先日、「花粉症に掛かっていない女性の体で過ごしたい」と日記を書いたところ、◎◎◎さんより理想的はイラストを頂きました。
◎◎◎さん、どうもありがとうございます!
イラストを元に、超SSを付けて掲載させていただきますね。





「ハ、ハクション!」
「部長、大丈夫ですか?」
「もうたまらんっ。どうしてオフィスの中にまで花粉が飛んでいるんだ」
「それはみんなの服に付いているからですよ……。というか窓が開いてますし」

 奥川は書類に捺印してもらおうと部長の机の前に立ったのだが、部長は何度もくしゃみをしながらティッシュで鼻を咬んで、なかなか捺印してくれない。

「誰だ、窓を開けたのは」
「新島君です。彼、花粉症とは縁がありませんから。それにここはビルの最上階で、天井が焼けて熱いですからね」
「空調をつければいいじゃないか」
「部長も空調が管理されているの、ご存知でしょ。七月までは冷房にならないんです。私みたいにマスクをしていれば少しは効果がありますよ」
「息苦しくなるから付けられん。君は息苦しくないのかね」
「いえ、少し息苦しいですが鼻水が垂れてくしゃみが止まらないよりはマシです。それに薬も飲んでいますからね」
「薬も体質が合わんのだ。まったく……これじゃ仕事にならんっ」
「……あの、部長」
「なんだ」
「実は、面白いサービスをしている会社があるのですが」
「面白い?」
「花粉症の部長には喜んでいただけるかと」
「……どんな会社だ?」
「契約憑依サービスといって、他人の体を借りることが出来る会社なんです」
「他人の体を?」
「はい」
「それは一体どういうことだ?」
「ご興味がありましたら、紹介致しますよ。私も実は利用しようと思っていたところなんです」
「……うむ。良く分からんが、君が利用しようとしているのならワシも考えてみるか」
「そうですか。それでは明日、契約憑依サービスから説明に来てもらいましょう」

 少しずれてしまったマスクを直した奥川は、ティッシュを片手に捺印された書類を片手に席に戻ると、契約憑依サービスに電話を掛けて明日、説明に来るよう頼んだ。


そして次の日。
若い男性の説明員と共に二人の女性が現れ、部長と奥川に説明が行われた。

「そんなことが出来るのか」
「はい。二人とも花粉症とは縁の無い体をしておりますから、ご利用頂く価値はあると思いますが」
「どうします部長?」
「うむ。信じられないが、もし本当に出来るのなら頼むとするか」
「かしこまりました。それではこの契約書にサインを頂き、この特殊なドリンクを飲んで彼女達の手を握って頂けますか」
「それだけでいいのか?」
「はい、契約は一週間毎となっておりますので、来週の木曜日にお伺いします。その時に再契約していただければ、更に一週間延長できますので。もちろん、お気に召さなければ他の者も用意できますので」
「分かった。それでは早速、飲むとするか」
「はい、部長。それでは私も」

 こうして部長と奥川はドリンクを飲んだ後、戸惑いながらもそれぞれが女性の手を握り締めた――。
◎◎◎さんプレゼント2

 廊下を歩いてオフィスに戻った女性二人。
 長い黒髪の女性は部長の席に座ると、溜まっている書類に捺印を始めた。
 そして茶色いショートカットの女性は奥川の席に座り、キーボードを叩き始める。
 そう、この女性達には部長と奥川が乗り移っているのだ。
 花粉症知らずの女性の体を借りることが出来る――。
 それが契約憑依サービスだった。
 費用はかなり高いが、一週間は彼女達の体を自由に使うことが出来るとあって、部長と奥川はご満悦のようだ。
 花粉で苦しめられた体を家に置き、女性の体で仕事をする。
 それだけではなく、女性の体を使って――。

「部長、今日はどうされますか?」
「そうだな。今日は君が攻める番にするか」
「いいのですか?私なんかが」
「ワシばかりが攻めても面白くないだろ。それにワシも攻められてみたいんだ」
「わ、分かりました。それでは今日は私が」
「うむ。定時になるのが楽しみだ」
「私もです、部長」

 こうして二人は花粉に苦しむ五月末まで色々な女性の体を借りて過ごしたそうな。