過去作品を掲載します。
挿絵は以前、あさぎりさんに頂いていたものです。
ここしばらく太り気味の大学2年生の友哉は、バイトで貯めた金を使ってメンズエステに行こうと思った。
しかし、エステなんか女の行くところだと思っているし、全然行った事のない友哉は、エステについてインターネットで色々検索・・・・途中で見つけた通販サイトから、幽体離脱が出来る薬「PPZ−4086パート2」を手に入れる。
早速幽体離脱をした友哉は、幽体のまま女性のエステサロンへ行き、エステ初体験の若い女性「工藤 花梨」に乗り移った。
花梨の身体でエステを体験し、女性の快感を知った友哉。
最後のフィニッシュで精神的に耐え切れなくなり、花梨の身体から弾き飛ばされてしまう。
実はその後、友哉はしばらくプロポーションアドバイザーの「清水 沙智」と花梨が話している内容を
聞いていたのだった・・・



エステサロンはハーブの香り(番外編1)


後編のつづきより。


精神的に耐えられなかった友哉は、無条件で花梨の身体からはじき出された。
ビクッと震えて力なく横たわる花梨の身体。
右手はビキニパンツの中に入ったまま。

精神的ダメージの大きかった友哉は、ぜいぜいと息を切らしながら部屋の中を漂っていた。


友哉:「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・女の身体がこれほど気持ちがいいなんて・・・」


思わぬ収穫(?)を得た友哉。
じきに沙智が部屋に入ってくる。
とても長く感じられたが、やっと10分経ったところだったのだ。
ベッドの上に横たわっている、はしたない花梨の姿を見て唖然とする沙智。
どうすればいいのかうろたえている沙智は、その姿をしばらく眺めているしかなかった。


友哉:「このままじゃやばいかな」


そうは思ったが、今更どうする事も出来ない。
友哉はしばらく二人の会話を聞いている事にした。


沙智:「か、花梨さん?」


やっと沙智が花梨の恥ずかしい姿を見ながら声をかける。


沙智:「花梨さん」


少し大きく名前を呼んだ2度目の問いかけで、花梨はゆっくりと目を開けた。
妙な身体の疲労感を覚える花梨は、右手が股間にあてがわれている事に気付いたみたいだ。ぼ〜っとしたまま、ゆっくりと右手をビキニパンツから抜き出し、目の前に持ってくる。右手の指が透明で粘力のある液体で濡れている。


花梨:「・・・・??」

沙智:「な、何してたんですか・・・」

花梨:「・・・えっ・・・」


何がなんだかさっぱり分からない。
今自分がどういう状況に置かれているのか・・・
ベッドの上で身体を起こす。
周りには白いクリームの固まりが散乱していた。


沙智:「顔パック、とっちゃったの?」

花梨:「顔パック??」


花梨が頬を撫でてみると、白いクリームの破片が付いているのが分かった。


花梨:「えっ?ど、どうなってるの??」


頭の中がこんがらがっている。
沙智もどう対応したらよいのか困惑していた。
だが、次の客が既に待っているので、ここはとりあえず花梨に帰ってもらうことにした。


沙智:「花梨さん。実は次のお客様がいらしているので今日はこれで終了します。奥の部屋でシャワーを浴びて着替え室に行ってくださいね。次はいつにします?」

花梨:「あ・・・・つ、次ですか!」


その質問の答えを用意していなかった花梨は、あわてて考える。


花梨:「え、えっと・・えっと・・・そ、それじゃあ1週間後にお願いします」

沙智:「同じ時間で?」

花梨:「は、はい」

沙智:「分かりました。じゃあ早速・・・」


まだ状況がつかめていない花梨は、沙智に言われるまま奥の部屋に入っていった。
沙智がベッドに散乱している白いクリームの塊を取り、掃除している。


友哉:「へぇ〜。1週間後にまた花梨さんがくるんだ。俺もまた来よっかな」


そう言うと、友哉は壁をすり抜けて家に帰っていった・・・・






そして1週間後・・・・






友哉はまたしても「PPZ−4086パート2」を使って幽体離脱し、エステサロンに来ていた。
今度はこの前よりも、かなり早い時間に到着している。
今日の目的は、ズバリ!


プロポーションアドバイザーになって花梨の身体をマッサージする事!


担当制なので、花梨は沙智が対応する事は決まっている。
友哉は早速、沙智を探しにエステサロンの中をうろうろと飛び始めた。
と言っても、大体分かっているのだ。
第一候補はスタッフルーム。第二候補はこの前エステをしていた部屋。
第三候補は・・・・トイレかな。
とりあえず、スタッフルームが見つかったので扉をすり抜けてみる。
少し広い部屋には、いくつかのテーブルや椅子が並んでいるのが分かった。
身だしなみを整えるためだろうか?
数枚の大きなガラスも置いてあった。
3人のプロポーションアドバイザーとやらがいる中に、早速、沙智を発見。
友哉はゆっくりと部屋の中を漂うように浮いて、しばらく様子を見ることにした。
なにやら楽しそうに話をしている。
どうやらあとの2人は、次に予約している客を待っているようだ。
沙智の笑い顔を見ていると、思わず顔がにやけてくる。


友哉:「沙智さんの笑った顔って・・・・かわいい!」


よだれが出そうになるのを手で拭くような仕草をしながら、目線を部屋の奥に向ける。
どうやらこの部屋はL字に曲がっているようだ。
初めて気付いた友哉は、早速隠れて見えなかったスペースに移動してみる。
そこにはロッカーが並んでおり、壁には都合のよい事に今日のスケジュール表が貼っていた。


友哉:「お、いいのがあるじゃん」


友哉は早速そのスケジュール表を見た。
沙智と一緒にいる2人は、もうすぐ客が来るようだ。


友哉:「やった!もうすぐ沙智さん一人になるじゃないか」


あと5分くらいの話だ。
もしかしたらもう受付に客が来ているかもしれない。
友哉は、はやる気持ちを抑えながらしばらく待つ事にした。
乗り移りに失敗したときのことを考えると、その瞬間は他の人に見られたくないのだ。

たった数分という時間が非常に長く感じられる。
まるで1時間くらい待っている感覚。


友哉:「ああっ!もう長いよっ」


たまらず友哉は、ロッカーの中を覗いてやろうと思い、並んでいるロッカーの中、1つの扉に頭を突っ込む。
薄暗いロッカーの中。
ハンガーに掛けられた女性の服が吊ってあるのが見える。
上の棚には化粧品を入れているような小さなカバンが置いてあるのが分かった。


友哉:「ふ〜ん、この服、誰のだろう?」


そんな事を思いながら、次々とロッカーの中を覗き見した。
みんなそれぞれ個性が違うのだろう。派手な服から至ってシンプルな服まで色々吊ってあった。


女性:「あっ、お客さん来たみたい」


向こうからそんな声が聞こえた。


友哉:「おおっ、そろそろかっ!」


思い出したように友哉は沙智たちのいるところに飛んだ。
ちょうどさっきまで沙智と一緒に話していた2人が、揃って扉から出ていくところ。
友哉は動かない心臓をドキドキさせるような興奮を覚えた。

今から沙智さんに乗り移るのだ!


あの、女性を意識せずにはいられない透き通った声が・・・
あの、後ろで束ねている黒く輝いている髪が・・・
あの、可愛らしくはにかんでいた笑顔が・・・
あの、白いブラウスに包まれている柔らかそうな2つの胸が・・・
あの、白くてか弱い2本の腕と、その先にある薄いマニキュアを塗っている10本の指が・・・
あの、黒いタイトスカートに包まれている引き締まったお尻が・・・
あの、淡い肌色のストッキングに包まれた細くて長い2本の足が・・・

そう、20代前半であろう、彼女の身体の全てが友哉のものになる。

一人になり、鏡の前に立つ沙智。
両手を頭の上に伸ばして気持ちよさそうに背伸びをしている。
友哉は鏡の前に立ち、目を瞑って背伸びをしている沙智のすぐ後ろにいた。
もちろん鏡には彼女しか映っていない。
でも、彼女のすぐ後ろには友哉がいるのだ。


友哉:「・・・・・」


言葉なんか何1ついらなかった。
友哉は彼女の後ろからゆっくりと幽体を重ね始めた。
気持ちよさそうに背伸びをしていた沙智の目がパチッと開く。


沙智:「えっ?!」


体の異変に気付いた沙智。
でも、何が起こっているのか分からない。
両手を上に挙げたまま固まっている。


沙智:「あっ・・・な・・・・」


友哉はそのまま幽体を彼女の体に埋め込むように前に進めた。
沙智の体が小刻みに揺れている。


沙智:「ぁ・・・・・・ぁぁ・・・・」


少し苦しそうな顔をしていた沙智は、口を半分開けたままで遠くを見るような虚ろな目をした。


その後・・・・


虚ろな目が、焦点を合わせるかの様に、鏡の中の自分を見る。
はっきりと焦点があった目からは、さっきまで半開きだった口がやや笑っているような形になっているのが見えた。
ゆっくりと両手が下がっていく。
その手は、顔のところで止まったかと思うと、そっと両頬を撫で始めた。
そして、明らかに彼女は笑顔になった。


沙智:「へっ・・・・へへっ・・・・」


彼女の口から奇妙な笑い声が漏れる。


沙智:「やっ・・・・・た・・・」


どうやら・・・・・友哉は沙智の体を完全に手に入れたようだ。


沙智(友哉):「・・・・・」


しばらく言葉を出せないまま、鏡の中に映る自分、すなわち沙智さんに見とれる。

友哉の瞬(まばた)きは沙智の瞬き。
友哉の口の動きは沙智の口の動き。
友哉の指の動きは沙智の指の動き。

友哉=沙智。

沙智=友哉。

沙智はもう友哉のものなのだ。
鏡の中で動く彼女の全ては友哉が動かしている。
そう、誰が何と言おうとも、友哉は今、沙智の体を乗っ取っているのだ。


沙智(友哉):「ウフン・・・・」


鏡の前の沙智が目を細めながら口を引きつらせて笑う。
さっきまで可愛らしく、はにかんでいた顔が嘘のよう。
そこには大人びた女性の妖美な笑顔が映っていた。


沙智(友哉):「沙智なのよ・・・私は・・・・アハン・・・」

エステ(あさぎりさん)
女言葉を使わずにはいられない。
黒いタイトスカートから伸びる足を開けるだけ開き、頭の後ろに両手を絡ませ、刺激的な目線を鏡の自分に向かって投げかける。
今まさに、沙智さんが友哉に怪しい視線を投げかけている。


沙智(友哉):「いいよ、このポーズ!」


思わず男言葉に戻ってしまう。
それほど沙智さんの姿はセクシーでそそるものがあった。


沙智(友哉):「これがほんとに俺なのかっ」


自分で乗り移っておいたくせに今更信じられないといった感じ。
でも、やはり沙智の体は友哉が操っているのだ。


沙智(友哉):「じゃあこんな事も出来るんだよな。」


分かり切ってはいたものの、どうしてもそう言いたくなる。
頭の後ろに回していた両手が、白いブラウスを程よく膨らませている両胸を、やさしく包み込む。
両手にはブラウスの生地の感触と共に、柔らかな胸の感触が伝わってきた。


沙智(友哉):「・・・・・柔らかい・・・・・」


そのまま指を胸にめり込ませる。
ブラウスにシワを作りながら、10本の細くて長い指が胸を揉み始めた。


沙智(友哉):「あはっ・・・・」


すでに興奮しているせいか、揉むたびに沙智の胸からは、気持ちよい信号が発せられる。鏡の中で胸を揉んでいる沙智。


沙智(友哉):「んっ・・・・は・・・始めてみる・・・女性の一人エッチ・・・」


それは、生まれて始めて見る女性の生(なま)の一人エッチだった。
AVビデオのそれと全く同じ。
それが、今、目の前で行われているのだ。
もちろん、それをさせているのは・・・・友哉なのだ!


沙智(友哉):「あっ・・・・んんっ・・・・」


沙智の切ない声が、吐息が口から漏れる。
彼女のこんな声を、これまで一体、何人の男性が聞けたのだろうか。
もしかしたら、友哉だけかもしれないのだ。
興奮が快感レベルを加速させる。
鏡に映る沙智は、だんだんと足に力が入らなくなっているかの様に膝を曲げ始めた。
腰が徐々に下がっていく。
内股になった沙智(友哉)は、ついに床に膝をついて座り込んでしまった。


沙智(友哉):「ああっ・・・・・あんっ・・・・」


それでも両手は胸を揉む事をやめなかった。
花梨に乗り移った時の興奮とは明らかに違っている。
鏡に映っている姿・・・・乗り移った女性を見ながらって・・・・こんなに興奮するものなのか。

たかが服の上から胸を揉んだだけではないか。
それなのに・・・・それなのにこれほど気持ちがいいなんて・・・


沙智(友哉):「はぁ〜・・・・・」


沙智(友哉)は顔を上に向けてため息をついた。
2本の蛍光灯がチラチラと細かい点滅をしているのが分かる。
身体の力がスッと抜けていくのを感じる。
いつの間にか揉んでいた両手が止まり、太ももの上に置かれた。


沙智(友哉):「・・・・ずっとこの身体でいたいよなぁ・・・・」


蛍光灯の光に向かって、友哉は沙智の声でつぶやいた。
ぼ〜っと蛍光灯を眺めたまま・・・

果たしてどのくらいの時間が経っただろうか・・・・
実際には5分とたっていなかったのかもしれないが、友哉にとってはとても長く感じられた。
天井に向いていた顔が、壁に掛けてある時計を見る。
やはりほとんど時間は経っていなかった。
鏡を覗いてみると、女座りして、少し間抜けな顔をした沙智がいる。


沙智(友哉):「は・・・ははっ・・・」


改めて沙智に乗り移ったという実感が湧いてくる。

今の自分の姿をみんなに見てもらいたいっ!

そんな気持ちにもなる。
でも、今、沙智(友哉)の心臓が激しく高鳴り始めたのは、それが理由ではなかった。
ゆっくりと動き出した友哉の操る沙智の両手は、白いブラウスのボタンを一番上から一つずつ外し始めた。
目線はあくまでも鏡の中でボタンを外している沙智の手。
決して下を見て、実際にボタンを外している手を見ているわけではない。
友哉は、鏡の中に映る彼女の演出を見たいのだ。

そう、目の前で繰り広げられようとしている沙智の一人エッチを・・・





エステサロンはハーブの香り(番外編1)・・・・終わり