まるで天国に昇ったような気分だ。体がフワフワして心地いい。恐らく、これは夢なんだろうと思いながら何も見えない空間を漂っていると、ふと自分の体が従妹の瑞菜である事に気が付いた。

「そうか。俺、瑞菜ちゃんのタイツを着ていたんだ。これが俺の体なんだよなぁ」

 上半身に走るファスナーを見ながら呟くと、下半身に妙な感覚を覚えた。

「うっ……。な、何かが入ってくる」

 足を開いて前屈みになり、自分のものとなっている女性器を見ると、膣口が自然に開いてゆく様子が分かった。何か透明なものが膣内へ入ろうとしている。

「何だよこれっ。んっ……うううっ」

 膣口が徐々に大きく広がり、膣内に空洞が現れる。明らかに何かが入り込もうとしているのだ。

「や、やめろっ。入ってくるなっ!」

 快感に身を捩りながら叫んだ北斗は、ハッと目を覚ました。白い天井が見え、見覚えのある部屋で仰向けに寝ている事が分かる。

「ここは……。そ、そうだ。文男の家に来てたんだ」

 少し頭を上げて体を見ると、ファスナーと瑞菜の胸が見えた。そして、M字に開いている足があった。

「うっ……はぁ。な、何だよっ!」

 目が覚めても、下腹部に何かが減り込んでいる感覚がある。北斗が慌てて上半身を起こすと、信じられない光景があった。

「ふ、文男っ?」
「目が覚めたんだ。イッた後に気絶したからびっくりしたよ」

 そこには、まだセーラー服姿の唯香を着たままの文男がいた。彼女は股の間に顔を埋め、北斗が着ている膣内に銀色の器具を入れていた。

「な、何やってんだよっ!」
「見れば分かるじゃない。瑞菜ちゃんのオマンコを観察してるの」
「そ、それ……もしかしてっ」
「そうだよ。オマンコの中にクスコを入れてるの。これで覗けば子宮口まで見えるんだよ。瑞菜ちゃんのオマンコ、すごく綺麗だったよ!」
「か、勝手に瑞菜ちゃんの中を見るなよっ!」

 慌てて後ずさりすると膣内からクスコが抜け落ち、下腹部から満たされていた感覚がなくなる。

「へへ。もう見ちゃったから。それよりも……セックスしようよ」

 ニヤリと笑った唯香は上半身を起こすと、スカートをゆっくりと捲り上げた。

「なっ……」
「これ、かなり気持ちいいんだぁ」
「マ、マジで? 入れてるのか?」
「そうだよ。残りの半分は瑞菜ちゃんの中に入るって事」

 彼女の股間には、二十センチ近くはありそうな双頭バイブが付いていた。見た目で二十センチだから、彼女の膣内に入っている部分を合わせると倍近くあるかもしれない。

「ちょ、ちょっと待てよ。そんなに長くて太いものが入るわけないだろ」
「大丈夫だよ。クスコが入ったんだから、このバイブも入るって。じゃあ、一つになろ!」
「ま、待てよっ。勝手に……うっ! んはぁっ!」

 両足を掴まれ、バイブの先端を膣に入れられた北斗は背中を仰け反らせた。指とは比べ物にならない太さのバイブが、ゆっくりと膣内へ減り込んでゆく。

「うあ……ああっ。や、やめてくれよっ」
「そういいながら善がってるじゃない。気持ちいいんでしょ?」
「それとこれとは……んあああ」
「んんっ。私のオマンコにも減り込んできたっ。あ〜、すごい」

 正常位の体勢でバイブを入れ始めた唯香が体を九十度傾け、互いの足を絡ませながら徐々に腰を前に押し出す。貝合わせの様な体勢だが、二人の膣には樹脂製の双頭バイブが捩じ込まれていた。流石に全てを飲み込むまでには至らず、数センチほどの胴体が見える状態で腰の動きが止まった。

「はぁ〜。これ以上は入らないみたい。ねえ瑞菜ちゃん、オマンコの中がバイブで一杯になってるでしょ」
「はぁ、はぁ、ううう……」
「瑞菜ちゃんは女の快感に慣れていないから、私が動いてあげるよ。さっきイッたばかりだから、またすぐにイッちゃうかもね」

 そういうと、唯香は自ら腰を振り始めた。ゴリゴリというバイブの感覚に、北斗はまた背中を仰け反らせた。

「んあっ! あっ、あっ、何だよこれっ! す、すげぇっ」
「はぁ、はぁ、はぁ、あっん。気持ちいいでしょ。男とセックスするとこんな感じになるんだよ。んあっ、私はした事ないけどっ」
「ああっ、あっ、あっ、中が抉られてっ……ああっ」

 堪らず上半身を倒した北斗は、細い足を浮かせて指の先に力を入れた。その足の片側を掴んだ唯香がいやらしい腰つきで双頭バイブを捩じ込む。互いの膣内からグチュグチュという水音が聞え、とめどなく愛液が滴り落ちた。

「あっ、あっ、あっ、ああっ」
「はぁ、はぁ、あんっ……はあ、はあ。あっ、どう? 気持ちいいでしょ」
「うっ、ああっ、あぁ、はぁ、はぁ、あっ、あっ、ああっ」

 北斗は膣から湧き上がる快感に返事も出来ず、女の子の様に喘いでいるだけだった。先ほど感じたオーガズムが迫る感覚がある。文男も、妹の膣がオーガズムを放とうとしている事が分かったのか、腰の動きを速めた。
 背中を仰け反らせ、必死にシーツを握りながら悶える北斗は、本物の瑞菜としか思えないほど女の子らしかった。乳首が勃起し、口から涎を垂らしている。空いている手でバイブを飲み込む膣の上、クリトリスを弄ると、瑞菜の体が跳ね上がった。

「ひうっ! ああっ、あああっ、はぁ、はぁ、ああああっ」
「はぁ、はぁ、可愛いよ瑞菜ちゃんっ。その声を聞いていると、も、もうっ!」
「ああっ、あんっ、はんっ、あっ、あっ……ああっ」

 ファスナーについている引き手の金具がカチカチと鳴り、レズセックスの激しさを物語っていた。いつの間にか双頭バイブの全てが互いの膣に飲み込まれ、膣同士が触れ合っている。
 狂ったように腰を振る文男は、顎を上げながら「あああああ〜!」と声を上げ、オーガズムに達した。それと同じく、北斗も激しく膣を突かれて絶頂を迎えたのであった。
 互いに体をビクビクと震わせると、文男が膣からバイブを抜きながら北斗の横に寝そべった。

「はぁ、はぁ、はぁ。レズセックス最高だぁ〜」
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ」

 その言葉に、北斗はただ頷くだけだった――。


 それから二十分ほど経った部屋では、セーラー服を身に纏った二人が床の上に胡坐を掻いて座り、何やら良からぬ話をしていた。

「ファスナーが付いていないタイツをもう一つ作るのに、どれくらいの時間が掛かるんだ?」
「そうだな。半年は掛かるけど」
「そんなに掛かるんだ」
「だって、俺が着ているタイツは二年掛かったんだから。一度作ったものをコピーするから、半年で出来るんだ。これでも随分と早いんだぞ。それに金も掛かるし」
「……へぇ〜。俺もファスナー無しのタイツを着てみたいんだけど」
「このタイツ、貸してやろうか?」
「い、いや。文男が着た後のタイツは着たいと思わない。想像するとキモイから」
「何だよ。北斗が着ているタイツだって、俺が何度も着たやつなんだぞ。オナニーだってやりまくったんだからな」
「い、言うなよっ! 蕁麻疹が出そうだ」
「そこまで言わなくてもいいだろ。そりゃ、タイツを脱いだ後はちょっと汗臭いかも知れないけどさ」

 北斗は途中から耳を塞いでいた。

「……ま、いいか。今度、ファスナー無しのタイツが出来たら北斗にやるよ。でも、誰のタイツにするかは俺が調整しなくちゃならないから」
「ああ」
「で、ファスナー無しのタイツを手に入れたら誰になりたいんだ?」
「さっきさ。年齢を変えたタイツを作れるって言ってただろ?」
「そうだな」
「俺、大人になった瑞菜ちゃんになってみたいんだ」
「説明した時にそう言ってたな」
「瑞菜ちゃんがどんな女性になるのか見てみたいし、その姿で外を歩いてみたいんだ」
「そして男とセックスするってか?」
「……それもしてみたいな。電車で痴漢されてみたいし」
「お前ってMなんだな」
「そ、そういうわけじゃないけどさ」
「俺が着ているタイツならすぐに実現できるのに」
「だからさ……」
「分かった分かった。じゃあ半年後を楽しみにしてくれよ」
「ああ、頼んだぜ」

 こうして話がまとまり、北斗が帰ろうと腰を上げると、「ただいま〜」という女の子の声が聞こえた。

「えっ! も、もしかして」
「ヤバイ。唯香が帰ってきたぞっ。アイツ、友達の家で試験勉強してくるって言ってたのに」
「ど、どうするんだよ」
「どうするんだよって、どうしようもないだろ」
「文男はヤバイだろ。格好じゃ……」
「っていうか、どうしてこんなに早く帰って来るんだよっ」

 慌ててセーラー服を脱ぎ、口を開いて指を入れた文男は、その指を勢いよく左右に広げた。すると口が大きく伸びて、唯香の中から男の顔が現れた。

「うわっ! な、何だよそれ」
「このタイツは口から入るように作っているんだ。だから口が異様に伸びるんだ」

 そのグロテスクな光景に、北斗は思わず顔を背けた。小さな体から巨漢が出てくる様は、この世の物とは思えないほど奇妙に思える。

「は、早く脱げよ」
「分かってるって。よいしょっと」

 何とかタイツを脱ぎ、セーラー服と共にベッドの下に隠したところで、部屋の扉が開かれた。

「お兄ちゃん、私と同じ学校の靴が玄関にあったんだけ……」

 喋りながら部屋の様子を見た唯香が、時間が止まったように動かなくなった。ベッドの横に立っている見苦しい巨漢の裸に、同じ学校のセーラー服を着ている女の子。

「あっ……ゆ、唯香。これは……」

 慌てて胸元を隠した北斗は、ピクピクと口を歪めて半笑いしていた。

「……き、きゃあ〜!」



 ――後から北斗が聞いた話によると、あの状況を説明するために相当の苦労をしたらしい。妹と同じ学校の女子高生を部屋に入れ、目の前で裸になっていたという事実が両親の耳に入り、相当絞られたという。
 どうやら、北斗がファスナー無しのタイツを手に入れるのは、随分と先になりそうだ。


おわり