挿絵には、でじたるメイトのキャラと、フリー背景素材(きまぐれアフターさん)を使用しています。



「多埜……さん?」
「あ〜。ごめんごめん。あまりの騙されっぷりに大笑いしちまったよ」
「騙されっぷりって……どういう意味さ」
「ああ、説明するよ。目の前にいるのは瀬都奈に見えるだろ。でも実は……俺、伊原澄明さ」
「……え?」
女子高生憑依バージョン06
 瀬都奈は自慢げに自分を指差しながらそう答えた。

「まあ、信じられないのは分かるけどさ。憑依って分かるか? ほら、幽霊なんかが人に取り憑く現象。あれと同じだよ。俺、幽体になって瀬都奈に取り憑いているんだ」
「ゆ、幽体になってって……マジで多埜さんじゃないのか?」
「正確には、この体は瀬都奈のもので、操っているのは俺って事さ。こうして俺が取り憑いている間、瀬都奈の意識は眠っているんだ。だからこの身体は俺が自由に動かせるって訳。納得したか?」

 普段の彼女では有り得ない男言葉と澄明を意識させる口調が、徐々に星彦を信じさせた。しかし、何処から見ても多埜瀬都奈であり、もしかしたら澄明にフラれた彼女が何か嫌がらせをするために演技しているのでは無いかと言う気持ちも捨て切れなかった。

「ほら、こんなポーズだと瀬都奈の胸が強調されてそそられるだろ? セーラー服姿ってのも、見慣れてるけどいいもんさ」
女子高生憑依バージョン07
 両手を頭の後ろに回し、腰を捻りながらセクシーなポーズを取る彼女に、星彦の鼓動が高鳴った。

「ほ、ほんとに……澄明なのか? その……多埜さんが芝居してる訳じゃなくて」
「まだ信じないのか? さっき話しただろ。お前に内緒にしている事があるって。それがこの能力なんだ。俺さ、何故か分からないけど物心が付いた頃から、精神統一すると身体から幽体が抜け出るようになったんだ。すぐに戻る事も出来るけど、幽体のまま他人の身体に乗り移って、俺の好きなように操れる事が分かってさ。女がどうすれば感じるのかが分かるって言っただろ。あれって、この能力を使って付き合い始めた彼女の身体を乗っ取って、予め何処か感じるのかを調べておくって意味なんだ。皆、感じるところが少しずつ違うから。前に付き合っていた隣のクラスの明巳は、耳が以上に感じてさ。耳を愛撫しながらセックスすると何度でもイッてたよ。その前の文恵は乳首が気持ちよくて、乳首を愛撫するだけで軽くイッてた。先に性感帯を調べておくと、確実に感じさせる事が出来るから俺の虜になるって訳さ」
「……す、すげぇな。先に性感帯を調べるなんて……って言うか、もしかしてお前、女の快感が分かるのか?」
「当たり前だろ。俺、男女の快感を両方体験出来るんだ。女の快感って男の比じゃないんだぜ。快感だけなら、女に生まれてきたかったと思うくらいだよ」
「そ、そうなんだ」
「信じたか? 俺が瀬都奈に憑依しているって」
「ああ。信じるよ。でもさ、お前の身体ってどうなってるんだ?」
「百貨店のトイレに置いてきた。眠っている状態になるから、洋式の便座に座らせたままさ」
「大丈夫なのか?」
「多分大丈夫だろ。閉店までに戻れば済む話さ」
「そっか……。誰かにバレなきゃいいけどな」
「ま、意識を失った男子生徒って事で、病院に運ばれるくらいだろうから心配すんなって。それよりも、瀬都奈を乗っ取ったのは今日が初めてなんだ」
女子高生憑依バージョン08
 瀬都奈の身体を完全に支配する澄明は、彼女の手を使ってセーラー服の襟元を引っ張り、遠慮なく中を覗き込んだ。

「な、何してんだよ。そんな事勝手にしたら……」
「この匂い、どうして女子ってこんなに良い匂いするんだろうな。全然汗臭くないし」
「……そ、そうなのか?」
「ああ。たまんねぇよ」

 セーラー服の中を覗き込み、彼女の匂いを嗅ぐ姿がたまらなくいやらしかった。自分もあんな事をしてみたい。そう思いながら見ていると、匂いを堪能した澄明は瀬都奈の胸を持ち上げ、その重量感を星彦に見せ付けた。
女子高生憑依バージョン09
「どうだ? この胸の大きさ。身体だけなら俺の好みなんだけどな。お前もこの胸、見てみたいだろ?」
「そ、そりゃ見てみたいけど。でも、多埜さんからしてみれば、勝手に身体を見られるのって嫌なんじゃないか?」
「だからさ。俺が乗っ取っている間は、瀬都奈の意識は眠っているんだ。俺が何をしようと全然覚えていないんだよ。だから、こうやって……」
女子高生憑依バージョン10
 瀬都奈の両手がセーラー服の裾を掴み、徐に引き上げた。恥ずかしげもなくニヤリと笑い、自慢げに星彦を見ている。その表情とブラジャーに包まれた胸を堂々と披露するギャップに、星彦は妙な興奮を覚えた。瀬都奈がするはずのない行動を取っている。いや、澄明によって取らされていると考えると、彼の股間は異様に膨らむのであった。

「た、たまんないよ。俺が目の前にいるのに、多埜さんがセーラー服を捲り上げるなんて」
「それだけじゃないぞ。このブラジャーの中も、スカートに隠れた股間も全て思い通りに見ることが出来るんだ。ほらっ!」

 調子に乗った澄明が、彼女の手を使ってスカートを捲り上げる。その、何とも言えないセクシーなポーズに、星彦は心からときめいた。片想いの女子が目の前で下着を曝け出し、そのスタイルを自慢している。
女子高生憑依バージョン11
「あはん! 私のお尻、ムチッとしていて可愛いでしょ。 糸村さん、私の下着を見て興奮してるんだ。いやらし〜っ」

 頭の中で描いていた彼女のイメージを澄明に崩されてしまった事に対しては、若干の腹立たしさを感じた。しかし、彼が瀬都奈の身体を乗っ取る事で、彼女の下着まで見る事が出来るのだ。いや、下着だけではなく――。

「そんな風に見せられたらやばいよ。俺、すごく興奮するっ」
「へへ。逆の立場なら、俺だって興奮するさ。ま、今の俺にはチンポが付いてないから、お前みたいにズボンにテントを張ることは出来ないけどな!」
「へ、変なとこ見るなよ。マジで多埜さんに見られているみたいじゃないか」
女子高生憑依バージョン12
「そりゃ、本人の身体には違いないからな。さて、じゃあそろそろ星彦に教えてやるか」
「お、教えてやるって……何を?」
「決まってるだろ。瀬都奈の性感帯だよ。この身体の何処が感じるのかを今から確かめようと思ってさ。もちろん、お前にも瀬都奈の身体、触らせてやるぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。俺の部屋で?」
「駄目か?」
「駄目っていうか、遅いって言っても何時親が帰ってくるか分からないし、俺の部屋じゃやばいよ」
「じゃあ何処がいいんだよ」
「やっぱり、人目に付きにくいところ……かな」
「人目に付きにくいところ? そんなの、家の中くらいだろ。ちなみに、俺んちは妹が帰ってきてるから駄目だぜ」
「じゃ、じゃあ……どうしよう」
「ここでいいじゃないか。折角来ているんだからさ。ベッドだってあるし」

 瀬都奈は、いつも星彦が寝ているベッドを指差してニヤリと笑った。

「いや……。やっぱりまずいよ。他の場所に行こう」
「それなら何処がいいんだよ」
「だからそれを考えているんじゃないか。えっと……その。あっ、学校に戻らないか?」
「学校? わざわざ学校に戻るってのか?」
「だってさ。俺達が学校に付く頃には皆部活も終わっているだろうし、先生達も帰る頃じゃないか?」
「いちいち電車に乗って戻るのかよ。面倒じゃね?」
「やっぱり駄目か?」
「……ま、今日はお前のために瀬都奈に乗り移って来たから、お前がそうしたいのなら別にいいけどさ」

 彼女の口で軽くため息を付いた澄明は、「じゃ、面倒だけど学校に戻るか。あそこなら保健室もあるし、うまく鍵を開けられたらゆっくりと楽しめるし」と笑い、カバンを手に取った。

「悪いな。我侭を聞いてもらって」
「その代わり、俺が瀬都奈の身体で満足するまで付き合ってもらうからな」
「ま、満足するまでって?」

 その言葉に顔を赤くした星彦の股間を瀬都奈の手で軽く叩いた澄明は、「これで私とセックスするんじゃない。糸村さんってかなり鈍いよね!」とお尻を揺らしながら先に部屋を出て行った。そして、糸村家を後にした二人は、夕焼けに染まり始めた空を眺めながら学校戻ったのであった。