浅い眠りに入る瞬間。
誰にも起こされたくないと思えるひと時。
浩美は比較的リズミカルな電車の揺れと、心地よい眠気に身を任せていた。
そこまではいつもと同じ。
しかし、今日はどういう訳か別の気持ちよさを感じていた。
ほとんど意識のない状態。でも、浩美は胸に奇妙な違和感を意識した。
まるで、彼氏にでも優しく胸を揉まれている様な……そんな感覚。
この感じはなんだろう……
意識の片隅でそう思っていた浩美だが、しばらくするとハッと目を開けた。
痴漢っ!?
そう思ったのだ。
慌てて俯き、テーラードジャケットの包まれている自分の体を眺める。
そして、周りの様子を伺った。
浩美の隣には、一人分空けて若い女性が座っている。
目の前に立っている女性もいない。
この状況で誰かが胸を揉むなんて事、出来はしないのだ。
「……夢、だったのかしら?」
それにしては、妙にリアリティのある夢だった。
まだ胸には揉まれた感触があるような気がするが、やはり気のせいのようだ。
「…………」
目が覚めてしまった浩美は、う〜んと両腕を上に伸ばして背伸びをすると、車窓を流れる景色に視線を向けた。
この風景からすると、後15分ほどで最寄の駅に着きそうだ。
もう少し眠ろうかな?
そう思った瞬間、浩美の体に異変が起きた。
「ひっ!」
思わず叫び声にも似た小さな声を漏らした浩美は、とっさに両腕で胸を隠した。
理解できない感触。
そう、いきなり胸を鷲掴みにされた感触が浩美を襲ったのだ。
「なっ……に……」
その感触はまだ続いている……いや。感触ではなく、実際に掴まれているのだろうか?
手のひらで乳房を握りつぶすようにして、胸に押し付けてくる。
信じられないが、ジャケットやブラウス、そしてブラジャーを通り越して胸を掴まれている感じがするのだ。
「いっ……やだっ……」
体を丸めて、その「見えざる手」から逃れようとする浩美。だが、その手の感覚が消えることはなかった。
指の形が赤く残るほどきつく掴まれていた乳房はその後、一旦開放された。
しかし、奇妙な事に白いブラジャーのフロントホックが外れ、カップの部分が両脇の下から後ろ追いやられたのだ。
「やっ……ちょっ……」
手を脇に回し、必死にジャケットの上からブラジャーを戻そうとするが、周りの女性客の視線が浩美の行動を制限する。
それをいい事に、また優しく揉まれ始める。
下から両胸を持ち上げてタプタプと震わせたり、円を描くように回されたり。
「っ……」
電車の中、周りには女性客の視線。
こ、こんな事って……ど、どうなってるの??
浩美には全く理解できない。
だから只只、両腕で胸を覆い、必死になって平静な顔を装った。
本当に「人の手」なのだろうか?
それとも、今もまだ夢を見ているのか?
乳房を弄られ初めてから10分ほど。
まだその感覚は消えなかった。
こんなの、気持ち悪すぎる。
どうして……何なの?この感覚……
駅までが異様に長く感じる。
誰かに悟られたらどうしよう。
そう思いながら、じっと俯いて他人の視線から自分を遠ざけた――
誰にも起こされたくないと思えるひと時。
浩美は比較的リズミカルな電車の揺れと、心地よい眠気に身を任せていた。
そこまではいつもと同じ。
しかし、今日はどういう訳か別の気持ちよさを感じていた。
ほとんど意識のない状態。でも、浩美は胸に奇妙な違和感を意識した。
まるで、彼氏にでも優しく胸を揉まれている様な……そんな感覚。
この感じはなんだろう……
意識の片隅でそう思っていた浩美だが、しばらくするとハッと目を開けた。
痴漢っ!?
そう思ったのだ。
慌てて俯き、テーラードジャケットの包まれている自分の体を眺める。
そして、周りの様子を伺った。
浩美の隣には、一人分空けて若い女性が座っている。
目の前に立っている女性もいない。
この状況で誰かが胸を揉むなんて事、出来はしないのだ。
「……夢、だったのかしら?」
それにしては、妙にリアリティのある夢だった。
まだ胸には揉まれた感触があるような気がするが、やはり気のせいのようだ。
「…………」
目が覚めてしまった浩美は、う〜んと両腕を上に伸ばして背伸びをすると、車窓を流れる景色に視線を向けた。
この風景からすると、後15分ほどで最寄の駅に着きそうだ。
もう少し眠ろうかな?
そう思った瞬間、浩美の体に異変が起きた。
「ひっ!」
思わず叫び声にも似た小さな声を漏らした浩美は、とっさに両腕で胸を隠した。
理解できない感触。
そう、いきなり胸を鷲掴みにされた感触が浩美を襲ったのだ。
「なっ……に……」
その感触はまだ続いている……いや。感触ではなく、実際に掴まれているのだろうか?
手のひらで乳房を握りつぶすようにして、胸に押し付けてくる。
信じられないが、ジャケットやブラウス、そしてブラジャーを通り越して胸を掴まれている感じがするのだ。
「いっ……やだっ……」
体を丸めて、その「見えざる手」から逃れようとする浩美。だが、その手の感覚が消えることはなかった。
指の形が赤く残るほどきつく掴まれていた乳房はその後、一旦開放された。
しかし、奇妙な事に白いブラジャーのフロントホックが外れ、カップの部分が両脇の下から後ろ追いやられたのだ。
「やっ……ちょっ……」
手を脇に回し、必死にジャケットの上からブラジャーを戻そうとするが、周りの女性客の視線が浩美の行動を制限する。
それをいい事に、また優しく揉まれ始める。
下から両胸を持ち上げてタプタプと震わせたり、円を描くように回されたり。
「っ……」
電車の中、周りには女性客の視線。
こ、こんな事って……ど、どうなってるの??
浩美には全く理解できない。
だから只只、両腕で胸を覆い、必死になって平静な顔を装った。
本当に「人の手」なのだろうか?
それとも、今もまだ夢を見ているのか?
乳房を弄られ初めてから10分ほど。
まだその感覚は消えなかった。
こんなの、気持ち悪すぎる。
どうして……何なの?この感覚……
駅までが異様に長く感じる。
誰かに悟られたらどうしよう。
そう思いながら、じっと俯いて他人の視線から自分を遠ざけた――