「せ、先生?何しているんですか」
「大丈夫。先生が一緒にいてあげるから」

 目からタオルを外そうとした田宮の手を掴んで握り締めた平治は、パイス椅子をずらしベッドの横で膝立ちになった。

「大丈夫よ、体の力を抜いてゆっくりしていなさい」

 握り締めた手を優しく、そしていやらしく撫でる。
 温かくて柔らかい手の感触が、タオルで何も見えない田宮にいろいろな想像をさせた。
 マッサージをするように、親指で手のひらを押したり、指を絡めてきたり。
 女性に手を弄られるのがこんなに気持ちがいいなんて思ったことがなかった。

「気持ちいい?」
「は、はい」
「気持ちを楽にしていいのよ。お腹が苦しそうね。ベルトを外してあげるわ」
「えっ!ちょ、ちょっ……」
「いいからそのまま寝ていなさい」

 田宮は起き上がろうとしたがタオルごと目を押さえられ、またベッドで横になる。
 ズボン越しにも分かる勃起した肉棒を眺めながら、平治は彼のベルトとボタンを外した。

「せ、先生。ぼ、僕……」
「どうしたの?」
「あ、あの……。は、恥ずかしいです」
「そんな事無いわよ。大丈夫、先生に任せて」
「だ、だって……あっ!」
「あら?どうしたの田宮君。ここ、すごく硬くなってるわよ」
「ううっ……」

 平治は美香の手をズボンの、そしてトランクスの中に忍ばせ肉棒を掴んだ。
 相当ガマン汁が出ているようで、生地の内側や亀頭が滑っている。

「田宮君、清潔好きだと思っていたのにトランクスの中がヌルヌルしてるわ。そうとう汚れているんじゃない?」
「…………」

 もう恥ずかしすぎて何も言えないようだ。
 大好きな沖河先生が肉棒を握り締めているなんて信じられない。
 生徒の肉棒を掴むなんて――先生の中で最も嫌がるであろう沖河先生が、自ら触っているなんて。

「変なこと、考えていたんじゃないの?」
「ち、違いますっ」
「じゃあどうして?」
「…………」
「いいわよ、言わなくても。それよりも綺麗にしないと。先生の手、田宮君のガマン汁で汚れてしまったわ」

 徐に手を抜き、棚にあった消毒用のアルコールと脱脂綿を取り出した平治は、それらをベッドの上に置くと田宮のズボンを脱がし始めた。

「先生っ!」
「いいから大人しくしていなさい。先生が消毒してあげるから」
「いいですっ。そんな事しなくてもっ」

 たまらずタオルを取って起き上がった田宮に、平治は沖河先生の表情わざと厳しくした。

「だめじゃない。先生の言うことが聞けないのっ!先生は汚れているのが嫌いなの。田宮君は先生の性格が分かってるでしょ!」
「で、でもっ。それなら自分でしますっ」
「だめだって言ってるじゃない。目の前で汚れたものを見ると我慢できないの。大人しく寝ていなさいっ!」
「わっ!」

 田宮を強引に押し倒した平治は、またタオルを目に掛けて見えなくした。

「先生っ!」
「黙ってなさい。これ以上、五月蝿くしたら承知しないわよ」
「そ、そんな……」
「……大人しくしていたら先生、怒らないわよ。先生はね、田宮君のためにしているんだから」

 美香の手でズボンとトランクスを太ももまで下ろし、勃起した肉棒を露にさせた平治は、鼻を近づけてクンクンと臭った。

「田宮君、毎日綺麗に洗ってる?少し臭いわよ」
「ううう」
「仕方ないわね。先生が綺麗にしてあげるから大人しくするのよ」

 消毒用のアルコールを脱脂綿に湿らせ、左手の指で肉棒を挟むように持ちながら右手の脱脂綿を根元に触れさせる。

「うっ」
「冷たいでしょ。でもちょっと我慢してね」

 肉茎をやさしく擦りながらカリ首を丁寧に拭くと、田宮は体を震わせた。

「大丈夫?」
「……は……い」
「きついことを言ってごめんね。でも先生は清潔好きの田宮君が好きなの。綺麗な田宮君でいて欲しいのよ。分かるでしょ?」
「ううっ。は、はい」
「お節介かもしれないけど、先生は他の生徒よりも田宮君を気にしてる事、忘れないで欲しいの」
「んっ。はぁ、はぁ……はい」

 皮が剥けた亀頭を丹念に拭くと、アルコールと脱脂綿を床に置いた。

「冷たくなったわね。先生が手で温めてあげるわ」
「えっ……あっ」
「先生の手、温かいでしょ」
「は、はい」

 美香の右手で肉棒を、左手で二つの玉を握り締める。そのままゆっくりと肉棒をしごくと、田宮はシーツをぎゅっと握り締めた。
 潔癖症である沖河先生の言動は実におかしく、理解に苦しむ。
 ただ、田宮はこの異様な雰囲気に飲み込まれていて、潔癖症や清潔好きという言葉を言われると逆らえない状態になっていた。
 沖河先生は綺麗にするためにやっていることなんだと。
 ある意味、彼にとっては苛めに近い事をされても、信頼している先生がすることに間違いは無いのだ。
 そして田宮は男子高校生。この気持ちよさを拒めるほど大人ではない。
 少し強く握り締めながら、ゆっくりとしたストロークでしごくと、尿道口からまたガマン汁がにじみ出てきた。
 それを床に置いた脱脂綿で吸い取ると、親指と人差し指で肉棒を縛るようにしながら皮を根元に向かって絞りおろした。
 綺麗に剥けた亀頭。そして血管の浮き出た肉茎を目の前にした平治は、美香の唇を亀頭に触れさせた。
 タオルで目を隠されているので、まだ何が触れたのか分からないようだ。
 しかし、その唇が開き、亀頭が口の中に含まれると田宮は足を硬直させた。

「うわっ!せ、先生っ!」

 亀頭だけを咥え、硬くした舌で尿道口を舐め回す。

「うっ、あ……ああ」

 田宮は足を動かして、その気持ちよさを表現した。
 玉を転がしていた左手を田宮の太ももに沿え、口を窄ませながら軽く吸い付いてやる。

「お、沖河先生っ。そ、そんなの……」
「んっ、んふ。温かくなってきたでしょ」
「ううっ」

 これだけではイケない事を知っている平治は、しばらく亀頭だけを咥えて舐め続けた。