――それから数日後。


スポーツクラブでは、元気にエアロビを教える香夏子の姿があった。
額に汗を流しながら体を動かす彼女は光って見えた。

「なあ香夏子。今日は夕食、外で食べようか」
「うん。私もそうしたい」
「そっか。それにしても……」
「何?」
「いや、なんでもないよ」
「そうなの?ねえ孝彦、言いたいことがあるなら何でも言ってね」
「ああ。ただ、その……急に雰囲気が変わった感じがしたから」
「そう?どんな風に?」
「どんな風にって……言葉では表しにくいんだけど、何となく……かな」
「髪を短くしたこと?」
「それもそうだけど、何て言えばいいんだろう」
「ちょっと思うことがあったから、自分の中から変えようと思って。ダメかな?」
「いや、全然。今の香夏子の方がいいと思うよ」
「ほんとに?ほんとにそう思う?今の私のほうがいい?」
「ああ、ほんとに思うよ」
「そう……良かった」

更衣室の前、香夏子は嬉しそうに孝彦に身を寄せた。
その後、更衣室に入り姿見に全身を映し出した香夏子は、その容姿をしばらく見つめていた。

「……孝彦は私を香夏子だと疑わない。自分の体じゃないのは仕方ないけど、背の高い香夏子に憧れがあったから構わないわ。この体、孝彦も気に入ってくれているしね。香夏子の幸せな人生、私が引き継いであげる」

姿見に顔を近づけて微笑んだ香夏子は、そのスタイルを楽しむかのように幾つかのポーズをとった。

「心配なのは、香夏子の両親にばれないかよね。まあ、幽二さんがいれば問題ないけど。この体から記憶を探ってもらえばいいんだから……。香夏子の体、色々な意味で堪能させてもらうね」

香夏子は一人呟くと短く切った髪を両手でかきあげ、更衣室から出て行った――。



その頃――。

「お母さん。今日、新しい就職先が決まったんだ」
「そうなの。何処?」
「今度はスイミングスクール。三つ離れた駅前にあるところなの」
「良かったわね。でも、どうしてスポーツクラブを辞めたりしたの?あんなに楽しそうに勤めていたのに」
「人間関係でいろいろあってね。今度の所は長く続けられそうなんだ」
「心配させないでね」
「分かってる、お母さん」

借りていたアパートを引き払い、実家に戻っていた理恵は母親と会話をした後、自分の部屋に戻った。

「う〜ん!さて、今日も堪能するか!」

そう言って全裸になると、机の引出しから孝彦のチ○ポを取り出した。
まずは乳首やクリトリスを弄って体を高揚させる。

「んっ。理恵さんの体、相変わらず感度がいいな。もう濡れちまってるよ」

数分後に膣内に指を入れると、もう愛液でグチョグチョに溢れていた。
その状態で右手の指先にチ○ポを取り付け、勃起させる。

「では早速……んっ!ふぁぁ……。この挿入する時の感じがたまらないな」

ベッドに寝転び、右手につけたチ○ポを膣の中にねじ込む。
理恵はビクンと足を震わせながら、子宮口にカリがあたるまで装入した。

「奥に当っているのが分かるもんな。もっとねじ込んだら……はううっ!」

チ○ポが付いている指までも膣内に入れた事で、カリが子宮の中にまで入り込んだのだ。
痛みはなく、めり込まれたという子宮口の感触と、カリ首が子宮口に締め付けられた感触を同時に感じる。
その状態で指を出し入れすると、信じられない快感を膣とチ○ポから感じる事が出来るのだった。

「あひっ!あひっ。す、すごいっ……これは……ああっ。脳天がぶっ飛びそうだっ」

涎を垂らしながら快感を貪る。
その姿は、本来の理恵からは考えられなかった。

「最高だ。理恵さんの体は最高だよ。俺がこの体で理恵さんの人生を……ひぃっ!ひ、引き継いでやるから……あああっ!」

理恵は歓喜の声を挙げながら、激しく潮を吹いた――。



そして――。

「どうして?どうなってるの?わ、私の体……」

狭いアパートの部屋。
幽二は同じ事を何度も呟いていた。
ろくに食事もとらず、薄暗い部屋でじっと座っている。

「私の体……どうして男の体に……。誰も知らない。誰も分からない」

自分の体は何故か元気に動いていて、近寄ると犯罪人扱いされる。
愛する孝彦にも、香夏子に言い寄ったことで殴られてしまった。
理恵の居場所もわからない。

幽二は数日間、アパートで暮らしていたのだが、その後消息がつかめなくなってしまった。
男として何処かで暮らしているのか、それとも――。


異性の体験……終わり。




あとがき
暗い感じで終わってしまいました(^^
後味悪い〜。
結局、理恵は幽二と共に香夏子をどん底に陥れたのでした。
この二人も「悪」ですね。
幽二の体に乗り移らされてしまった香夏子は何処に行ってしまったのでしょう。
それは私にも分かりません。
それでは最後まで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。
Tiraでした。