Ts・TS

主にTSFを取り扱った創作物と、
個人的な日記を掲載しています。
掲載している作品は
フィクションです。
実在の人物や団体などとは
関係ありません。

どっちを選ぶの?

どっちを選ぶの?(その6)

――結局くるみを選んだ裕介。
後ろめたい気持ちもするけど、これでよかったんだ。
そう思いながら家の玄関をくぐった。
靴を脱ごうと足元を見ると、始めてみる靴が並べてある。

「あら、お帰り。あんたにお客さんが来てるよ」
「えっ、誰?」
「さあ。見たことないけど、あの制服はめぐみと同じだから。一緒の学校なんでしょ」
「めぐみと同じ?誰だろう」

とりあえず裕介は靴を脱いで、2階の自分の部屋に入った。
そこには、机に向かって座っている女の子がいた。
たしかにめぐみと同じ制服。でも、めぐみではなかった。
しかしこの後姿、見たことがある。

「あの」

裕介は恐る恐る声をかけた。
続きを読む

どっちを選ぶの?(その5)

とりあえず、バレンタインデーのお返しをしなければいけないと思った裕介は、二人分のホワイトチョコを学校に持っていった。
どちらも同じチョコレート。
結論が出ていない裕介には、こうするしかなかった。
裕介は1時限目の休み時間にのぞみに会い、放課後に校舎の裏まで来てほしいと頼んだ。そして、くるみには別の休み時間に同じく放課後、校舎の裏まで来てほしいとお願いした。
二人からOKの返事をもらった裕介は、自分の鼓動で体が震えそうになるのを感じながら授業を受けていた。

「どうしよう……どうしよう……」

絶対どちらかが傷つくのは目に見えて分かっている。
でも、こんなチャンスは二度と無いと確信していた。
今回を逃すと、もう付き合ってほしいなんて言ってくれる人はいないだろう。
裕介の心は揺れ動いていた。

「どっちにしよう。ああ、どうして一度に二人も……」



キーンコーンカーンコーン!



今日最後の授業が終わった。
とうとう来るべきときがやってきた。

覚悟を決められないまま、同じクラスのくるみよりも先に校舎の裏に向かう。

「ま、まずいよ。まだ決まらない」

校舎裏に着いた裕介は、頭がパニックになりそうだ。
しかし無情にも、のぞみの姿が目の前に現れた。



「裕介さん」
「や、やあ。のぞみちゃん」
「私、この1ヶ月がとても長く感じました。でも、やっとこの日が。なんか、心臓が飛び出しちゃいそう」

のぞみは両手を胸に当てながら裕介を見つめていた。

「のぞみちゃん。あ、あのね……」
「ごめーん。待ったぁ?」

話を切り出そうとしたところに、くるみがこちらに走ってきた。
裕介の顔が青ざめる。

「はぁ、はぁ。ちょっと優子につかまっちゃってさ。遅くなっちゃった。あれ、この子は?」

のぞみに気付いたくるみが裕介に問い掛けた。

「裕介さん。この人は?」

のぞみも裕介に問い掛ける。
裕介はクラクラとめまいがしてきた。

「あ、あの。実は……」

二人の視線が裕介に降り注がれている。

「バ、バレンタインデーのときに……二人からチョコレートをもらったんだ」
「やっぱり。この子だったの、あの日の朝にチョコをもらったのは。でも裕介はもらわなかったって言ったじゃない」
「あ、あれは……みんなにバレたくなかったから」
「そんな。私の事、みんなにバレるのいやだったんだ」
「あっ、のぞみちゃん。そ、そう言うわけじゃなくて……」
「だったらどういうわけだったのよ。二股かけようと思ったの?」
「ち、違うんだよ。そうじゃないんだ」
「……それなら最初から受け取ってほしくなかった……」

のぞみが今にも泣き出しそうな顔をしている。

「の、のぞみちゃん、待ってよ。違うんだって」
「私……私……ヒック、ヒック」

とうとうのぞみが泣き出してしまった。

「はぁ〜。私もチョコ渡すんじゃなかったなあ」
「く、くるみ。そ、そんな・・・」
「結局どっちにするか決めれなかったんでしょ」
「…………」
「このままじゃ、この子もかわいそうだよ。今ここでどっちと付き合うか決めてほしいんだけど」
「い、今!?」
「だって、私も裕介の事……好きなんだもん」

その言葉を聞いたのぞみは、急に走って行ってしまった。

「の、のぞみちゃん!」

とっさに後を追おうとする裕介。
でも、なぜか足を踏みとどめてしまった。

「……追いかけなくてもいいの?」
「……うん」
「どうして?」
「今……答えが出たから」
「どんな答え?」
「…………」

裕介は無言でカバンを開けた。
そして、箱に入ったチョコレートを一つ取り出した。

「……はい」

くるみに差し出す裕介。

「えっ!」
「これ、受け取ってよ」
「…………」

箱を手に取ったくるみ。

「いいの?私がもらっても」
「うん」
「あの子の事はどうするの?」
「……断るよ。って言っても、もう分かってると思うよ」
「裕介……」

くるみは裕介にギュと抱きついた。

「ちょ、ちょっと。恥ずかしいよ」
「いいのっ!ちょっとだけこのままがいいのっ」


裕介はくるみの肩に手を置いて、そっと抱きしめた――。

どっちを選ぶの?(その4)

「へへっ、全部見ちゃった」
「め、めぐみっ!」
「よかったね、お兄ちゃん。初めてバレンタインデーにチョコもらったんだ。それも2つ!」
「お、おまえ、いつの間に……」
「お兄ちゃんが部屋に入った後すぐだよ。お兄ちゃんたらそわそわして私の事、ぜんぜん気付かないんだから」
「盗み見したのか」
「失礼ね。一緒に見てあげただけじゃないの」
「何言ってるんだよ。それを盗み見っていうんだろ」
「そんなのどうだっていいでしょ。でも大変だね。一度に二人から告白されちゃって。どうするの?」
「そ、そんなの今すぐには分からないよ。まだ1ヶ月あるんだ。ちょっと考えるさ」
「ふーん。そっか。あのね、のぞみって私とおんなじクラスなんだよ」
「えっ、そうなの」
「そうなのって、妹のクラスくらい覚えときなさいよ。のぞみってすごくかわいいでしょ。クラスでも男子生徒から人気があるんだよ」
「そ、そう」
「だけどね、今日は他にチョコレート渡してなかったんだ。だから、きっとお兄ちゃんだけに渡したんだと思うよ」
「…………」
「一途だよね、のぞみって。お兄ちゃん、告白断ったらのぞみ死んじゃうかも」
「お、脅かすなよっ」
「ふふっ、冗談よ、冗談。私から言ってあげようか?お兄ちゃんには別に好きな人がいるって」
「い、いいよ。まだ誰って決めたわけじゃないか」
「そっか。でも、早いうちにどっちかに決めてる方がいいと思うよ」
「わ、分かってるよ、そんな事」

そうは言っても、今までこんな事経験したことがないからどうしたらいいのか分からない。

どっちも付き合う?

いや、それは出来ないだろう。
付き合った事が無いのだから、断った事なんてあるはずがない。
だからどうやっって断ればいいのか検討がつかない。
でも、「のぞみ」か「くるみ」。どちらかを断らなくてはならない。

「はぁ。どうしたらいいんだ……」

結論が出ないまま1ヵ月。
とうとうホワイトデーを迎える事になった。

どっちを選ぶの?(その3)

自分の部屋に戻った裕介は、早速カバンからラッピングされた2つの箱を机の上に取り出した。
どちらもかわいいリボンが結ばれている。
椅子に座って大きく息を吸い込んだ後、まず女子生徒からもらった小さな箱から開けてみた。箱の中には、ハート型の小さなチョコレートが数個入っていて、小さく織り込まれた白い紙も同梱されていた。

「ん?これは」

心なしか震える手で、破かないようにゆっくりと紙を広げると、そこには女の子の可愛らしい文字が綴られていた。
続きを読む

どっちを選ぶの?(その2)

その日の授業は全く聞いていなかった。
カバンの中に押し込んだ彼女からもらった小さな箱。
やはりチョコレートなんだろうか?

「みんなに気付かれないようにしなきゃ」

悪い事をしているかのようにオドオドと不審な行動を取りながらも、何とか気付かれずに最後の授業を受け終えた。




そして放課後――。




「ねえ、裕介。今朝、かわいい女の子からチョコもらったんじゃないの?」
「ええっ!」
「私の友達が見たって言ってたよ」
「そ、そんなことないよ。きっと見間違えたんじゃないかな。だって僕、モテないから」「そうよね。あんたはなんか弱弱しいし、いっつもオドオドしてるからね。きっと見間違えたんだ」
「そ、そうだよ。僕が女の子からチョコレートなんかもらうはずないじゃない」
「うん、そうだと思った。まだ一つもチョコもらってないんでしょ」
「う、うん……」
「じゃあ、かわいそうだから私が義理チョコあげるよ」

人気の無い教室。
クラスメイトのくるみは、小学校の頃から裕介と遊んでいた仲。
しかし、男勝りな彼女は頼りがいの無い裕介を馬鹿にする事が多かった。
そんなくるみが、カバンの中からごそごそと綺麗にラッピングされた箱を取り出した。

「はい」

結構大きな箱。
義理チョコにしては高そうな包装紙。

「ぼ、僕にくれるの?」
「目の前にいるのはあんたしかいないじゃないのよ」

くるみの顔がちょっと赤くなっていた。
チラチラと裕介の目を見ながらチョコを差し出している。

「あ、ありがとう……」

裕介は、くるみからチョコを受け取るとカバンの中に仕舞いこんだ。

「ちゃんと食べなさいよ。私が作ったんだから」
「えっ、くるみが作ったの?」
「あ、いやっ。そうじゃなくて……わ、私が買ってきたんだから」

くるみは顔を赤らめながら、手をもじもじさせている。

「そ、そうだよね。義理チョコを自分で作る人なんていないや」
「あ、当たり前じゃないの。手作りのチョコは本命の人にしかあげないのよっ。それじゃ、また明日ね」

ぎこちない雰囲気を残しながら、くるみは教室を出て行った。
こういう展開に慣れてない裕介は、どうしてくるみの顔が赤くなっていたのかよく分かっていなかった。

「は、早く家に帰ろっと」

いつもより膨れたカバンを持ち、裕介は家路についた――。

どっちを選ぶの?(その1)

数年前にある方に差し上げた作品を修正しながら掲載します。
ネット上に掲載するのは、おそらく初めてかと?
ホワイトデーネタなので随分季節がずれているのはご愛嬌ということでw





「はぁ。とうとう来てしまった……」

朝から憂鬱な表情でため息をついているのは、都立高校3年生の裕介。
どうして冴えない顔をしているのか?
それは今日がホワイトデーだから。
では何故ホワイトデーでため息をついているのか。
それは――。
続きを読む
ご注意!
当ブログは18才未満の方には相応しくない内容が含まれていますので、誤って訪れた方は即退場していただきますよう、よろしくお願いします。
創作物の著作権はTira(イラストは絵師さん)にありますので、無断転載は禁止です。
トップページのみリンクフリーです。
管理人:Tira

PDF作品


個人誌へGO!

欲望のままに DLsite.com直リンク

光る指先

欲望のままに

奪われた従姉の体
言語変換
翻訳ボランティアの募集

カウンター
since 2000.12.28
【旧Ts・TS】から




月別アーカイブ
頂いたイラスト
  • 【歪められた理想】のハツさん挿絵バージョン
  • 【歪められた理想】のハツさん挿絵バージョン
  • 【歪められた理想】のハツさん挿絵バージョン
  • 【歪められた理想】のハツさん挿絵バージョン
  • 【歪められた理想】のハツさん挿絵バージョン
  • 【歪められた理想】のハツさん挿絵バージョン
  • どうにもならない(ブログバージョン)その6
最新コメント
ちょこっとアンケート






















記事検索
タグ絞り込み検索
作品カテゴリ
バナー
バナー