幽二が香夏子の口から真実を物語る。
理恵は心の中で思っていた香夏子の人物像がガタガタと崩れていくのを感じながら無言で聞いていた。

「どうだ?真実を知った気分は」
「……信じられない。香夏子が私を陥れたなんて」
「だから言っただろ。はめれらたんだって。俺にはピンと来たんだ」
「そこまでして孝彦と一緒になりたかったの?」
「そういうことだ。今は幸せな生活を送っているようだな。今の理恵さんとは大違いだ」
「許せない。私、許せないよ」
「俺の言っている事、信じるか?」
「それは……外れたら。外れたら信じるわ」
「よし、ならばトイレで外してくればいい。やり方は今、話したとおりだ」
「うん……」

理恵は椅子から立ち上がると、セカンドバッグを片手にトイレへ歩いた。


「…………」

小さなトイレの個室。
セカンドバッグを洋式トイレの便座カバーに置いた理恵は、ロングスカートの裾を巻くりあげると、ボクサーパンツの中に右手を忍ばせた。
数ヶ月間、ずっと股間についていたチ○ポ。
このチ○ポが孝彦と同じもので、香夏子に付けられていたなんて。
理恵は目を瞑ると、チ○ポの根元を握り締めていた右手で反時計回りに回した。
すると、初めてチ○ポを握られていたという感覚がなくなった。

「あっ……」

恐る恐るボクサーパンツから右手を引き上げると、ぐったりと萎えたチ○ポが手の中にある。
それが妙に気持ち悪く感じ、思わず足元に落としてしまった。

「……と、取れた。私の股間から外れたんだ」

鼓動の高鳴りを感じながら、もう一度ボクサーパンツの中に右手を忍ばせた。
そこには当たり前のように女性の性器が存在している。
割れ目に指を入れると、クリ○リスから敏感な刺激を感じることが出来た。

「も、戻った!私、自分の体に戻ったんだ!」

胸元で両手を握り締め、その嬉しさを表現する。

「良かった……良かった……」

何度もそう呟いていると、トイレのドアをノックする音が。

「どうだ?外れたか?」
「うん、外れたわ!」
「良かったな。で、外れたものはどうした?」
「えっ、あ。床に……床に転がってる。私、気持ち悪くて落としてしまったの」
「そうか。持ってきてくれよ」
「わ、私が?」
「嫌ならドアを開けてくれ」
「う、うん」

外れた嬉しさでテンションが高くなった理恵がドアを開けて出てくると、入れ替わるように香夏子が入り、床に落ちていたチ○ポを拾い上げた。

「すごいな。記憶にもあるが、こうやって実物を見ると妙な気分だ」
「気持ち悪いからトイレに流せば?」
「気持ち悪いって……今の今まで付いていたものなんだぞ」
「だ、だけど」
「これはなかなか面白い使い方が出来るんだ。例えば……」

香夏子はニヤリと笑うと、左の掌にチ○ポをくっつけた。
すると、萎えていたチ○ポが見る見る勃起してゆく。

「なっ……」
「すごいだろ。これは体の何処に付けても反応するんだ。だからこうやって……んっ」

香夏子は勃起したチ○ポを右手でしごき始めた。

「女の手でしごかれるってのは気持ちいいな。こうやっていると、しごく感覚が伝わってくるんだよ。そして射精も出来る」
「そ、そんな事……」
「んん?股間についている時にはオナニーしなかったのか?」
「やだ。こんなところで聞かないで」
「ああ、悪かったな。でもやってたんだろ。これを付けられたときに、この女にフェラチオでイカされたんだから。イッたら外れるかも……なんて、この女も面白いジョークを考えるよな」

香夏子の記憶を読んで話をしているのだろう。
理恵にもそのときの記憶が蘇ってきた。

「その話はやめて」
「そうだな。理恵さんにとっては屈辱の記憶の一つだからな。さて……」

しごくのをやめた香夏子は掌からチ○ポを外すと、徐にジーンズのボタンを外し、ファスナーを下ろした。

「何するの?」
「持って帰るんだよ。こうやって」

やはりジーンズの中には黒いスパッツを穿いたままだった。
その中に右手を忍ばせ、チ○ポを股間に取り付けた。
萎え始めていたチ○ポがまたムクムクと勃起する。

「そ、そのままで?」
「ああ。この女はこうやってジーンズの前を膨らませたまま街の中を歩いたこともある」
「そんな事……は、恥ずかしくなかったの?」
「そりゃ恥ずかしかったさ。でも、憧れの孝彦サマのチ○ポを付けて歩いているという優越感とスリルがたまらなかったらしい」
「そんなの……変態じゃない」
「そうさ。理恵さんの友達……いや。陥れた女の杉浦香夏子は変態さ。こんなものを作って楽しんでいたんだから」
「…………」
「なかなかきついな。でも分かるぞ、こうやってすればファスナーを上げられるんだ」

香夏子は上半身を倒し、腰を屈めながらファスナーを引き上げた。
そしてボタンを留めて軽く擦った。

「すげえな。正に変態だ」
「は、恥ずかしい……」
「このまま体を返してやろう。びっくりするだろうな」
「…………」
「テーブルに戻るか。あまり長くいると怪しまれるからな」
「うん……」

二人はトイレから出ると、テーブルに戻った。