幾ら見詰めても姉貴は見詰め返してくるだけ。僕がしゃべらないと姉貴はしゃべらない。
「姉貴……」
 また姉貴が呟いた。今度は別の言葉をしゃべってみる。
「恵太……わっ。すご……」
 本当に姉貴に呼ばれた気がした。
 僕がしゃべったのに、目の前で名前を呼ばれると姉貴に呼ばれたとしか思えない。
「恵太。恵太。……恵太」
 姉貴が何度も僕の名前を口にする。いつもより小さく、元気の無い声で。
「ううんっ……。恵太、ご飯だよ」
 しゃべり方を真似してみた。
「お母さん、ご飯まだなの?私、お腹空いたよ……」
 姉貴の姿で【私】と言うと、本当に僕が姉貴になった事を自覚する。それが面白くて、何度も姉貴の真似をしてしゃべった。
「私、智原園子。十六歳」
「弟は恵太。二つ下の十四歳」
「お母さんは今、パートに行っているの。お父さんは帰ってくるのが遅いんだよ」
 すごい。
 姉貴そっくりだ。
 きっと母さんも僕が姉貴に乗り移っているなんて思わないだろう。
 それくらい完璧に思えた。
 僕が姉貴に成りすましている。
 姉貴の体は僕のもの――僕の思い通りにしか動かないししゃべらない。
 このセーラー服を脱がしても、全く怒らないだろう。
「……姉貴の体……見てみたい」
 ふとそんな欲望に駆られた。
 小学生までは一緒に入っていたけど、中学になると別々に入るようになった。
 僕だってその理由は分かっている。
 その姉貴の体を――あの頃より成長した体を見ることが出来るんだ。
 脱がされる事が分かったのか、姉貴の顔がまた赤くなった。
 いや、僕が恥ずかしいから姉貴の頬が赤くなったんだ。
 このセーラー服の中は、一体どうなっているんだろう。
「あ、姉貴……。ぼ、僕達は姉弟だから恥ずかしがる事は無いよ」
 ――スカートという物を初めて脱いでみる。
 姉貴の手を使って腰についていたホックを外し、ファスナーを下ろすと足を撫でるように足元に落ちていった。
「…………」
 何も言わずに姿見を見る。
姉2

 髪の毛と同じような薄緑色のパンティ。
 僕の体とは全く違う、滑らかな曲線を描いた股間にドキドキした。
 そして、姉貴が女の子だという事を認識する瞬間でもあった。
 ゆっくりと手を当てて、チンポが付いていないのを確認する。
「姉貴のココ……すごく柔らかい」
 何も無い股間を優しく摩ってみる。
 姿見に映る姉貴は真っ赤な顔をしていた。
 こんな姉貴の表情を見るのは初めてだ。
 鼓動が高鳴り、ドクドクと脈打っている。
 お尻を触ってみると、温かくてフニフニしていた。これが姉貴の――女の子のお尻なんだ。
 僕のゴツゴツした硬いお尻とは全然感触が違う。
 そんな風に思いながら、姉貴のお尻を暫く揉んでいた。