宅麻と付き合っている幸恵は、彼が自分の事をどれくらい愛してくれているのかを確かめるため、宅麻の親友である杉田に頼んで、彼女とそっくりな容姿になってもらいます。
さて、宅麻はどちらが幸恵本人なのか分かるでしょうか!?
その3で終わる予定ですが、今後はほのぼのした展開ではありませんので、あらかじめダークタグを付けておきます。
※イラストの下に台詞のテキストを追加しました。
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「どう思う? 宅麻は俺が島波さんに化けているって分かるかな?」
「分かってくれないと悲しいよ」
「そりゃそうだな。アイツだって親友のツレと大事な彼女の区別くらいつくか」
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「うっ…ふぅ…。顔の位置も合った。良く見えるな」
「うっ!」
「う〜ん! しっくりくる。フィットしていい感じだっ。背中も綺麗に閉じたな」
「俺達工作クラブが開発したこの皮スーツ! いやぁ…作った自分で言うのもなんだけどよく出来てる! 顧問の革餅先生がすごく褒めてくれたんだよな」
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「でも女に化けるのはちょっと恥ずかしいな。スリーサイズも全く同じだし…。こうして完全に着ると本人の記憶まで分かるんだから」
「ねえ杉田君っ。見るのは必要な記憶だけにしてよ。私だって恥ずかしいんだから。最初に約束したでしょ」
「分かってるって! そろそろ宅麻が来る頃だな。あいつ…目の前に彼女が二人現れたら驚くだろうな!」
「宅麻が私の事を彼女として本当に愛してくれているのかを確かめるの。さっき話した件もあるし。もし間違えて杉田君を選んだら別れてやるんだからっ」
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――まあ…宅麻に限って浮気なんてしないだろうけどなっ。まあ俺もこの皮スーツを色々と確認したいから島波さんに協力するよ――
「校門で待ち合わせて帰ろうって言ったのに…。急に体育館の倉庫に呼び出すなんて…」
「何だよ幸恵っ。こんなところに呼び出し…」
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「ゲッ!」
「待ってたよ宅麻っ」
「ごめんねっ。こんなところに呼び出して」
「なっ…何だよっ! どうなってるんだ…。幸恵が…幸恵が二人いるなんて…」
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「私が島波幸恵だよ。分かるよねっ」
「ううんっ。私が島波幸恵だよ。宅麻の彼女なんだから分かるよねっ」
「ちょ…ちょっと待ってくれよ。分かるよねって言われても外見も喋り方も全く同じじゃないか。…って言うかどうして二人いるんだよっ」
「教えて欲しい?」
「じゃあ教えてあげる」
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「実は…私達のどちらかは宅麻の親友…杉田君なの。工作クラブが作った皮スーツを着て私とそっくりに化けているのよ」
「付き合ってもう半年だもんっ。まさか彼女と男友達の区別が付かないなんて事は無いよねっ」
「す…杉田って…。一樹が幸恵に? た…確かに面白いスーツを作ったって言ってたけど。まさか…」
「そうさ宅麻っ。俺がそのスーツを着たんだ。そっくりだろ!」
「すげぇだろ! 身体も声もすべて同じになるんだ。…なんてね!」
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「お…おいっ。やめろよ一樹っ。何でそんな事するんだ。お前…幸恵が俺の彼女だと知っててそんな事してるのか?」
「勘違いしないでよっ。杉田君に頼んだのは私…。協力してもらったの」
「宅麻が私の事をどのくらい愛してくれているかを確かめるためにね!」
「ゆ…幸恵が? でもどうして…」
「この前見たの…。C組の静本さんと楽しそうに話しながら歩いている宅麻を…」
「腕を組んでたよね…。宅麻ったら鼻の下を伸ばして…」
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「私…宅麻の気持ちが分からなくなったの。私の事…もう飽きた?」
「静本さんがいいの? それなら私…宅麻と別れて他の人と付き合うよ」
「ま…待ってくれよ! 俺は別に静本さんの事は好きじゃない! 彼女とは幸恵の話をしていただけなんだっ。いつもこうしているんでしょって腕を組まれただけさっ」
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「そんなの分からないよ。私は本当の宅麻の気持ちが知りたいの」
「私をどれくらい愛してくれているのか―。私の事が好きなの? それとも私と言う人間を好きでいてくれてるの?」
「…それでどっちが幸恵か当てろって事なのか…。でも…どう見てもそっくりで…。その…」
「もちろん質問させてあげる…。私達…宅麻の質問に答えるよ。相手に聞こえない様にねっ。この半年で私の事…」
「いっぱい分かってくれたよね。質問にはすべて答えるけど、杉田君にも私と宅麻の事は話しているから大体の事は知ってるよ。もし私じゃなくて杉田君を選んだら…本当に宅麻と別れるからね!」
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「な〜んだ。それなら簡単だ! 何を質問してもいいんだろ! 一樹が知らない事なんて沢山あるし!」
「じゃあ始めましょ!」
「何を質問するの?」
「まず…最初にデートをした場所は?」
「そんなの簡単すぎるよっ」
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「寺野公園よ」
「寺野公園でしょ」
「次は?」
「じゃあもっと大胆に…。幸恵が俺に教えてくれたスリーサイズは?」
「それ聞いちゃうんだ…」
「86…58…87…」
「86…58…87…」
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「そんな事まで一樹に言ってるのか? じゃあセックスを初めてした場所は?」
「た…宅麻のエッチ! こ…校舎の屋上よ…」
「今まで俺と何回セックスした?」
「も…もう…。4回よ…」
「じゃあ幸恵はフェラチオをしてくれた?」
「……」
「……」
「……」
「したわよっ。変な事聞かないでっ」
「そんな事…。杉田君の前で絶対に答えたくないっ!」
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「う〜ん…」
「こっちが本物の幸恵だ」
「えっ…」
「ど…どうしてそう思ったの?」
「確かにフェラチオはしてくれたけど…。俺がめちゃくちゃ頼んで1回だけ…。でもすごく恥ずかしがってたから言わないと思ってたんだ」
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「だよな?」
「だ…だって…。恥ずかしいんだもん…。自分からあんな事をするなんて…。一番答えたくない質問だから―」
「そっか―。答えすぎるってのも良くなかったか…って事は俺の役目は終わりだな! もっと粘れると思ってたんだけど案外簡単にバレたな」
「…うんっ! 杉田君ありがとっ」
「でも…マジで一樹なのか?」