「気持ちよかった……。有り得ない位、気持ちよかった」
「僕も気持ちよかったよ。セックスってすごいんだね」

 二人はベッドに並んで仰向けに寝転がり、天井を見ながら話をしていた。女性の快感を味わった守、そして守の姉で童貞を卒業した裕樹。二人の表情はとてもにこやかであった。
「ね、ねえ守君。まだお姉さんの体に入っていても大丈夫なの?」
「多分な。二時間くらいはこのまま入っていても大丈夫って、説明書に書いてあった。自分の意思で抜け出したいと思えば、いつでも抜け出せるし」
「ふ〜ん」
「何だよ。まだやりたいのか?」
「そういう訳じゃないけど、その……お姉さんの日焼けって、どんな水着を着てたのかなって思って」
「ああ、競泳水着な。その辺の引き出しに入ってるんじゃないか?」

 守が仁美の肉体を操り、ゆっくりと部屋を歩き始めた。

「うわ、足の力が抜ける」

 裕樹は蟹股で歩く仁美の背中を眺めた。引き締まったウェストに、張りのある尻――女性ならではの体格に、彼はまた心を奪われた。
 守は時間を掛けてクローゼットを調べた後、タンスにある幾つかの引き出しを一つずつ開き、探索した。

「う〜ん。もしかしたら大学に置いたままかもしれないな。でも、家で洗ってるところを見た事があるからなぁ。それに何枚か持っていたと思うんだけど」

 そう呟いた仁美の手が止まると、裕樹を見てニヤニヤと笑った。

「なあ裕樹。姉ちゃんの競泳水着姿、見てみたいか?」
「えっ……。あ、そ……その……」
「お前、そういう返事をする時は、否定する答えを言わないよな!」

 彼女が振り返ると、手に紺色の生地を持っている。守は仁美の手でそれを広げ、裕樹に見せ付けた。

「そ、それが競泳水着?」
「みたいだな。やっと見つけた」
「すごく小さいみたいだけど……」
「伸びるって事だろ。お前のために着てやるよ」

 子供用にしか見えない小さな競泳水着に足を通し始めた仁美の姿にそそられる。両足を入れ、蟹股になりながら引き上げると、その生地は彼女の体に合わせてよく伸びた。

「結構キツイな」

 腰まで引き上げた後、両腕を通して強引に肩に掛ける。捻れた生地を戻しながら、はみ出た胸を押し込むと、小麦色に焼けた水着の跡と似た位置に収まっていった。

「すごい……。そんなに伸びるんだね」
「ああ。体に密着して変な気分だ」

 仁美の手が生地を伸ばし、体に付いた水着の跡に沿うよう調整する。

「背中はどうだ? 合ってるか?」

 後ろを向いた彼女の背中を眺めた裕樹が、「少しずれてる」と言った。

「じゃあ直してくれよ。良く分からないからさ」
「えっ! ぼ、僕が?」
「早く直せよ」
「……う、うん」

 ベッドから下りた彼は、ドキドキしながら仁美の背中を目の前にした。クロスしている部分が上にずれている。そして、尻を隠す水着が食い込んでいた。

「触っていいの?」
「触らなきゃどうやって直すんだよ」
「それはそうだけど……」
「お前さ、いちいちそうやって聞くなよ。結果は同じなんだろ」
「ご、ごめん……」

 裕樹は頬を赤らめながら、肩に掛かる水着を引っ張り、背中の水着跡に合わせた。初めて触る女性用の競泳水着の感触に心躍る。更には、尻の水着に左右から指を入れ、外側に引っ張った。

「出来たか?」
「うん。これで大丈夫だと思うよ」
「よし!」

 振り向いた仁美が悪戯っぽい目をしながら頭の後ろに両手を沿え、セクシーなポーズを取った。胸元には有名メーカーのロゴが白い文字で書かれており、全体的に薄っすらと黒いストライプが入っている。更によく見ると、葉っぱの様な模様が浮かんでいた。俗に言う、鮫肌水着というタイプだろう。胸を包んだ生地に、彼女の勃起した乳首が浮かび上がり、いやらしさをかもし出していた。
 それにしても、股間から腰にかけて、かなりの角度が付いた水着だ。彼女の体に焼き付いた水着の跡でも意識していたが、こうして水着を着るとそのハイレグさが際立って見えた。

「この締め付け具合ってすげぇな。こんなの着て泳ぐなんて、俺だったら恥かしくて無理だ」
「そうだね。でも……すごくセクシーでドキドキするよ」
「へ〜。裕樹、お前ってこういうのが好きなんだ。だったら最初からこの姿でセックスしてやったのに」

 守が仁美の手を胸と股間に沿わせ、いやらしく撫で回している。その様子を見る裕樹の肉棒がまたしても元気になった。

「う、ううん。その姿を見れただけで十分だよ」
「遠慮しちゃってさ。ま、でもそろそろヤバイ時間になってきたからセックスは厳しいか」
「そうだね。守君がお姉さんの体を乗っ取ってから、もう一時間四十分は経ってるよ。僕もそろそろ体を返した方がいいと思う」

 時計を見ながら、若干残念そうな表情をした裕樹を見逃さなかった守は、「じゃあさ、やれるところまでやって、ヤバクなったら急いで俺の部屋に戻るか」と言い、仁美の体を机の前に移動させた。

「ほら、早く入れろよ」

 裕樹に背を向け、前屈みになりながら机に片手を突いた仁美が、空いている手で水着をずらし、股間を露にする。肩幅ほどに足を開き、水着のずれた尻を突き出すその淫乱な姿に興奮した裕樹は、「わ、分かったよ」と表情を明るくし、急いで彼女の元に歩み寄った。勃起した肉棒を持って、水着がずれた尻の割れ目に合わせる。

「もうちょっと下だって!」
「こ、この辺?」
「ああ。でも、その角度じゃなくて下から突き上げるようにしないと入らないんじゃないか」
「う、うん」

 守に言われたとおり、腰を低くしながら陰唇のあたりに亀頭を滑らせると、膣口に引っかかった。

「あ、あった」
「そこだそこ。その穴だ」
「うん!」

 腰を沈めた状態からゆっくりと下半身を伸ばすと、肉棒が膣内へと減り込んでいった。またあの極上の感覚が裕樹の肉棒を包み込む。

「うはぁ〜」
「んうう……」

 思わず爪先立ちした仁美の体が、裕樹の腰使いによって前後に揺さぶられ始めた。

「うっ、あっ、あっ、はぁ、はぁ、あっああ」
「はぁ、はぁ、はぁっ。すごく気持ちいいっ」

 仁美の腰を掴み、一心不乱に腰を打ち付ける裕樹に、守は仁美の声で大きく喘いだ。机に突いていた腕を折り曲げ、両肘で体を支えながら女性の快感に酔いしれる。ベッドで堪能したオーガズムの火が再度灯り、守の精神に流し込まれた。

「守君。胸っ……触ってもいい?」
「す、好きにしろよ。はぁ、あっ……たまんねぇっ」

 膣の奥まで捻じ込まれた肉棒に、仁美の体がビクビクと震える。裕樹は彼女の体に覆い被さると、腰を振りながら二つの胸の感触を掌一杯に味わった。水着のザラザラとした感触と、その中にある、尻とは違った乳房の柔らかさ。その胸を執拗に揉みしだいていた彼は、腰のところから水着の中に手を差し入れ、直接揉み始めた。指に吸い付く乳房の肌と、掌に感じる勃起した乳首に激しく興奮する。

「ああっ! あっ、あっん。すげえっ……か、体に力が入らない……はぁ、あっ、あふっ」

 彼女の背中に密着しながら射精の準備を整える裕樹は、下から仁美を突き上げる様な腰つきで、額に汗を滲ませながら最後の力を振り絞った。普段は運動をしない彼の足がガクガクと震える。腰の動きも疎らになったが、猛烈な性欲に従い最高の瞬間を迎えた。

「はぁっ、はあっ、はあっ、で、出るよっ!」
「ああっ。あうっ、あっ、あ、あ、あっ。な、中はダメだっ……ぞっ。あっ、俺もイクッ!」

 裕樹は膣から肉棒を引き抜き、必死に扱いて競泳水着の背中へ射精した。三回目とは思えない程の白濁液が彼女の背中に飛び散り、いやらしい臭いを放った。

「あはあっ! うっ、うううっ、ううっ」

 扱く手が落ち着くと、踏ん張っていた足が崩れた。守も机に上半身を預け、「あはぁ〜」とセクシーな声を上げながら大きく息をしていた。

「ご、ごめん守君……。先にイッちゃった」
「はぁ、はぁ……いや。俺もイけたから。何ていうか、ずっとイッてる感覚なんだ。女の体ってすげぇよ」

 守は振り返りながら、裕樹の前に胡坐を掻いて座り込んだ。裕樹が揉んでいたせいで、水着の胸元がずれている。開いた股間も水着が捲れ上がり、愛液塗れの陰唇が露になっていた。

「僕、足がガクガクして力が入らないよ」
「あれだけ必死に腰振ってたらそうなるだろ。姉ちゃんの体が壊れるかと思ったぞ」
「ごめん。でも……すごく気持ちいいんだ。その……守君のお姉さんのあそこ……」
「俺もしたいなぁ。湯月先生とかさ、阿木日先生なんて綺麗な顔だし、スタイルもいいじゃん」
「そうだね。僕は湯月先生の方が好きだな。優しくて綺麗でストレートの黒い髪が素敵だから」
「お前は姉ちゃんよりも、そんなタイプの女性が好きだもんな」
「あ、そう言う意味じゃなくて。もちろん、守君のお姉さんもすごく綺麗で……素敵だったよ」
「そうか。今の俺なら誰よりも姉ちゃんを気持よくする事が出来るな。姉ちゃんがどうすれば感じるか良く分かったからさ! ま、流石に姉ちゃんとセックスしようとは思わないけどな。それにしても、女の快感って男に比べ……くっ!」
「どうしたの?」

 軽快に話をしていた仁美の表情が曇った。

「ヤ、ヤバい。多分薬が切れ始めたんだ」
「えっ、えっ……。ど、どうしよう」
「とりあえずお前は自分の服を持って俺の部屋に行けっ」
「守君は?」
「出来るだけ元通りにしてから姉ちゃんの体を抜け……は、早く行けよっ!」
「う、うんっ」

 裕樹は足が吊りそうになりながらも、急いで服をまとめ、逃げるように部屋を出た。

「はぁ、はぁ。少しでも気を抜くと体から抜け出そうだ……」

 背中には裕樹の精液がついたままだ。守は胸元を押さえながらベッドに掛け布団を被せると、床に散乱している服に手を掛けた――。




「な、何? どうなってるのっ! えっ、こんな時間……バイトがっ!」

 隣の部屋から仁美の慌てふためく声が聞こえた。ドタバタと足音が聞こえ、守の部屋を通り過ぎてゆく。

「はぁ、はぁ……あ、危なかった」

 裕樹の前で裸体の守が四つん這いになり、苦しそうに息をしていた。

「だ、大丈夫?」
「ああ、何とかな。隠すことは隠した」
「競泳水着も?」
「いや。時間が無かったから、競泳水着の上から服を着たんだ。下着をベッドの下に隠しておいた」
「そ、それって……マズいんじゃない?」
「まあ、俺たちの仕業だとは分からないだろ。その時はその時さ」

 あまり問題視していない守に、裕樹は「はぁ〜」と溜息をついた。バイト先で服を脱いだら――背中に付いた精液はどうするんだろうか。
 後で怒られても知らないから!
 そう呟きながらも、仁美とのセックスを思い出すと股間が熱くなる彼であった。


おわり