「もう許してよ……ううっ」
「ニヒッ!ダメよ。私の大切な白田に……白田君にあんな酷い事をしたんだから。今度は私が白田君の敵を討ってあげるの」
「酷いよ……郁美ちゃんの体を使うなんて……そんな事、言わせるなんて」
「ううん。そんな事無いよ。私は霧河利子ちゃんとこんな事をしたいって、ずっと思っていたの。願いが叶って最高の気分!」
「そんな事……思ってるはず無いもん」
「うん。俺が勝手に言っただけ」
「…………」

 私の首筋にキスをし、そのまま体を下にずらして胸を揉み始める。郁美ちゃんの手だけど、白田が揉んでいるんだ。そう考えただけで気持ち悪い。パジャマ越しに少し強引な揉み方は、私が付き合っている彼氏に似ていた。

「い、いやっ!」
「うそばっかり!こんなに乳首を立たせて。利子ちゃんってエロいよね」
「もう止めてっ!」
「そんなに大きな声を出したら両親に見つかるじゃない。二人でこんな事をしているところを見られたらやばいんじゃない?」
「だ、だからもう……」
「へへ。やめな〜い」

 郁美ちゃんはニヤニヤしながら胸を揉みしだいている。
 手のひらで私の胸の感覚を楽しんでいる。

「やっぱり私の胸より大きいよね。さすが都会育ちだ」
「いやだっ!もうっ……止めて」
「ほんとに止めてほしいのかなぁ?それじゃあ、もしマンコが濡れてなかったら止めてあげる。けれど、少しでも濡れていたらもっと続けるよ」
「なっ……」

 私は郁美ちゃんの手がパジャマのズボンに侵入するのを防ごうとした。でも、それよりも先に滑り込んだ手が直接私のワレメに差し掛かった。

「いやっ!」

 足を閉じようとしたが、郁美ちゃんの両足が私の太ももに割り込んでいて閉じられない。

 そして――。


クチュッ


「ひっ!」
「ニヒヒ。あれぇ、ヌルヌルしてるぞ?この湿り気は何かなぁ?」


 わざとらしい――。

 郁美ちゃんの中指が私のワレメに食い込んで、溢れ出てきた愛液を絡み付けている。
 最近、彼氏とエッチしてなかったから――無理矢理のキスと胸を揉みしだかれた事で、アソコから自然と愛液が溢れ出てしまっていた。この場から逃れようと足をジタバタと動かすと、郁美ちゃんの指がクリトリスをグニグニと刺激する。

「あうっ!やっ……そ、そこはっ……んあっ」
「嫌がっているわりには気持ちよさそうな声出しちゃって」

 そこを弄られると足に力が入らない。皮を剥き、充血したクリトリスを直接弄っている。 白田は私たち女の子の快感を知り尽くしているように思えた。きっと全て郁美ちゃんの体で色々と試したのだろう。
 もしかしたら、別の女の子にも同じことをしてきたのかもしれない。
 片手をズボンに入れたまま、空いた手でパジャマとブラジャーを捲り上げられる。私の胸が露になると、郁美ちゃんは左胸の乳首を口に含んだ。

「んっ……あっ。いっ……やぁ」

 吸い付きながら、舌で勃起した乳首を転がしている。舌の裏を使ったり、舌先で乳首の先端を刺激したり。
 私の意志とは無関係に、体が熱く熱く火照っている。まるで郁美ちゃんを受け入れたいと願っているように。

「素直になろうよ、久しぶりに会ったんだから。一緒に慰めあおうよ。ねっ」
「だ、だめぇ。お願いだからぁ」
「ニヒッ、可愛い声出しちゃって」

 悔しいけど――私が快感に溺れ始めていると分かっている郁美ちゃんは、パジャマを優しく脱がせながら、自らも裸になった。
 郁美ちゃんの肌と私の肌が直接触れ合うと、とても暖かく感じる。
 太ももが擦れると、滑々した肌の感触が。

「利子ちゃん、この体を使ってしっかりイカせてあげるよ」
「い、いや……」

 郁美ちゃんが私の体を愛撫する。首筋や脇の下、わき腹を嘗め回しながら、両手で私が感じるところを集中的に刺激している。私は体を捩じらせながら、微かな抵抗をした。
 でも、本心で抵抗していない事は自分でも分かっている。もし、目の前にいるのが白田ではなく、本当の郁美ちゃんだったら、素直に受け入れただろうか?
 私が同姓とのセックスを拒まないはずが無い。だって彼氏だっているし、レズなんて全く興味がないから。
 それなのに――もしかしたら、体は郁美ちゃんでも白田という男の子が操っているから?
 郁美ちゃんに悪戯して酷い目に合わせている男の子なのに?
 自分自身が理解できなかった。

「はぁ、はぁ。あっ……んっ。ふっうっ」
「直接舐めてあげる」
「んあっ!だ、だめっ……い、いやっ……あ、あっ。んんん〜っ」

 郁美ちゃんは私の足をM字に広げると、その間に頭を割り込ませて皮の剥けたクリトリスを嘗め回した。舌を使ってチロチロと舐められると、自然と体が震えてしまう。
 私は腰を浮かせながら両手で敷布団をギュッと握り締めた。

「んううっ。はぁっ、あっ、あっんっ」

 郁美ちゃんの両手が、また私の両乳首をつまみ上げる。自分では制御できない体がここにあった。どうしようもなく愛液が流れ落ち、乳首への刺激は理性を蕩けさせる。片方の指が乳首から移動し、ワレメの中に入り込んで膣内をグニグニとかき回す。一本が二本、そして三本と増え膣内を広げられると、私は快感の嵐に飲み込まれていった。
 私は枕を噛み締め、両手で更に敷布団を握り締めた。もう止まらない。
 郁美ちゃんに――ううん、白田に。白田にイカされちゃうっ。

 こんなの――こんなのって――絶対にいや〜っ!

「あっ、あっ……んんっ、ん〜っ!んんんっ。んああ!」


 頭の中が真っ白になるくらいの絶頂を感じた。噛んでいた枕には歯型が。そして、その歯型と唇の間には涎の糸が掛かっていた。

「可愛いよなぁ。その声、たまんないよ」

 指を舐めながら笑った郁美ちゃんは、足を絡めて貝合わせの体勢になると、ゆっくりと腰を動かし始めた。ニチニチという音と共に、また快感が押し寄せてくる。

「だ、だめっ……あっ、お願いだからっ」
「んっ……か、貝合わせってすごく気持ちいいっ」
「いやっ、あっ。んふぅっ」

 私の右足を抱きかかえながらアソコをすり合わせている。気持ちよさそうな表情で私を見つめる表情からは、私の知っている郁美ちゃんを想像できなかった。
 郁美ちゃんの生暖かい太もも。そしてやわらかい股間。クリトリスが擦れてジンジンする。それがまた気持ちよすぎて――。

 初めてのレズ。しかも相手が郁美ちゃんというシチュエーションは私の鼓動を高ぶらせ、収まらない快感を激しく引き寄せた。

「んああっ!あっ……い、いやぁっ」
「はぁ、はぁ。あうっ……んんっ」
「や、やめ……あっ……て……」
「うはっ、どうしてだよ……うっ、こ、こんなに気持ちがいいのにっ……も、もっと気持ちよくなろうよぉ」
「だ、だめっ!あっ、い、いやっ……と、とめて……んんっ、んはぁっ!」

 私の出したくない艶のある声に刺激された郁美ちゃんの腰が、激しく動く。どうしようもない快感が私を包み込み、次第に理性が奪われていった。白田という男の子が操る郁美ちゃんとセックスしている。
 私はイケナイ事をしているんだ。
 なのに――。

「あっ、あっ……ああっ。やっ……だ……イ、イッちゃう」
「いいよ。何度でもイカせてあげるっ。んっ、この体を使って。大好きだよ利子ちゃん。私ともっと楽しもうよっ」
「ああっ、そ、そんな……あっ……い、いやぁっ!あっ……あっ……あっ」
「んくっ……んんんんっ!」

 膣が痙攣し、足がビクビクと震えた。
 そして、私の記憶はそこで途切れた――