先生は僕のもの(その1)


僕は兎に角、島原先生の事が好きだ。
どのくらい好きかっていうと、言葉では言い表せない。
ずっと一緒にいたい。
島原先生とエッチなことをしたい。
そんな事をずっと頭の中で考えていた。

そして手に入れた怪しげなスイッチ。
このスイッチを一回押すと、僕以外の全ての物が止まってしまう。
「時間停止」というやつだ。
これを使えば、島原先生は僕のもの。
そう思って学校に向った。
島原先生は、女子の体育を担当している。
ショートカットで身長は百六十センチちょっと。
僕と変わらないくらいだ。
綺麗な顔立ちでスタイルもいいから、男子生徒に絶大な人気がある。
僕は、その中でも最も島原先生を好いている生徒だと思っている。
いや、実際にそうなんだ。

午前中は島原先生のことで頭が一杯だった。
早く午後の体育にならないかとずっと願っていた。
そう思えば思うほど時間が経つのは遅くなるんだけど、ずっと耐えていた。
授業なんて全く見に入らない。
どうして僕がすぐにこのスイッチを使わないのかというと、島原先生の白いジャージ姿が見たかったからだ。
体育の時しか白いジャージを着てくれないので、じっと待つしかない。
探せば見つかるかもしれないけど、見つからなければ時間の無駄。
だから僕は午後の授業になるのを待った。

そして昼休み。
僕は誰よりも早く昼食を済ませると、職員室近くの廊下でじっと待っていた。
ここで待っていれば、白いジャージに着替えた島原先生が職員室に入っていくからだ。

(早く来ないかな?)

そう思っていると、廊下の向こうから白いジャージ姿に着替えた島原先生が歩いてきた。

(よしっ!やっとこの時が来たぞっ!)

心臓が破けるかと思うくらい激しく動いている。

「ん?誰かを待っているの?」
「い、いえ」

島原先生は笑顔で僕に話しかけてくれた。
この体が、これから僕の思い通りになると思うとフラフラと倒れそうになる。

(ああ。もうガマンできないっ!)

僕は、島原先生が職員室の扉に手をかけたところでスイッチを押した。
一瞬してあたりが静かになる。
そして、僕の目の前で職員室に入ろうとしていた島原先生の動きが停止した。

「や、やった。せ、成功した……」

扉に手をかけたまま動かない島原先生に近づき、横から顔を覗き込んでみる。
すると、僕と話した後だったからか、微妙に笑顔を残した状態で固まっていた。
開いた目は全く閉じようとせず、扉をじっと見つめている状態。

「先生?島原先生?」

僕の呼びかけにも全く反応しない。
完全に止まってしまっているんだ。

白いジャージに包まれた腕にそっと触れてみる。
先生の柔らかい腕の感触。
こうやって島原先生の腕を掴んだことがあるのは、男子生徒の中で僕だけだろう。
そんな優越感に浸った。

「島原先生……」

腕を掴んでも動かないことを確認した僕は、そっと後ろから抱きしめてみた。
島原先生の体が僕の腕に包まれる。
僕の顔が島原先生の背中に密着する。
洗剤のいい香りだ。
ギュッと抱きしめると、島原先生の体の厚みが分かる。
これで完全に抱きしめている。
そう感じた瞬間だった。
僕は先生の背中に顔をなすりつけながら、前に回した両手で先生の体を撫でまくった。
お腹や太もも、もちろん……胸も。

「先生っ、先生っ」

誰が見ても変態だと思われるかも知れなけど、今は僕一人の時間なんだ。
何をしようと僕の勝手。
だから、僕は先生を抱き上げると、職員室の隣にある小さな会議室へと運んだ。
先生の重みがとても嬉しい。

「島原先生。ここに座ってください」

会議室にある三人がけのソファーに座らせた後、鍵を閉めた。
先生は眠っているときのように体に力が入っていないのではなく、筋肉が緊張している状態にあった。
針金で作った人形のように、僕が自由に体勢を取らせることが出来る。
だから座らせた状態でも倒れることがなかった。

「さて、どうしよう」

僕にはたくさんの欲望があったはずなのに、何からすればいいのか分からない。
しばらく考え、やりたい事を整理した僕はひとつずつ実行することにした。