「典子……」
 この大胆な行動は、見た目よりも相当アルコールが入っているのだろうか?
 他の女性に乗り移った時は手を握ったり、夕方の様に軽くキスをするくらいならあったのだが、まさかこんな事まで始めるなんて。
 私が希望しているわけではなく、典子が他人の体を使って自らの意思で行っているのだから、浮気をしているわけではない――と思いたい。
 しかし、もし典子が客観的にこのシーンを見たらどう思うのだろう。私のパジャマのズボンに手を忍ばせ、肉棒をしごいているのだから随分と怒るはずだ。
「くっ……。な、なあ典子。お前、今何をしているのか分かっているのか?」
「どういう事?」
「由果ちゃんの手で俺の肉棒をしごいているんだぞ。他人が見れば俺が浮気しているように見えるはずだろ」
「……そうね。私じゃなくて由果ちゃんがこんな事をしていたら、きっと発狂してあなたと由果ちゃんを刺しているかもしれないわ。でも、今は私なの。私が自分の意思で由果ちゃんの体を使ってしている事なの」
「俺が……。その……由果ちゃんの体とこんな事をしても何とも思わないのか?」
「ねえ、もうおしゃべりはいいでしょ」
「だってさ……」
 由果ちゃんの左手が人差し指だけを立て、私の唇を塞いだ。
「私だと思って接してくれればいいの。あなた……愛してる」
「……典子」
 切ない表情に、一瞬典子を見たような気がした。私の唇が由果ちゃんの柔らかい唇で塞がれると、そのまま舌が割り込んでくる。
 絡んだ舌には甘い味、そしてアルコールの匂いを感じたが、それよりも目の前にある女子大生の顔に意識が集中した。目を閉じて少し息を荒くしながら必死に舌を絡める彼女に興奮せざるを得ない。
「んっ……ん。ん、んん」
 由果ちゃんがソファーに座ったまま私の体を抱きしめた。
 私もこれ以上抵抗できず、由果ちゃんの華奢な体を抱き返し、ディープキスに酔いしれた。背中を優しく撫でながらストレートの長い髪を指の間に通す。
「んふっ……あなた。そのまま背中のファスナーを下ろして」
「……いいのか?由果ちゃんの素肌が見えるのに」
「ねえ、早く」
「あ、ああ」
 項の下に手を当て、背中から腰にかけてファスナーを下ろすと、彼女は白いワンピースを腕から抜いた。そして腰を上げながら絨毯に脱ぎ捨てると、女子大生の下着姿を披露した。
 少し痩せ過ぎでは無いかと思うくらい、ほっそりとした体つきだ。胸はさほど大きくないが、見事に括れがウェストが印象的だった。
「脱がせてあげるわ」
 パジャマのボタンを一つずつ外し、私の上半身を露にした由果ちゃんがソファーから下りズボンに手を掛けた。軽く腰を浮かせると、トランクスごと脱がしにかかる。
「こんなに大きくして。よほど興奮しているのね」
 子供のような扱いで全裸にされた私が足を開いて座ると、その間に正座した由果ちゃんが上目遣いで見つめ返してきた。
「この口を使って慰めてあげるわ」
「でも、それはまずいんじゃ……あっ」
「んふっ。んっ……ん」
 生温かくて滑る空間に包み込まれた肉棒。そして由果ちゃんの鼻に掛かった声が、頭を動かすたびに漏れていた。
 手で肉茎を支えながら舌を使い、肉棒を喜ばせるフェラチオは長年付き添ってきた妻、典子を思い出させる。しかし、眼下で肉棒を咥えている姿は典子ではなく、隣の家に住むお嬢さんなのだ。この、典子でありながら典子ではない状況が、フェラチオの気持ちよさとは別の興奮を齎した。
「ん、んっ。んんっ、んっ」
「う……はぁ、はぁ、あっ」
 邪魔なのか、頭を振るたびに垂れてくる長い髪を何度も掻き上げながらフェラチオしている。座ったままその髪を後ろに束ねて持ってやると、彼女は喉の奥まで咥え込みながら至福の快感を与えてくれた。
「すごく……いい。最高のフェラチオだよ」
「んっん。んん〜っ」
 私の言葉にフェラチオで応えてくれる。肉棒に吸い付きながら、次第に頭を激しく動かし始めた由果ちゃん。束ねた髪を少し持ち上げると、シミ一つ無い華奢な背中に白いブラジャーの肩紐とベルトが見えた。そのベルトを繋いでいるホックを無性に外したくなった私は、少し前かがみになりながら空いている手を使ってホックを外した。
 少し体を震わせた由果ちゃんの背中を撫でながらベルトを脇に、肩紐を腕に落とすと、彼女はフェラチオを続けながら片腕ずつブラジャーを抜き、足元に落とした。
 まっすぐに背骨が通る滑らかな背中を掌で優しく撫でていると、こそばゆいのか気持ちいいのか分からないが体を軽く左右に揺らしている。
 それにしても――もう限界だ。
 上半身を起こすと、フェラチオしている彼女の下に女子大生の生胸が揺れているのが見える。まだ使い古していないであろう乳首は綺麗なピンク色をし、硬く尖っていた。
「はぁ、はぁ。の、典子……すごいよ。俺、もう出そうだ」
「んっ、んっ、んっ。いいわ、全部飲んであげる。ん、ん、ん、んん、んくっ」
 根元を手でしごきながら激しくバキュームフェラをする由果ちゃんに、一溜まりも無かった。
「あっ!典子っ……で、出るっ!」
「んんっ、んんっ、んっ」
「あっ……。あっ……。あっ……」
「んんんっ。んぐっ、んぐっ……んん〜。んはぁ」
 二、三回の快感が射精と共に訪れ、私は朽ち果てた。
 握り締めていた由果ちゃんの長い髪から手を離し、ソファーの背もたれに凭れ掛かる。
 彼女は股間に顔を埋め、肉棒を咥えたまま口の中で綺麗に処理してくれているようだった。
 肉棒に舌が絡みつき、精液を舐め取ってくれている。
「はぁ、はぁ……典子」
「んくっ、んっ。あなたの精液、すごく濃いくて美味しかったわ」
「や、止めろよ。恥ずかしくなるじゃないか」
「由果ちゃんが付き合っていた彼氏にフェラチオした時、初めて言った言葉よ」
「記憶を読んだのか。由果ちゃんがそんな事を?」
「そう言うと男が喜ぶって雑誌で勉強したみたい。言われて嬉しかった?」
「嬉しいというか、精液が濃くて美味しかったなんて、やっぱり恥ずかしいよ」
「そう。じゃあ自分の体に戻っても言わないでおくわね」
「あ……。いや、別に言ってもいいけどさ」
「そうなの?」
「まあ……恥ずかしいけど嬉しく無い訳じゃないから。その、男としては興奮する……感じかな」
「ふ〜ん」
 顎に伝い落ちた涎を掌で軽く拭き取った由果ちゃんが両腕で胸を抱きしめ、隠すようにしながら目の前に立ち上がった。部屋の電気を背にした彼女の細いウェストが光のせいで尚更細く見える。
 彼女の体を上から下へと眺め、パンティに視線を移すと股間の生地が濡れているのが分かった。
 フェラチオしたせいだろうか、由果ちゃんの体も興奮しているのだ。
「すごく濡れてるでしょ。キスしたときから下半身が火照っていたの。私が興奮すると由果ちゃんの体も興奮するのよ。由果ちゃんの体、私の意思どおりに反応してくれるの。まるで私に体を使って欲しいと言っているみたい」
 物も言いようだと思いながらも、典子の気持ちしだいで由果ちゃんの体が濡れるという現象には私自身も興奮する。それは、典子が由果ちゃんの体を完全に乗っ取り、自分のものとして扱っているように感じたからだ。
「ねえあなた。今度は私を慰めて」
「……ああ」
 その言葉に彼女を引き寄せると、ソファーに座っている私の上に後ろ向きに座らせた。そして、太ももの上で女座りする由果ちゃんを後ろから抱きしめた後、長い髪を横に流し項に舌を這わせた。