――その日の夕食



どんよりとした雰囲気が食事中のルフィたちを包み込んでいた。ナミとビビは、なぜか服を着替えている。

「んん?どうしたんだ。何か変な雰囲気だぞぉ」

ルフィがシチューを飲み、パンに噛りつきながら話を切り出す。無言のままのサンジ、ナミ、そしてビビ。

「あん?さてはお前ら、喧嘩でもしたんだなぁ。どの道、クソエロコックがつまらん事しでかしたんだろ」

ゾロの言葉に、サンジが反応する。

「あ〜?そこのサボテン野郎、今、何か言ったかぁ」
「ケッ、何か言ったら悪ぃのか?」
「おいコラ、ちょっと表に出ろっ」
「おお、上等じゃねぇか!」

ゾロとサンジが激しく椅子から立ち上がる。

「ちょっと止めときなさいよ。食事中じゃない……」
「そうよ。サンジさんもゾロさんも落ち着いて……」

ナミとビビにそう言われ、二人ともふて腐れながらも席についた。
一人、事情を知っているウソップはニヒニヒと隠れて笑っていたのだった――






そして夜――


ウソップはいつものように誰にも内緒で、一人部屋の中で日記をつけていた。


「いやあ、今日は楽しかったなぁ。えらい特技を身につけちまったもんだよ。これなら誰にも負けやしねぇよな。だってそいつにも乗り移ることが出来るんだから。さてと、次は誰とやってやるかだな。う〜ん、ルフィか、それともゾロ?ああ、ゾロは怖いからパスだな」

ぶつぶつと独り言を言いながら日記をつけ終わったウソップは、静かに眠りについた。





そして次の日――



「ねえウソップ、これは一体何?」
「はぁ、何だよ。ゲッ!あっ……そ、それは……」
「ウソップさん、悪いんだけど日記を読ませてもらったわ。ここに書いてあること、本当なの?」

引き出しに隠すのを忘れて、机の上に置いたままの日記をナミとビビに読まれてしまったウソップ。すでに顔から血の気が引いている。

「どおりでおかしいと思ったのよねえ。私がこんな事するわけないもの」
「わ、私も……やっぱりウソップさんに……」
「それしかないでしょ。こんな悪戯する奴はウソップしかいないんだから」
「ひどいわ、ウソップさん……私の身体を勝手に……」
「ちょ、ちょっと待て、話せば分かるよな。二人とも落ち着けよ。それにナミが俺の悪口言うから……」
「それはアンタがちゃんと働かないからでしょ。これが落ち着いていられるかってのっ!」



――この後、ウソップは生死の境をさまよう羽目になった。

そして更に数日後――



すっかり寝静まったナミの部屋に、目には見えない怪しい影が……

「う……あ……ああ……」

その影がぐっすりと寝ているナミの身体に入り込み始めると、苦しそうな表情に変化する。
そして―― 。



「う……ん……へへ。こうやって寝ている時に乗り移っちまえば分からないって」

ムクッとベッドから起き上がったナミは、電気もつけないまま椅子に座ると、ピンクのネグリジェをたくし上げて、パンティの中へ手を忍ばせ始めたのだ。

「うはっ、やっぱりナミの身体は最高だっ」

それは、まるでナミがしゃべっているとは思えない様な口調。そして一人、夜が明けるまで自慰するナミ。

「うあっ……ふぅ……あふっ……はあ、はあ、はぁ〜……き、気持ちよかったぁ〜。ナミの身体は。よぉし、明日はビビだっ!」


まったく懲りないウソップ。
だが、ナミの身体から抜け出ようと壁に頭をぶつけた時に気づかれ、瀕死の重傷を負わされた事は言うまでもない――。


ウソップの悪戯日記……終わり