「これでよし。綺麗になったから手だけじゃなくてもいいかな」
「えっ?」
「んふふ。じゃあしごいてあげる」

 今度は立場が逆になった。
 俺は先ほど先生と同じようにベッドの淵に腰掛けて足を開き、先生は俺の足の間に体を割り込ませ、正座をしながら手で肉棒をしごいてくれている。
 すごい――すごく気持ちいい。
 他人にしごかれるのってこんなに気持ちが良かったんだ。
 意図しない方向にしごかれたり、力の強弱を変えながら掴まれたり。

「どう?自分でしごくのとは違うでしょ。私のしごき方、気持ちいい?」
「はい。すごく気持ちいいです」
「じゃあもっと気持ちよくしてあげようか?」
「えっ……」

 先生は亀頭からにじみ出ていたガマン汁をウェットティッシュで拭き取ると、根元に向かって皮を伸ばした。
 そして――。

「うあっ!」
「んっ……んんん」

 肉棒が先生の口に飲み込まれた瞬間、思わず体を丸めてしまった。
 アダルトビデオで見たことはあるが、実際に女性が男性の肉棒を咥えるなんて思えなかった。
 でも、俺の肉棒は今、生温かい口内に包まれ、舌で刺激されている。
 こんなの――すごすぎるっ。
 カリ首を舌先で擦られ、根元まで一気に飲み込まれる。
 ブラウンの長い髪が背中で揺れている様子を見ながら、俺は至福の時を過ごした。
 大人の女性はこんな事――平気で肉棒を咥えることが出来るんだ。
 まだ愛し合っている訳でもないのに。
 母性本能という女性特有の感覚がそうさせているのだろうか。

「あっ、はぁ、あぁ〜」

 あまりに気持ちよすぎて、情けない声を出してしまった。
 肉棒と唇の隙間から空気が漏れる音がすごくいやらしい。
 それが分かっているのか、先生はわざと音を出しているようにも思えた。

「はぁ、うっ、はぁ。せ、先生っ」
「んふっ。んっ、んっ、んっ」
「すごいっ……あうっ。はぁ、はぁ……あっ」

 果乃河先生の前でこんな声を出してしまうなんて。
 でも気持ちよすぎて、どうしても漏れてしまうのだ。
 全身の力を搾り取られるような――そんな感じだった。
 鼻に掛かった大人の声。肉棒のみならず、空いた手で玉を優しく転がしている。
 全てが初めての体験。そして、あの果乃河先生がしてくれているという事実に、あっさりとイッてしまいそうになった。

「先生っ。お、俺っ……も、もうっ!」
「んんっ。んんんっ、んっ、んっ。はぁ〜」

 唇を窄めながらゆっくりと肉棒を開放した果乃河先生は、右手で強く掴んだまま激しくしごき始めた。

「うっ、あうっ、あっ、先生っ!」
「いいわよ。しごいてあげるから思い切り出して」
「はぁ、はぁ……イ、イクッ!うあっ!」

 小指だけを立たせ、残りの四本の指で何度も力強くしごかれた俺は、十秒も経たない内に朽ち果てた。
 勢いよく噴射した精液が、先生の顔やセーラー服に飛び散る。

「わっ……。すごい、こんなに溜まっていたの?」
「す、すいません。気持ちよすぎて……」
「……別にいいけどね。こんなにたくさん膣に入れたら安川君の子供が出来ちゃいそう」
「…………」

 先生はウェットティッシュで顔と手を拭いた後、俺の肉棒も綺麗に拭き取ってくれた。
 こんなに大量に射精したのは生まれて初めての様な気がする。
 それにしても、俺と先生の間に子供が出来たらどうなるんだろう。
 もしかして――出来ちゃった結婚という展開になるのだろうか?
 果乃河先生と結婚するなんて、全然想像できない。

「一杯出たけど、すぐに大きくなるところが若い証拠ね」
「す、すいません」
「誤らなくてもいいのよ。私の体を見て興奮してくれているっていうのは嬉しいんだから」
「は、はぁ」
「じゃあ、次はいよいよ本番ね。初めてだから正常位がいいかしら。それとも私が上で動く方がいい?」

 そう言われても返答に困ってしまう。
 でも、やっぱり俺も男だから男らしく頑張りたい気がする。

「あの……正常位って俺が主導でするやつですよね」
「そうよ。正常位で頑張る?」
「は、はい。折角なんで」

 自分でも何が折角かは分からないが、俺の気持ちを察してくれた先生はベッドの上に仰向けに寝転がると、紺色のプリーツスカートを穿いたままの足を開いてくれた。
 セーラー服姿の先生が俺を待ってくれていると思うとドキドキする。
 ゆっくりとベッドに上がり、開いた足の間に体を割り込ませると、「場所はさっき教えたから分かるでしょ。膣に安川君のチ○ポを入れるの」と言って自らスカートを捲りあげた。
 割れ目――陰唇の間からは、相変わらず愛液が滴っている。
 絶対にスカートを洗濯しないとヤバイよな、なんて思いながら肉棒を近づけると、先生がわざわざ両手で陰唇を広げてくれた。
 肉棒を、目の前にある膣口が待っている。
 両膝を折りながら更に体を割り込ませて勃起した肉棒を掴んだ俺は、十分に濡れている膣口に亀頭を当てると、ゆっくりと中に入れ始めた。

「ん……」

 果乃河先生が短い声を漏らし、陰唇から手を離した。
 亀頭が陰唇の中に隠れるのを確認しつつ、そのまま更に埋めていった。

「んふっ……」
「うっ」

 ヌルリとした膣の中。
 指で感じた生温かさと弾力を、今度は肉棒で感じる。
 どちらかと言うと、肉棒を入れたときのほうが温かく感じるような気がした。
 そして締め付けられる感覚も強い。

「あ……んっ」
「は、入った……」
「んふぅ〜。安川君のチ○ポ、すごく大きい。膣が満たされている感じがするわ。じゃ、男らしく動くてくれる?」
「はい」

 俺と先生の陰毛が密着しているということは、完全に肉棒が膣の中に入っているということ。
 肉棒の感覚と、目でしっかりと確認した俺は、先生の腰の横に腕を突き、前後に動き始めた。

「あっ、あっ、んっ、んっ」
「はぁ、はぁ、はぁ、」

 肉棒で突くたびに、果乃河先生が喘ぎ声を漏らしている。
 目を細めて見つめ返してくる表情に可愛らしさを感じた。
 俺が腰を振る事で、白いセーラー服の盛り上がりが前後に揺れているところもそそられる。

「んっ。上手よ……安川君っ。あんっ」
「せ、先生。もっと腰を振ってもいいですか」
「いいわよ。んっ、はんっ。安川君が好きなようにしてくれたら。でも膣の中では出さないでね」
「はい、先生っ」
「こっちに来て」

 先生が両腕を伸ばし、抱きしめて欲しいという仕草をしたので、俺は上半身を先生に預けた。
 俺と先生がこれだけ密着するなんて。
 セーラー服越しに感じる胸の膨らみ。
 髪から漂う女性の大人のいい香り。
 背中を抱きしめてくれる、ほっそりとした腕の感覚。
 全てがたまらなかった。
 顔を横に向けた白い首筋に大人の魅力を感じつつ、先生の両脇から腕を通して力強く抱きしめた。

「うっ……ん」
「大丈夫ですか」
「大丈夫。まるで大人の男性に抱きしめられているみたい」

 俺は自分が持てるだけの力を振り絞って思い切り腰を動かした。

「あっ!あんっ、はっ、はっ、はぁっ、はあっ……よ、安川君っ!」
「はあ、はぁ、はぁ、はぁ」
「あん、あんっ。はぁ、んあああっ!す、すごっ……いぃ〜」

 先生は、俺の背中に爪が食い込むほど、強く抱きしめ返してきた。
 下半身がぶつかる卑猥な音。そして肉棒が暴れて先生の膣をかき回すいやらしい水音。
 俺は五感をフル稼働させて、先生の全てを感じた。

「あ、あ、あ、あっ、あんっ、はぁ、はぁ、はぁぁぁああ〜っ。い、いいっ。いいのっ!安川君すごいっ。こんなのっ、すごすぎるよぉ〜」
「先生っ、先生っ、はぁ、はぁ、はあっ」
「ああっ!お腹がえぐられるぅ。や、安川君のっ……はぁ、はぁ、ああっ、安川君のチ○ポがすごいぃ〜」

 今度は両足で俺の腰を挟み始めた。
 まるでコアラが木にしがみ付いている様な雰囲気を連想――するわけもなく、俺は無我夢中で腰を振って先生の膣を堪能した。

「あっ、ダメっ。ダメぇ〜っ、そんなにしたらイッちゃうからっ!あっ、すごっ……んんっ。まだそんなに早くっ……あっ、あっ、イイッ!イイッ……安川君っ……ダ、ダメッ!私っ……イッちゃうっ」
「はぁ、はあっ、はあっ。せ、先生っ!お、俺もっ……」
「あうっ、あうっ、イ、イクッ!イクッ……あっ、ああっ、ダメっ……」

 先生は更に力強く俺を抱きしめた。
 女性がセックスでイク瞬間なんだ。
 俺だってもうイク寸前、体力も限界だった。

「あっ、イクッ、イクッ……イクッ。あ、あ、あっ、あああっ……イクぅ〜っ!」
「はあ、はあ、はぁっ……ううっ!」

 肉棒が膣に締め付けられた感じがした。
 その瞬間、先生は俺の背中に思い切り爪を食い込ませた。
 腰を浮かせて挟まれていた足を強引に解いた俺は、先生の膣から肉棒を引き抜くと、背中を丸めながら白いセーラー服と紺色のスカートに二回目の射精をした――。

「あああ……あっ、はぁ、はぁ、はぁ、あぁぁ〜」
「はあ、はあ、はあ、はあ」
「はぁ、はぁ、んんっ……ん」
「はあ〜、はぁ〜。せ、先生……」

 ようやく先生の腕が俺を解放してくれた。
 足を開いたまま、腕を体の横にだらりと垂らした先生は幸せそうな笑顔――というよりは、気持ちよすぎてヘラヘラと笑っているように見て取れた。
 スカートも激しく濡れてしまい、シーツはまるで小便を漏らしたように大きなシミが出来ている。
 アダルトビデオで見たことがある。これが潮吹きっていう現象だろうか。

「はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ〜。すごかったわ。安川君のセックス」
「俺も……すごく気持ちよかったです」
「久しぶりのセックスがこんなに気持ちいいなんて。もしかして安川君と私、セックスの相性がいいのかもしれないわね」
「相性ですか?」
「そうよ。男の女の体には相性があるの。以前、付き合っていた彼氏なんて殆どイッたことがなかったから」
「そう……なんですか」
「安川君、きっと経験を積めばもっと女性を喜ばせられるようになるわ。私みたいにね」

 先生はゆっくりと上半身を起こすと、汚れたセーラー服とスカートを見ながらそう話してくれた。

「私、潮吹いちゃったんだ。前の彼氏ではありえないわ。これ、洗濯するのが大変」
「す、すいません」
「安川君が謝る事なんて全然無いのよ。私が気持ちよすぎてこうなっちゃったんだから」
「でも……」
「ねえ、まだ頑張れる?頑張れるならこのままもう一回しない?」
「えっ……。いいんですか?」
「親が帰ってくるまでもう少し時間があるの。今度は私が上になって動いてあげるから」
「は、はいっ。喜んで!」

 ――こうして俺はベッドに仰向けになり、先生が俺の上で動く騎乗位という体勢でセックスをした。
 先生とならいつまでもセックスできそうな――俺はそんな感じがした。



 その後、少しの休憩を経て着替えを済ませた俺は、果乃河先生の家を出ることにした。
 セックスに夢中ですっかり忘れていたが、玄関で先生が言った言葉で思い出した。

「ねえ安川君。結局どっちだったと思う?」
「え?」
「忘れちゃったの?」
「えっと……あっ!」
「思い出した?」
「……俺には先生本人だとしか思えませんでした。っていうか、先生の演技力はすごいなって」
「そうなんだ」
「え?違うんですか?」
「じゃあ、先生の演技をしていた俺の演技力は更にすごいってことだな!」
「えっ!?えっ!?た、剛司……なのか?」

 果乃河先生は汚れたセーラー服のまま、ニヤリと笑った。

「クスッ。なんてねっ!」
「……け、結局どっちなんですか!」
「教えて欲しい?」
「……教えて欲しいですよ」
「じゃあ……明日、学校で教えてあげる」
「明日?」
「そう。【昨日はお疲れさま!】っていう感じで声を掛けてきた方が、今日、安川君と一緒に楽しんだ人物」
「な、なるほど」
「絶対に嘘はつかないから」
「分かりました。今、教えて欲しいですけど……」
「楽しみは明日に取っておいてね。じゃ、そろそろ親が帰ってくるから」
「はい。それじゃ……失礼します」
「また明日ね」
「はい……」

 こうして俺は先生の家を出た。
 もしあの先生が剛司なら――いや、あのセックスをしているときの先生を剛司が演じられるはずがない。
 絶対に果乃河先生本人だ。
 でも――体に乗り移って記憶まで盗み見れるんだから、先生のセックスを真似するくらい出来るかもしれない。
 それに、剛司は先生の記憶と自分の記憶の両方を持っている感じだったから、どちらの人格に対しても、真似をしているように見せかけることが出来ように思える。
 剛司が俺の肉棒を口に入れるなんて事は――いや。その前に、執拗に肉棒を拭き取っていたところも引っ掛かる。

「う〜ん。俺としては果乃河先生本人であって欲しいような……」

 そんな事を考えつつ、頭の中では俺の精液で汚れたセーラー服姿のまま玄関で見送ってくれた先生を思い出していた。
 あの姿が目に焼きついて離れない。
 もし果乃河先生本人だったら、またセックスさせてくれるかも――なんて淡い期待を持ちながら家に帰った。


 そして次の日。
 俺に声を掛けてきたのは――。









果乃河先生ご馳走様……おわり



あとがき
 本当はですね。単に剛司が乗り移った果乃河先生とセックスして終わりというストーリーにするつもりだったのですが、少々予定を変更してどちらとも見て取れるような感じにしました(^^
 剛司であれ、先生本人であれ、果乃河先生とセックスできたから塔哉にとってはラッキーでしたw
 結局、どちらが話しかけてきたのかは書いていませんが、私の中では決まっていまして、実は塔哉の事を片思いしていたクラスの女の子が先生に乗り移り、見事、先生と剛司を演じきった――なんて事はありませんw
 まあ、塔哉の緊張を解すためとはいえ、女性が会話の中で隠語をふんだんに使うって事はあまり考えられませんね(^^
 それが彼女の知られざる性格ならありえるかもしれませんが……。

 ◎◎◎さんから頂いたお姉さんキャラを更に有効活用するため、続編もおぼろげに考えています。
 塔哉の内面を書いている文章が、前半部分から比べると硬くなって統一感がイマイチなかったのが反省点の一つでございます。
 PDF化するときに修正したいものですね。
 それでは最後まで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。
 そして◎◎◎さん。素敵なイラスト、ありがとうございました。
 Tiraでした。