛液が楕円形に染み込んでいる。

「まるでオネショしたみたいだ。女ってこんなに濡れるものなのかな」

 ベッドから立ち上がり、「う〜ん」と背伸びをした敦司は足元に散らばっている彼女のワンピースや下着を眺めた。彼が乗り移るまで久美子が着ていた服たちだ。

「折角だからこの服を着て、コスプレセックスするか。意識の無い自分の体とセックスするのは物足りないような気がするけど、他人のチンポを入れられるってのも気持ち悪い感じがするからな」

 敦司は魂の抜けた体を見つめた後、上半身を曲げて足元の白いパンティを手に取った。

「こんな下着が体にフィットするんだ……」

 目の前で縮んだパンティを伸ばした彼は、そのまま片足ずつ上げて足を通すと、ゆっくりと引き上げ始めた。