「偉そうな口利いてくれちゃって。まあ、時期に俺が課長になるんだからな」

資料を整理しながら課長になった時のことを考える。
俺なら部下たちも納得するはずだ。
吉原浩美よりうまく部下を使える。
なんたって、係長として長い間、部下たちの面倒を見てきたのだから。

「折角だから吉原クンには気持ちよく会社を辞めてもらわねばな」

ビジネスバッグに資料を詰め込んだ宮崎は、ネクタイを直しながら得意先の会社へと向かった――




泣いた後、少し赤く腫れた目が恥ずかしい。
そう思いながら浩美は電車に乗った。
女性専用車両じゃなくてもほとんど男性はいないが、今も体を弄られている状態が続いている。
その車両にこだわる意味はないのだが、浩美は女性専用車両の端、優先座席と対面になる長椅子に座った。
宮崎に仕事を押し付けた事で気持ちが少し落ち着くと、少し体の疼きを意識してしまう。
今は足の指を1本ずつ丁寧に舐められている。
どうすればこんな事が起きるのだろう?
異常な事には違いないが、浩美はなぜか冷静に考えていた。


まるで超能力者に弄ばされているみたい。
それか、何時の間にか催眠術に掛けられて、体が疼くように仕込まれたのかな。

現実離れした答えが頭の中に浮かぶ。


「おぎゃー、おぎゃー」
「ん?」

浩美は、赤ちゃんの鳴き声で妄想の世界から引き戻された。
扉が閉まろうとしたときに、若いお母さんが子供を連れて入ってきたのだ。
赤ちゃんは虫の居所が悪いのか、しきりに泣きごえをあげている。

「ほ〜ら、電車に乗りましたよぉ」

二十代後半くらいだろうか?
そのお母さんは浩美の目の前の優先座席に座ると、重たそうなかばんの中から哺乳ビンを取り出し手際よくミルクを作った。
どうやら赤ちゃんはお腹を空かせているらしい。

かわいいな……

そんな事を思いながら泣いている赤ちゃんを見ていると、お母さんが

「すいません」

と言って会釈した。

「い、いいえ。赤ちゃん、可愛らしいですね」

そう笑顔で答えた浩美。
赤ちゃんは目の前に現れた哺乳ビンの口を見ると、手で持とうとしていた。
やはりお腹が空いていたのだろう。

「はいはい。すぐにあげますからねぇ〜」

優しい声で話し掛けたお母さんは、哺乳ビンを赤ちゃんの口元に持っていった。
すると、赤ちゃんが口をあけて哺乳ビンの乳首を吸い始めたのだが……

「んあっ!」

何故か浩美が切ない声をあげたのだ。

「どうしました?」
「うっ、んっ。んっ……な、何でも……ないんです。はぁ、はぁ」

とっさに胸を抱きしめる浩美。

な、何っ!?
ち、乳首が……乳首が……す、吸われてる?

赤ちゃんの口の動きに合わせて、浩美の左胸の乳首が吸われているように思える。
まるで、哺乳ビンの乳首と浩美の乳首がリンクしている感じ。

あっ……いやっ……

ゾクゾクッと体に寒気が走る。
かなりきつい吸い込み方は、敏感になっていた浩美の体を異常なまでに刺激した。
これまできわどいところを弄られていたのだが、今、初めて女性としての急所を弄れたのだ。
硬く硬く勃起した乳首。
その乳首に赤ちゃんが吸い付いている。
乳首からミルクを搾り出すように口を動かしている。

「はあ、はあ、はぁ……ふぅ〜ん」

信じられないくらい気持ちいい。
歯の無い赤ちゃんが柔らかい歯茎を使って、そして舌を使って乳首を喜ばせるのだ。

こ、こんなの……こんなのって……はぁ、はぁ……き、気持ちいい……

パンティに付けていた新しいナプキンに愛液が染み込んでゆく。

「んっ、んっ……んっふ……」

胸の下で腕を組んだ浩美が、目を瞑ってその快感に耐えようとしている。

だ、だめっ……そんなにきつく吸い付かないで……あっ、いやっ……し、舌で転がさないで……

そんな事を思っても、赤ちゃんはただミルクが飲みたい一身でやっているだけ。
浩美の声は届かない。

「あの……大丈夫……ですか?」

浩美の異変に気づいたお母さんが、赤ちゃんにミルクを与えながら話し掛けてきた。

「はぁ、はぁ……だ、大丈夫で……す。ふあぁ……」

眉を歪め、息も荒い。
それはまるで、感じる女を見ているかのよう。
少なくても、お母さんにはそう思えたのだ。
ちょっと不信な顔をしたあと、赤ちゃんに視線を移した。

そんな顔で見ないで……んんっ!

下半身が熱い。
このままでは赤ちゃんの愛撫だけで……

そう思った浩美だが……

……んっ……んんんっ!

ピクッ、ピクッと体を震わせた。

……そんな。乳首を舐められただけで……

もちろん見えない手が体を弄っていた事もある……が、浩美は軽くイッてしまったのだ。
浩美は顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに両手で拳を作ってタイトスカートの上に乗せた。

ちょうど赤ちゃんがミルクを飲み終わったようだ。
チュポンと口から外されると、その感触が左胸の乳首に伝わってきた。

んっ……

まさか、こんな電車の中で……
本当に恥ずかしい。
向こうの席へ移動しよう。

そう思って立ち上がり、人気の少ない場所へ移動しようとした浩美に、更なる快感が襲い掛かったのだ。