更に一ヶ月の月日が経ったある日、理恵は何気なく読書をしたいと思い、電車で二駅離れた図書館へ足を運んだ。
相変わらずロングスカートを穿き、チ○ポが分からないようにしている。
「どれを借りようかな……」
恋愛物は嫌。
出来れば心が明るくなる本が読みたい。
そう心に思いながら書棚を見つめていると、不意に一人の男性に声を掛けられた。
年は三十五歳くらいだろうか。
ワイシャツに綿のズボンと身なりは普通だが、濃い無精ひげが汚らしい。
「なあ姉ちゃん」
「……な、何ですか」
理恵はサングラスのまま男性を見つめた。
「あんた……変わった趣味してるな」
「は?」
「女なんだろ?」
「……そ、そうですけど」
「なら、どうしてそんな物付けてるんだよ」
「えっ!?」
男性がロングスカートを見つめていた。
まさか!
理恵は瞬間的に股間を両手で隠した。
「な、何?何なの?」
「へへ。世の中には不思議な事があるもんだ。俺もあんたも同じだな」
「…………」
「あんた、変態なのか?」
この男性は何を言っているのだろう?
まさか、理恵の股間にチ○ポがついている事を知っているのだろうか。
理恵は気が動転してしまった。
「ちょ、ちょっと。あなた、さっきから何を言っているの?」
「何って。自分でも分かっているんだろ」
「知らないっ」
きっと危ない男性に違いない。
第六感がそう告げていた。
慌てて男性から離れようと図書館を出たが、男性は理恵の後を付いて来る。
それがとても気持ち悪かった。
「つ、付いて来ないでっ」
「ちょっと話そうぜ」
「嫌よっ。どうして話さなきゃならないのっ」
「そりゃあ……あんたが股間にそんな物をぶら下げているからさ」
「なっ……」
その言葉を聞いた瞬間、青ざめた。
そして、無意識に走り始めた。
「おい、待てよっ」
「来ないでっ!付いて来ないでっ」
「逃げたって駄目だぞ。俺はお前と同じ部類の人間なんだからなっ」
「な、何よっ。同じ部類って。勝手に同じ部類になんかしないでっ」
「待てよっ、おいっ」
「はぁ、はぁ。嫌っ!あっちに行ってよっ」
「それって付け外しが出来るのか?」
ロングスカートなので上手く走れない。
周りの視線がとても気になる。
理恵は泣きそうになりながら、懸命に足を動かした。
「もうっ。お願いだからあっちに言ってよ……」
「そんなに走るなって。別に取って食おうッて訳じゃないんだから」
「話なんてしたくないっ」
「……慌てるなよ。俺、寂しかったんだ。誰にも相手にされなくてさ。お前も同じなんじゃないのか?」
「何が分かるっていうのよ」
「俺はな。普通の人間じゃないんだ」
「…………」
「俺の話を聞いてくれよ。それだけでいいからさ」
「…………」
額から汗がにじみ出ていた。
そして、周りの視線に心が砕け散りそうだ。
「嫌よ……どうして付いてくるのよ……」
理恵はその場にしゃがみ込むと、恐怖と恥ずかしさで泣き始めてしまった。
男性はゆっくりと理恵に近づき、隣にしゃがみこんで小声で話す。
「俺、透視できるんだ。だから皆に気持ち悪がられた」
「ううっ……ううう」
「孤独なもんさ。誰も相手にしてくれないんだから」
「…………」
「あんたも同じなんだろ?見ず知らずの男に付きまとわれて気味悪いだろうけどよ。どうしてもあんたと話さなきゃならない気がするんだよ」
「……私は話したくない」
「だから聞くだけでいい。三十分。いや、十五分でいい。時間をくれないか」
「…………」
何を言っても無駄かもしれない。
理恵は涙を拭き取ると、男性の話を少しだけ聞いてやることにした――。
相変わらずロングスカートを穿き、チ○ポが分からないようにしている。
「どれを借りようかな……」
恋愛物は嫌。
出来れば心が明るくなる本が読みたい。
そう心に思いながら書棚を見つめていると、不意に一人の男性に声を掛けられた。
年は三十五歳くらいだろうか。
ワイシャツに綿のズボンと身なりは普通だが、濃い無精ひげが汚らしい。
「なあ姉ちゃん」
「……な、何ですか」
理恵はサングラスのまま男性を見つめた。
「あんた……変わった趣味してるな」
「は?」
「女なんだろ?」
「……そ、そうですけど」
「なら、どうしてそんな物付けてるんだよ」
「えっ!?」
男性がロングスカートを見つめていた。
まさか!
理恵は瞬間的に股間を両手で隠した。
「な、何?何なの?」
「へへ。世の中には不思議な事があるもんだ。俺もあんたも同じだな」
「…………」
「あんた、変態なのか?」
この男性は何を言っているのだろう?
まさか、理恵の股間にチ○ポがついている事を知っているのだろうか。
理恵は気が動転してしまった。
「ちょ、ちょっと。あなた、さっきから何を言っているの?」
「何って。自分でも分かっているんだろ」
「知らないっ」
きっと危ない男性に違いない。
第六感がそう告げていた。
慌てて男性から離れようと図書館を出たが、男性は理恵の後を付いて来る。
それがとても気持ち悪かった。
「つ、付いて来ないでっ」
「ちょっと話そうぜ」
「嫌よっ。どうして話さなきゃならないのっ」
「そりゃあ……あんたが股間にそんな物をぶら下げているからさ」
「なっ……」
その言葉を聞いた瞬間、青ざめた。
そして、無意識に走り始めた。
「おい、待てよっ」
「来ないでっ!付いて来ないでっ」
「逃げたって駄目だぞ。俺はお前と同じ部類の人間なんだからなっ」
「な、何よっ。同じ部類って。勝手に同じ部類になんかしないでっ」
「待てよっ、おいっ」
「はぁ、はぁ。嫌っ!あっちに行ってよっ」
「それって付け外しが出来るのか?」
ロングスカートなので上手く走れない。
周りの視線がとても気になる。
理恵は泣きそうになりながら、懸命に足を動かした。
「もうっ。お願いだからあっちに言ってよ……」
「そんなに走るなって。別に取って食おうッて訳じゃないんだから」
「話なんてしたくないっ」
「……慌てるなよ。俺、寂しかったんだ。誰にも相手にされなくてさ。お前も同じなんじゃないのか?」
「何が分かるっていうのよ」
「俺はな。普通の人間じゃないんだ」
「…………」
「俺の話を聞いてくれよ。それだけでいいからさ」
「…………」
額から汗がにじみ出ていた。
そして、周りの視線に心が砕け散りそうだ。
「嫌よ……どうして付いてくるのよ……」
理恵はその場にしゃがみ込むと、恐怖と恥ずかしさで泣き始めてしまった。
男性はゆっくりと理恵に近づき、隣にしゃがみこんで小声で話す。
「俺、透視できるんだ。だから皆に気持ち悪がられた」
「ううっ……ううう」
「孤独なもんさ。誰も相手にしてくれないんだから」
「…………」
「あんたも同じなんだろ?見ず知らずの男に付きまとわれて気味悪いだろうけどよ。どうしてもあんたと話さなきゃならない気がするんだよ」
「……私は話したくない」
「だから聞くだけでいい。三十分。いや、十五分でいい。時間をくれないか」
「…………」
何を言っても無駄かもしれない。
理恵は涙を拭き取ると、男性の話を少しだけ聞いてやることにした――。
コメント
コメント一覧 (2)
この先の展開に期待です.
しかし透視できるなんて,町中あるいてたら歩けなくなっちゃいますよ,私なら.
コメントを頂きありがとうございます。
透視できるっていいですねぇ。
でも、それが日常的になれば飽きるのではないかなぁなんて思ったりもしますね。
例えば、裸が当たり前だと感じるかもしれません。
そして、興味がなくなっちゃうかも!?
登場した彼、透視できるのですが、今後の展開で透視はまず使いません。
彼にはもっと別の秘密があるのです。