「唯子、こっちに座れよ」
「うん」

高校に近いマンション。
唯子は頷いて、将冶の座っているソファーの横に腰を下ろした。
二人は同じ高校の教師をしており、1年ほど前に結婚してこの中古マンションを購入した。
異動の多い職業だが、とりあえず二人でゆっくりと過ごせる場所が欲しかったからだ。

「ほら、この前さ。職員室で唯子の所へ相談に来た生徒がいただろ」
「え、うん」
「あの子の名前、何て言うんだ?」
「鮫白さんよ。それがどうしたの?」
「なあ……」
「……また?」
「いいだろ?」
「でも……」
「唯子のこと、愛してるから」
「……本当に愛してくれてるの?」
「ああ。愛してるよ」
「私よりも、私の特異体質が目当てで結婚したんじゃないの?」
「なっ……そ、そんな事一度も思ったこと無いって」
「本当?」
「当たり前じゃないか」
「……それなら……いいんだけど」
「お前が一番好きなんだ。だから結婚したんじゃないか」
「……うん」

将冶はそう言うと、唯子を優しく抱きしめた。

「あっ……んっ」
「唯子……」
「んん……はぁっ」

唯子の顎をあげて、ディープキス。
その舌使いに、唯子は全身が熱くなるのを感じた。

「はぁ、はぁ……んん」
「唯子……」
「……鮫白さんでいいの?」
「ああ。彼女はどういう子なんだ?」
「鮫白さんは3年E組の生徒よ。就職活動について相談を受けたの」
「ふ〜ん。そうなんだ」
「彼女は女子水泳部で全国大会に出場するほどの実力を持っているから、推薦で大学に入れるんだけど就職することも考えているみたい」
「勿体無いな。折角推薦で大学に入れるのに。俺の生徒なら絶対に大学に行くように説得するけどな」
「私もそうしているわ。鮫白さんは水泳で日本一になってもらいたいから」
「そうだな」
「うん」
「それにしても水泳部か。競泳水着を着た彼女はどんなだろうな」
「知ってるわよ。彼女、すごく胸が大きくて泳ぎに支障があるんじゃないかって思うくらい」
「へぇ〜。そんなに大きいんだ」
「……知ってたんじゃないの?鮫白さんが巨乳だってこと」
「い、いや」
「……本当は知っていたのね」
「そ、そういうわけじゃないけどさ」
「将冶は巨乳好きだもんね」
「……ま、まあな」

将冶は苦笑いしながら頭をかいた。

「でも明日、鮫白さんの練習が終わった後よ」
「ああ。それで構わないよ」
「それから……」
「それから?」
「私……私自身も愛してね」
「……ああ、分かってるよ。唯子が一番なんだから」

唯子をゆっくりとソファーに寝かせた将冶は、ブラウスのボタンを一つずつ外すと、
その中にある大きな胸をごつごつした手で揉み始めた――。