Ts・TS

主にTSFを取り扱った創作物と、
個人的な日記を掲載しています。
掲載している作品は
フィクションです。
実在の人物や団体などとは
関係ありません。

四六時中

四六時中(10)

内股でふらふらした足取り。
乱れた息遣いに切ない喘ぎ声が混じっている。

「あら?どうしたの浩美。こんな時間に」
「はぁ、はぁ……ちょっと気分が……悪くなって」
「大丈夫?浩美が調子悪いって帰ってくるくらいなら相当辛いんじゃない?医者に連れていてあげようか?」
「い、いいのお母さん。休めば治るから」
「そう?顔も赤いし……大分熱があるんじゃない?」
「はぁ、はぁ。だ、大丈夫だって言ってるでしょ。部屋で休むから……入って来ないで」
「……浩美」

何とか家に着いた浩美は、玄関で出迎えた母親に気づかれないよう、二階にある自分の部屋に戻った。

「んっ……あぁっ」

部屋の扉を閉めるなり、絨毯の上に崩れ落ちた浩美。
必死に我慢していたのだが、もう限界。

「イ……イッちゃう……あっ、あっ、あっ……あああっ」

ビクビクと体を震わせ、今まで我慢していた快感を一気に放出したように見える。

「はぁ、はぁ……ああ。だめっ、まだ中で動いてる……そんなに動いたら……ま、またイッちゃうっ」

今、イッたばかりの体は、更に快感を増幅させながら浩美の精神まで犯そうとしていた。
朝から続いている異常に長い愛撫で、自分でも信じられないくらい敏感になっている体。
何をされても、どこを触られても感じてしまう。

「ひっ!あっ、だめぇっ!そ、そんな……あっ、イ、イクッ、イクッ……あああああ〜っ」

両胸の乳首が摘まれ、クリトリスを舐められる。
そして膣の奥深くに潜り込み、グニグニと内部を犯す生暖かい棒。
三箇所を同時に攻められ始めた浩美は、十秒もしないうちに二回目の絶頂を迎えてしまった。
それでも尚、攻撃は続いた。
服を着たまま絨毯の上で俯けに寝転び、その快感に身悶える浩美。
中途半端に足を開き、時折ピクッ、ピクッとお尻を震わせる。
そして、匍匐全身するように両腕を前に出し、絨毯の毛を握り締めた。
頭を横に向け、喘いでいる欲情した表情。
半開きの口からは、涎の筋が止まらない。

「ああっ!い、いやあ〜。も、もうっ……やめてぇ。あっ、あっ、だ、だめぇっ!」

浩美は目をギュッと瞑ると、体全体に力を入れた。

「んんん〜っ!」

またイッてしまったのだ。
ナプキンでは吸い取りきれない愛液がパンストに、そしてタイトスカートの生地へと染み込んでゆく。
もう理性ではどうにもならないレベル。
だが、三箇所同時攻めは収まる気配がなかった。
頭の中が真っ白になり、体に力が入らない。

「はあっ、はあっ、はあっ……ふああっ!」


……もう何度イッただろう。
それすら数えることが出来なかった。
部屋に戻ってきてから三十分。
休むことなく犯される体。

「いや……も、もう……許して……」

声が枯れて出ない。
酸素過多になりそうだ。
苦しくて息が出来ない。

「た、助けて……お、お母さ……ん……うっ……ぁぁっ!!」

膣内で、一際激しくピストン運動を始める。
喘ぎ声さえ出せなくなった浩美は、ビクビクッと体を震わせると涎を垂らしたまま失神してしまった。
全身の力が抜け、まったく動かなくなってしまった。
そんな状況でも、浩美は夕方ごろまで犯され続けていたのだった――




ピク……ピク……

浩美の指が動いた。
どうやら意識を取り戻したようだ。
ゆっくりと腕が動いた後、よろよろと体を起こして立ち上がる。
しかし、どういうわけか浩美は目を覚ましていなかった。
ダランと頭を垂らした状態。まるで操り人形のように、誰かに動かされているように見える。
そのまま椅子に座り、たどたどしい手つきで机の上にノートを広げ、ボールペンを持って字を書き始めた。
その内容は、『私は会社を辞めます。辞めない場合はずっと犯され続けても構いません』だった。
その後、浩美の自体ではない文字で名前を添えると、机の上に体を預けたまま動かなくなってしまったのだ――





次の日……

浩美は会社に出てこなかった。
その代わりに、母親が浩美の「辞表」を持って現れたのだ。
何があったのかは分からないが、とにかく会社を辞めたいという事。
浩美が布団の中に入り込んだまま顔を出さなかったので、母親には全く分からなかった。

「何があったんでしょうな。吉原さんは有能な課長だったのに」
「……私にも分からないんです。会社で何かあったのでしょうか?」
「さあ。私は知りませんな」
「そうですか……」

部長に浩美の辞表を手渡し、ほんの少しだけ話をした母親は、軽く会釈すると家に帰った。


「ふん。辞表も自分で持って来れんとはな」

何も知らない部長は、机の上に辞表を置くと椅子に座ってゆっくりと目を瞑った――



「宮崎係長!俺、もう最高っすよ!」
「たまらんだろ」
「はい。今もこうやって吉原課長を犯していると思うと」
「おい、大きな声を出すなよ」
「あ、す……すいません。でも、本当に……最高ですよね」
「そうだろ。あの吉原課長も、お前の巨根に突かれたらさぞ気持ちいいだろうさ」
「それにしてもすごいですね。どうしてこんな事が出来るようになったんですか?」
「さあな。俺にも分からないが、できるようになったのは仕方がないじゃないか。この俺の手の中にある感触。
吉原課長の胸は本当に柔らかいぞ。そしてこの口の中にあるコリコリとした硬さ。感じまくっている証拠だな」

宮崎は口の中で舌を転がし、浩美の乳首を愛撫していた。
全ては宮崎の仕業。
宮崎が超能力を使って浩美を犯し続けているのだ。
そして、その超能力を数人の部下に反映させ、手伝わせていた。

浩美の体には、男性達の無数の手と舌が這い回っている。
色々な肉棒が、順番に浩美の膣を犯し続けた。

家では、ベッドの中で快感地獄に堕ちた浩美が四六時中悶え苦しんでいるのだ。

「あひっ!あひっ!い、いいっ……そんなに奥までっ!あっ、い、イッちゃうっ。い、いやあっ!」

声にならない声を上げながら、絶頂と失神を繰り返す。
部屋中に異様な匂いを漂わせ、ひたすらイキ続ける浩美を見た母親が救急車を呼んだときには、もう遅かった。
精神的にも犯されてしまった浩美は、二度と世間の前に姿を見せる事はなかったのだ――




「宮崎課長。これでいいですか?」
「ん?どれどれ……よし。この資料で発表しろ」
「はい」

しばらくして、宮崎は課長に昇進した。
ほとんどの部下が、そうなるべきだと思っていたようで特に混乱はなかった。
しかも、宮崎が昇進するために協力した男子社員たちは尚更喜んでいるようだ。

「宮崎課長」
「なんだ?」
「あの、ちょっと躾をしてほしい女子社員がいるんですが」
「んん?誰だ?」
「二つ隣の席に座っている○○ 三代子です」
「ああ、あいつの態度にはちょっとムカついてたんだ。よし、躾をしてやるか」
「ありがとうございます」
「よし、お前が躾をしてみろ。ほら、手を出せ」
「は、はい」

こうして、男性社員の手に超能力を反映させる。
すると……

「きゃっ!」

急に胸を揉まれた感じがした三代子が、ビックリしたような声を上げながら胸を抱きしめた。

「どうした?」
「……な、何でもない……です」

恥ずかしそうに、顔を真っ赤にした三代子を見て、宮崎と男性社員が含み笑いをする。

あっ……な、何?む、胸が……

「はぁ、はぁ……んっ…んんんっ!」

こうして宮崎は、超能力と男子社員を使って女子社員たちへの『見えないセクハラ』を続けたのだった。
もちろん、一年も経たないうちに宮崎の課から女子社員の姿が消えたことは言うまでもない。

おわり

四六時中(9)

「さて、この契約についてですが」
「ええ」

宮崎は得意先の会社に出向き、説明しているところだった。

「この部分については……ふぅ」
「どうしましたか?」
「いや、何でもありません。それにしても……」
「それにしても?」
「いや、申し訳ない。こちらの事です。続きですが……」

もうグチョグチョじゃないか。
しっかりと絡み付いてきて、何とも言えん気持ちよさだ……

担当者に説明しながら、そんな事を思った宮崎。
テーブルの下、スラックスの中では、四十代後半には見えないほどの一物がそそり立っていた――



「んあああ!」

その感覚に、たまらず喘いだ浩美は扉近くの金属の棒にしがみついた。
何かが膣の中に入り込んでくる。
それは、生暖かくもとても硬い棒のようなものだった。
それが何だか、想像しなくても分かる。

いやっ、だめぇ!

膝を軽くまげて、片手でタイトスカートの上から股間を押さえるが、その侵入を阻止する事は出来ない。
膣壁を開きながら、奥へ奥へと入り込んだ……男の肉棒は、子宮口に当たって止まった。

膣がヒクついている。

「あうっ!」

肉棒は止まったままなのだが、今度は見えない手が直接乳首を摘み、弄くり始めた。
近くの椅子に倒れるように座った浩美は、体を抱きしめながらその快感に抵抗した。

いやっ、いやっ!こんなところで……そ、そんな事しないでっ!

言葉に出したい事を心の中で叫ぶ。
硬く勃起した乳首が摘まれ、指の腹でねじられる。

「はぁ、はぁ、はぁ……あっ……ひうっ」

見えない者に犯される。
それは恐怖としか思えないのだが、今の浩美はもはやそういう状況ではなかった。
まだ浩美の住んでいるワンルームマンションの近くの駅までは十分ほどある。
女性専用車両には先ほどの赤ちゃんを連れたお母さんを含めて、十五人ほど乗っていた。
その女性たち全員の視線が浩美に向けられているのだ。

み、見ないでっ!
私を見ないでっ!

「んっ、んっ……はっ……うぅっ」

人差し指をギュッと噛み、声が漏れないようにする浩美。
必死に耐えているのだが、先ほど軽くイッてしまった体は、更なる快感を求めようと加速するのだった。
肉棒は子宮口まで入り込んだまま動かないのだが、乳首は執拗に攻められている。

も、もう耐えられないっ……このままじゃ……ま、またイッちゃう!

そう思ったとき、電車の扉が開いた。
家への最寄の駅まではまだ二つあるが、もうこれ以上痴態を見られたくない。
気力を振り絞りながら、よろよろと電車を降りた浩美は、内股の足を震わせながら改札口を出た。
そして、ターミナルに停まっていたタクシーに乗りこみ、運転手に家の場所を伝えた。

「ううっ………んっ。か……神栗町十二丁目……はぁ、はぁ……んっ」
「は、はい……」

後部差席に座り、悩ましげな声で指示した浩美をルームミラーで確認した運転手は、その艶っぽく体をくねらせる仕草にドキドキしながら車を発進させた。
はぁはぁとセクシーな息遣い。
太ももをギュッと閉じて、股間を押さえる手。

「あっ……ああ」
「お、お客さん……だ、大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ、はぁ……ぁっ」
「…………」

運転手はいやらしい想像をしながら、ルームミラー越しにチラチラと浩美を見ていた。

まさか……バイブをアソコに入れてたりして。それで悶えているのか?

そんな事を聞くわけにも行かない運転手は、時折聞こえる「あっ、んんっ」という喘ぎ声に悶々としながら浩美を家まで送ったのだった――

四六時中(8)

「偉そうな口利いてくれちゃって。まあ、時期に俺が課長になるんだからな」

資料を整理しながら課長になった時のことを考える。
俺なら部下たちも納得するはずだ。
吉原浩美よりうまく部下を使える。
なんたって、係長として長い間、部下たちの面倒を見てきたのだから。

「折角だから吉原クンには気持ちよく会社を辞めてもらわねばな」

ビジネスバッグに資料を詰め込んだ宮崎は、ネクタイを直しながら得意先の会社へと向かった――




泣いた後、少し赤く腫れた目が恥ずかしい。
そう思いながら浩美は電車に乗った。
女性専用車両じゃなくてもほとんど男性はいないが、今も体を弄られている状態が続いている。
その車両にこだわる意味はないのだが、浩美は女性専用車両の端、優先座席と対面になる長椅子に座った。
宮崎に仕事を押し付けた事で気持ちが少し落ち着くと、少し体の疼きを意識してしまう。
今は足の指を1本ずつ丁寧に舐められている。
どうすればこんな事が起きるのだろう?
異常な事には違いないが、浩美はなぜか冷静に考えていた。


まるで超能力者に弄ばされているみたい。
それか、何時の間にか催眠術に掛けられて、体が疼くように仕込まれたのかな。

現実離れした答えが頭の中に浮かぶ。


「おぎゃー、おぎゃー」
「ん?」

浩美は、赤ちゃんの鳴き声で妄想の世界から引き戻された。
扉が閉まろうとしたときに、若いお母さんが子供を連れて入ってきたのだ。
赤ちゃんは虫の居所が悪いのか、しきりに泣きごえをあげている。

「ほ〜ら、電車に乗りましたよぉ」

二十代後半くらいだろうか?
そのお母さんは浩美の目の前の優先座席に座ると、重たそうなかばんの中から哺乳ビンを取り出し手際よくミルクを作った。
どうやら赤ちゃんはお腹を空かせているらしい。

かわいいな……

そんな事を思いながら泣いている赤ちゃんを見ていると、お母さんが

「すいません」

と言って会釈した。

「い、いいえ。赤ちゃん、可愛らしいですね」

そう笑顔で答えた浩美。
赤ちゃんは目の前に現れた哺乳ビンの口を見ると、手で持とうとしていた。
やはりお腹が空いていたのだろう。

「はいはい。すぐにあげますからねぇ〜」

優しい声で話し掛けたお母さんは、哺乳ビンを赤ちゃんの口元に持っていった。
すると、赤ちゃんが口をあけて哺乳ビンの乳首を吸い始めたのだが……

「んあっ!」

何故か浩美が切ない声をあげたのだ。

「どうしました?」
「うっ、んっ。んっ……な、何でも……ないんです。はぁ、はぁ」

とっさに胸を抱きしめる浩美。

な、何っ!?
ち、乳首が……乳首が……す、吸われてる?

赤ちゃんの口の動きに合わせて、浩美の左胸の乳首が吸われているように思える。
まるで、哺乳ビンの乳首と浩美の乳首がリンクしている感じ。

あっ……いやっ……

ゾクゾクッと体に寒気が走る。
かなりきつい吸い込み方は、敏感になっていた浩美の体を異常なまでに刺激した。
これまできわどいところを弄られていたのだが、今、初めて女性としての急所を弄れたのだ。
硬く硬く勃起した乳首。
その乳首に赤ちゃんが吸い付いている。
乳首からミルクを搾り出すように口を動かしている。

「はあ、はあ、はぁ……ふぅ〜ん」

信じられないくらい気持ちいい。
歯の無い赤ちゃんが柔らかい歯茎を使って、そして舌を使って乳首を喜ばせるのだ。

こ、こんなの……こんなのって……はぁ、はぁ……き、気持ちいい……

パンティに付けていた新しいナプキンに愛液が染み込んでゆく。

「んっ、んっ……んっふ……」

胸の下で腕を組んだ浩美が、目を瞑ってその快感に耐えようとしている。

だ、だめっ……そんなにきつく吸い付かないで……あっ、いやっ……し、舌で転がさないで……

そんな事を思っても、赤ちゃんはただミルクが飲みたい一身でやっているだけ。
浩美の声は届かない。

「あの……大丈夫……ですか?」

浩美の異変に気づいたお母さんが、赤ちゃんにミルクを与えながら話し掛けてきた。

「はぁ、はぁ……だ、大丈夫で……す。ふあぁ……」

眉を歪め、息も荒い。
それはまるで、感じる女を見ているかのよう。
少なくても、お母さんにはそう思えたのだ。
ちょっと不信な顔をしたあと、赤ちゃんに視線を移した。

そんな顔で見ないで……んんっ!

下半身が熱い。
このままでは赤ちゃんの愛撫だけで……

そう思った浩美だが……

……んっ……んんんっ!

ピクッ、ピクッと体を震わせた。

……そんな。乳首を舐められただけで……

もちろん見えない手が体を弄っていた事もある……が、浩美は軽くイッてしまったのだ。
浩美は顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに両手で拳を作ってタイトスカートの上に乗せた。

ちょうど赤ちゃんがミルクを飲み終わったようだ。
チュポンと口から外されると、その感触が左胸の乳首に伝わってきた。

んっ……

まさか、こんな電車の中で……
本当に恥ずかしい。
向こうの席へ移動しよう。

そう思って立ち上がり、人気の少ない場所へ移動しようとした浩美に、更なる快感が襲い掛かったのだ。

四六時中(7)

廊下をすれ違う社員たちは、不思議そうな顔で走ってゆく浩美を見ていた。
女子トイレの個室に駆け込み、泣き崩れる。

「ヒック、ヒック……」

よほどつらかったのだろうか?
浩美は10分ほど泣き続けていた。
体を弄る手や舌の感覚は依然として続いているが、精神的に傷つけられた浩美はこの状況で意識しなかった。
フタのされている様式便座に座り込み、ショルダーバッグのポケットに入っていたティッシュで涙と鼻水をふき取る。

「どうしてあんなひどい事を……」

ニヤニヤ笑っている宮崎の顔。
そして、他の社員たちの冷やかすような眼差しやいやらしい笑み。
それらを思い浮かべると、悲しみと悔しさが同時に込み上げて来た。

「悔しい……絶対に許せないわ。訴えてやる。セクハラで訴えてやるわ!」

そう決意した浩美は、ショルダーバッグに入れていた下着を身に着けた。
ナプキンも新しい物に張り替える。

「宮崎係長……きっと私が先に課長に昇進したから嫌がらせをしているんだわ」

そう呟いた浩美。
もしかしたら、今も乳房を弄ぶ「見えない手」も宮崎の仕業かもしれない。
そんな風に思えてきた。

「どうやっているのかは分からないけど、きっとこれも……」

確信は無く、単に浩美が思いこんでいるだけなのだが、そう考えると更に怒りが込み上げて来た。
あの宮崎に体を弄られていると想像すると、気持ち悪くて仕方が無い。
かといって、見えない手を払おうとしても掴めない。

「気持ち悪い……」

ふと腕時計を見ると、思ったより時間が経っている。
得意先に出向かなければならないのだが……

「…………」

浩美は携帯電話を取り出すと、宮崎の外線電話にかけた。

「もしもし。○○会社ですが」
「宮崎ね」
「その声は吉原課長ですか」
「そうよ」

浩美は、初めて宮崎係長のことを「宮崎」と呼び捨てた。

「大丈夫ですか?今どこにいるんですか?」
「そんな事、宮崎には関係ないわ。それよりも今日、私が得意先に行く予定だったの、知ってるわよね」
「え、ええ。もちろん。私もそれくらいのスケジュールは管理していますよ」
「私の代わりに宮崎が行って」
「ええっ?私がですか?し、しかし私はやらなければならない事が」
「命令よ」
「えっ……」
「命令だと言ったの。分からない?」
「い、いえ……それは……」
「課長の命令なんだから従いなさい。ちゃんと契約の話をしてくるのよ。分かった?私は気分が悪いから今日は早退するわ」
「…………」
「分かった?宮崎っ」
「……わ、分かりましたよ。じゃあ私が行って来ます」
「ヘマしたら減給にするからね」
「げ、減給って……わ、分かりました」
「じゃ、よろしく」

そういうと、浩美は電話を切った。
電源も切って通じないようにするとトイレの鏡で身なりをチェックし、会社を後にしたのだった――

四六時中(6)

はぁ、はぁ、はぁ……

こうやって歩いている最中でも、見えない手が快感を高ぶらせる。
気持ち悪いなんて感覚はもうまったく無かった。
愛撫される気持ちよさと、他人に知られたくないと言う理性の狭間を揺れ動く浩美。

ぅっ……はぁ……ぅぅ……

乳首が硬く勃起し、滑らかなブラウスの生地に擦れる。
触られなくても、こうやって歩いているだけでブラウスが刺激するのだ。

「んっ……ふぅっ」

ふらつきながらも、やっとオフィスにたどり着いた浩美。
すると、社員たちは浩美を見てクスクスと笑っていた。
男性社員はいやらしい目つきで浩美を見ている。

「…………」

感じていても、顔には出していないはず。
身なりだっておかしなところは無い。
社員たちの視線を痛いほど浴びながら机の前に歩いてきた浩美は、言葉にならない声をあげた。

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四六時中(5)

「ではこれから会議を始める」

部長のこの一言で会議は始まった。
廊下を歩き、突き当りを右に曲がった四つ目の会議室。
外の光は一切入らず、ライトグレーの大きな円いテーブルが蛍光灯の白い光に照らされていた。
そのテーブルには十個の椅子が並べられてあり、それぞれの椅子には部長を始め、他の課から集まった課長クラスの社員が座っていた。
もちろん、浩美と宮崎も。
誰も話さなければ、本当に静かな会議室。

「じゃあ奥田課長から始めてくれ」
「はい。それでは……」

声が少し響いて聞こえる感じで、部長の隣に座っていた奥田課長の説明が始まった。
全員に同じ資料が配られ、それを見ながら説明を聞く事になっている。
浩美の前にも、今説明をしている奥田課長や他の課長たちの資料が置いてあった。

机に肘を突き、その資料を両手で持つ浩美の息遣いはいつもと少し違う。
緊張して高揚しているのではなく……

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四六時中(4)

「おはようございます」

広々としたオフィススペースには、10個くらいの事務机が5×2の島となって幾つか並んでいる。
窓際、その島の向こうに少し大きめの机が1つずつ並んでいた。
その中の1つが課長となった浩美の机だ。
先月までは他の社員たちと同じく、手前にある机の島に座っていた浩美にとっては、周りが広く見渡せる課長のスペースに開放感を感じていた。
ただ、見渡せると言う事は他の社員からも見る事が出来るのだ。
今の浩美にとっては、それが嫌だった。

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四六時中(3)

最寄の駅に着いた浩美は、真っ先に女子トイレへと駆け込んだ。
兎に角、何がどうなっているのかを確かめなければならない。

息を切らせながらトイレの個室に入ると、ショルダーバッグを様式便器のフタの上に置いてテーラードジャケットの三つボタンを外す。
そして、白いブラウスのボタンを外すと、恐る恐るブラウスの生地を左右に開いてみた。

「なっ……」

予想していたとおり……というか、そこには異様な光景が広がっていた。
浩美の乳房は、まるで透明な手に揉まれているかのような動きをしていたのだ。
その乳房のへこみ具合から、数本の指だと判断できる。
そして、最初に思い切り掴まれたところが、少し赤くなっているのが分かった。

「ど……どうなってるの?」

自分の手で胸を抑えてみる。しかし、浩美の手とは関係なく胸が動いていた。
まるで透明人間に揉まれている様な雰囲気だが、その見えない手には実体がなく、浩美の手でその動きを止める事が出来ない。

「い、いや……」

ぎゅっと上半身を抱きしめた浩美。
腕の中で、まだ揉まれている二つの胸。
今の浩美には、この状況をどうする事も出来なかった。

「やだ……このまま会社に行かなければならないなんて……」

この状態で会議に出席、そして得意先へ出張しなければならないと思うと冷静さを保つ事なんて出来ない。

「病院……だめ、こんなの見せられない」

浩美にとっては、誰かに相談できるような内容ではない。
ましてや、男性に医者にこの状況を見せるなんて事、浩美の理性が許さなかった。
そう。彼女の性格からして、今の状況を隠し通すしかないのだ。

「…………」

歪にたわむ胸を見つめてぎゅっと目を瞑った後、後ろに回されたブラジャーを付け直す。
そして、ブラウスとジャケットのボタンを留めた。

「どうしよう……」

身なりを整え、ショルダーバッグを肩に掛けた浩美は、少し前かがみになりながら女子トイレを後にした。
その浩美の足取りはとても重かった――

四六時中(2)

浅い眠りに入る瞬間。
誰にも起こされたくないと思えるひと時。
浩美は比較的リズミカルな電車の揺れと、心地よい眠気に身を任せていた。
そこまではいつもと同じ。
しかし、今日はどういう訳か別の気持ちよさを感じていた。
ほとんど意識のない状態。でも、浩美は胸に奇妙な違和感を意識した。
まるで、彼氏にでも優しく胸を揉まれている様な……そんな感覚。

この感じはなんだろう……

意識の片隅でそう思っていた浩美だが、しばらくするとハッと目を開けた。

痴漢っ!?

そう思ったのだ。
慌てて俯き、テーラードジャケットの包まれている自分の体を眺める。
そして、周りの様子を伺った。
浩美の隣には、一人分空けて若い女性が座っている。
目の前に立っている女性もいない。
この状況で誰かが胸を揉むなんて事、出来はしないのだ。

「……夢、だったのかしら?」

それにしては、妙にリアリティのある夢だった。
まだ胸には揉まれた感触があるような気がするが、やはり気のせいのようだ。

「…………」

目が覚めてしまった浩美は、う〜んと両腕を上に伸ばして背伸びをすると、車窓を流れる景色に視線を向けた。
この風景からすると、後15分ほどで最寄の駅に着きそうだ。
もう少し眠ろうかな?
そう思った瞬間、浩美の体に異変が起きた。

「ひっ!」

思わず叫び声にも似た小さな声を漏らした浩美は、とっさに両腕で胸を隠した。
理解できない感触。
そう、いきなり胸を鷲掴みにされた感触が浩美を襲ったのだ。

「なっ……に……」

その感触はまだ続いている……いや。感触ではなく、実際に掴まれているのだろうか?
手のひらで乳房を握りつぶすようにして、胸に押し付けてくる。
信じられないが、ジャケットやブラウス、そしてブラジャーを通り越して胸を掴まれている感じがするのだ。

「いっ……やだっ……」

体を丸めて、その「見えざる手」から逃れようとする浩美。だが、その手の感覚が消えることはなかった。
指の形が赤く残るほどきつく掴まれていた乳房はその後、一旦開放された。
しかし、奇妙な事に白いブラジャーのフロントホックが外れ、カップの部分が両脇の下から後ろ追いやられたのだ。

「やっ……ちょっ……」

手を脇に回し、必死にジャケットの上からブラジャーを戻そうとするが、周りの女性客の視線が浩美の行動を制限する。
それをいい事に、また優しく揉まれ始める。
下から両胸を持ち上げてタプタプと震わせたり、円を描くように回されたり。

「っ……」

電車の中、周りには女性客の視線。

こ、こんな事って……ど、どうなってるの??

浩美には全く理解できない。
だから只只、両腕で胸を覆い、必死になって平静な顔を装った。
本当に「人の手」なのだろうか?
それとも、今もまだ夢を見ているのか?

乳房を弄られ初めてから10分ほど。
まだその感覚は消えなかった。
こんなの、気持ち悪すぎる。

どうして……何なの?この感覚……

駅までが異様に長く感じる。
誰かに悟られたらどうしよう。
そう思いながら、じっと俯いて他人の視線から自分を遠ざけた――

四六時中(1)

久しぶりに超能力ネタを書こうと思いました。
なかなか他のジャンルでのネタが思い浮かばなくて(^^
気分転換です。


四六時中(1)

毎日恒例の満員電車。
いつの日か、運転手つきの高級車で通勤できるようになりたい。
そんな事を思いながら、吉原浩美は他の女性と共に女性専用車両に乗り込んだ。
ネイビーのテーラードジャケットに、お揃いの色のタイトスカート。
ライトブルーのカラーブラウスの襟をジャケットの上に出して、爽やかな雰囲気を漂わせている。
肩から提げている小さめの茶色いショルダーバッグが潰れそうなほどの混雑を鬱陶しく思いながら、彼女は他の乗客と共に電車に揺られ始めた。この混雑も15分ほど過ぎれば、座れるくらいに乗客も少なくなる。
それまでの辛抱だ。

浩美はショルダーバッグを握り締めながら、目の前にある吊り広告を眺めた。
女性誌の広告で、今流行のブランドアイテムを紹介するという記事。

あのブランドの服が欲しいな。今月の給料で買えるかしら?

欲しいものはたくさんある。
そして、今の浩美にはそれらを買う余裕が出来始めていた。

今月は幾らもらえるのかな?ちょっと楽しみ!

そんな事を思いながら、別の吊り広告に目を移した。


――浩美は、今月初めに辞令を受けた。
女性にしながら課長というポスト。いや、女性にしながらと言うのは偏見だが、男女平等になったとはいえ、そう言いたくなるくらい珍しいと言う事だ。
しかも、まだ28歳と言う若さ。そんな彼女の下には、女性社員を含めて15人ほどの社員が付く事になる。中には30代、いや40代で家庭を持つ男性社員もいる。そんな中で彼女が課長になれたのは、もちろん仕事の能力が長けていたから。残業や休日出勤して仕事をこなすのではなく、効率的に仕事を行える事が評価されたようだ。また、浩美のほっそりとした顔立ちにダークブラウンの少しカールがかったセミロングの髪は、美人と呼ばれる部類に入る。身長168センチ、上から89、56、85センチというスタイルもモデルに引けを取らないだろう。そんな彼女の容姿が、他企業に対して優位な契約を容易に結ばせる1つの武器でもあった。もちろん、その体を使って担当者を落したわけではないのだが。

着実に成果を上げ、先々月には特に大きな契約を結んだ浩美に対しての報酬が、係長を飛ばしての課長というポストだった。
現係長を含め、他の社員達は浩美が課長というポストに付く事を、納得せざるを得なかった。それだけの仕事をしているのだから。でも、だからと言って「はいそうですか」と頷ける社員ばかりではない。
年功序列という制度がまだ残っている会社は多い。そして、順番からして次は自分だと思っている社員だって少なからず存在する。そんな社員は、浩美が課長になることを望んではいないのだ。

能力主義と言えでも、俺達はこの会社のために長年頑張ってきたじゃないか。
それなのに、ちょっと仕事が出来るからっていきなり課長かよ!

そんな声が密かに囁かれている事に、浩美は気づいていなかった。
更に、課長となった浩美は部下に対する要求が厳しいのだ。
他の社員が自分と同じように出来ると思っているのかもしれないが、特に年上の男性社員に対しては厳しい事を要求している。

「これくらい出来るでしょ。だって私よりずっと長い間働いているんだから」
「あ、ああ。す、すいません。吉原課長」

年下の女性に見下されるなんてな……

こんな会話がオフィス内に聞こえてくるのだった――



「ふぅ」

多くの乗客が雪崩のようにホームへと流れてゆく。
ようやく混雑から開放された浩美は、空いた長椅子に腰掛けるとショルダーバッグをタイトスカートの上に置いて中から黒いスケジュール帳を取り出した。

「今日の予定はどうだったかしら?」

アナウンスの後、電車が動き出すのと同時にスケジュール帳を開く。
今日は9時30分から会議が入っている。そして、その後は得意先へ出向いての打ち合わせ。

今日はそれほど忙しくないわね。

そう思った浩美はスケジュール帳を仕舞うと、自分の横にショルダーバッグを置いた。もちろん、盗まれないように肩紐に腕を通しておく。
会社の最寄の駅までは、まだ30分ほどある。
浩美はいつものように、この時間を利用して仮眠を取り始めた。

そんな浩美に怪しげな視線を送る男性が一人。
女性専用車両の隣の車両からじっと見つめていた男性は、不敵な笑みを浮かべた。
そしてこの後、信じられないような事が浩美を襲い始めるのだった――
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