続きです。
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「亜依っ! おはよ〜っ」
「静香ちゃん、おはようっ」
「おはよっ! 静香っ」
「今日は寝坊しちゃった」
「だよね…。いつもはとっくに教室なのに」
「じゃあ私は先に行くから」
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「考え事してたらなかなか眠れなくて。目が覚めたら7時半過ぎてて」
「シシシ! 私なんて寝坊ばっかり! 今日主姉ちゃんに叩き起こされちゃった!」
「亜依はいいねっ。千紗さん…お姉さんがいて。私なんて一人っ子だし親も朝が早いから起こしてくれないの」
「静香のご両親って確か生鮮市場で働いてたよね。そりゃ大変だわ」
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「休みもあまり無くて…。でも親なりに色々と気は使ってくれているけどね」
「へぇ〜。でもほんと―朝から晩まで働いて静香を育ててくれてるんだね。そう考えたら静香ってすごく幸せだよね」
「まあ…でも寂しいよ。家に帰っても一人の事が多いから…」
「…そっか。確かに寂しいね」
「あ…ごめんね亜依っ。しんみりしちゃったね」
「う…ううんっ。そんな事無いよ。悩んでいることがあったら何でも相談してよ」
「ありがとっ。あっ! もうすぐチャイムが鳴っちゃうよ」
「うわっ ヤバいっ!」