誰もいない彼女の家。

「さあ、上がって!」
「……いいのか?」
「いいよ。パパもママも遅くまで帰って来ないから」
「パ、パパって……」

大学生にもなって、両親のことをパパやママと呼んでいるのか?
普段見ている彼女から考えると、かなり幼げな感じだった。

「そのソファーに座って、ちょっと待っててね。支度してくるから」
「支度?」
「うん」

支度って何だろう?
リビングに入った俺は言われたとおりソファーに座って待つことにした。
しばらくして、彩子がうれしそうな表情をして現れた。

「ごめんね、今、ウェットスーツとかクリーニングに出していの忘れてて。こんな中途半端な格好しか出来なかったの」
「…………」

俺は無言のまま、彼女の全身を眺めた。
ウェットスーツの中に着るラッシュガードと呼ばれる半そでの服。
そして、その下に見えるのは鮮やかなブルーの腰紐が付いたビキニパンツ。
艶かしい太ももが何とも言えないセクシーな雰囲気をかもし出していた。

「どう?似合う?」
「に、似合うよ。すごく」
「でしょ。こんな姿、男性の前でしたことないもんね!」

腰に手を当ててお尻を振る様子は、俺を誘っているかのようだった。

「もう勃った?」
「えっ!?」
「まだチンポ勃たないの?仕方ないなぁ」

そういうと、彩子は勢い良くラッシュガードを脱ぎ捨てた。
その中から現れたパンツとお揃いの青いビキニブラ。
彼女は二の腕を寄せて、わざと胸を強調した。

「すごいでしょ。私が俊一のためにこんなことしてるんだよ」
「お、俺のためって……俺はそこまで……」
「はは〜ん、さては緊張してるんだ。緊張なんてすることないのにね。憧れの彼女がこれだけ迫ってるのに、手を出さないなんて許せないなぁ」

軽く笑った彼女は、ビキニブラを外しながら対面にあるソファーに座った。

「私も緊張してるの。だから俊一、リードしてくれない?」

今度は、さらけ出した胸を両手で隠すようにしながら、少し不安そうな表情をする。
でも、足はしっかりと開いていて、ビキニパンツ越しに股間が丸見えだ。

「その表情と足の開き方は対照的だけどなぁ」
「あは!そうかもっ」

すぐに笑った彩子。
俺は混乱していた。
健彦が憑依する前の彼女と、その後の彼女。
そのあまりのギャップにどう対応してよいものか。

最初は彼女と親しく話がしたい。
そう思って健彦に相談したのが始まりだ。
健彦はニヤリと笑うと、「じゃあ親しく話をさせてやるよ」そう言って、
俺に彼が持つ能力を話した。
信じられなかったが、今目の前にいるのは彩子であり、そして彩子の体に憑依した健彦であることは事実。
彼女の体を弄び、迫ってくる健彦に俺は一体どうしたら――

「何迷ってんだよ俊一。素直になれって」
「た、健彦」
「ほら、しっかり見ろよ」
「…………」

顔から笑顔が消えた彩子は立ち上がると、腰紐をはらりと外してビキニパンツを足元に落とした。

「お、おい……」
「お前も早く裸になれって」
「で、でも……」
「いいから早く」
「…………」

こんなことまでしてもいいのだろうか?
今は罪悪感の方が強い。
でも……

俺は服に手をかけると、彩子の視線を気にしながら全裸になった――