この作品は「新入れかえ魂Vo.1」に掲載されたものです。
全編終了までに、「超能力」「MC(マインドコントロール)」「事実誤認」「憑依」が含まれます。
また、一部ダークな内容が含まれますので、読みたいと思われる方のみお読みください。
 いつもより少し遅い時間に目を覚ました利和は、天井をじっと見つめながら頭の中で昨晩のことを思い浮かべていた。まるで果乃の目を通して自分の姿を見ている感じ。あれは新しい能力が身についたと言うことなのだろうか?
 それなら、一体どんな能力なのか?
 しばらくして、果乃が検温に来た。昨日股間に貼ったガムテープは綺麗に剥がせたのだろうか?
 そんな事を思いながら、カーテンを閉める果乃を見ていた。

「おはようございます」
「おはようございます」
「重河君、もうすぐ退院出来そうよ」
「そうなんですか?」
「特に異常もないみたいだから」
「それって検査した結果なんですか?」

 まさか、昨夜開放したはずの行動がまだ残っていて――

「そうよ。先生がそう言っていたから」
「……そ、そうなんですか」

 どうやら彼女が自ら膣の精子を検査して言っている訳ではないようだ。
 ほっとした利和は、パジャマのズボンとトランクスを脱がそうとする果乃のためにお尻を浮かせた。

「ちょっと待ってね」

 昨日の朝と同じように、フェラチオして肉棒を勃起させようとする。

「んっ、んんっ」と小さな声を出して頭を動かす果乃を見つめながら、昨晩の出来事をもう一度思い出した。
 利和が推測したのは、自分の意識が果乃の体に一時的に移動したと言うことだ。だから、あたかも和利が果乃の目を通して見ているかのような状況になったのだと。
 あの状況はもう一度再現できるのだろうか?
 再現できたとすれば、どんな感じになるのだろう。

「ごめんね、今日は上手く出来てないのかな?」
「えっ……あ。いや、そんな事ないですよ」
「もうちょっと待ってね」
「はい」

 色々考えをめぐらせているせいで、肉棒が元気になっていない。それが自分のせいだと思った果乃は、一生懸命奉仕している。舌で転がし、肉棒に吸い付いてブジュブジュといやらしい音を立てながら。
 どう念じればあの状況になるのだろうか?
 とにかく、色々やってみるしかない。
 そう思った和利は、随分と大きくなった肉棒をしゃぶる果乃をじっと見つめ、自分の意識が果乃に移動するようなイメージを送り込んだ。
 これまでにないくらい集中して。
 すると、果乃はビクンと体を震わせてフェラチオをやめた。

「あっ……」

 目をぱちくりさせて、手で根元を握り締めている肉棒を見つめる。

「あ……なっ……えっ!?」

 視線を左右に振って、今の状況を把握しているようだ。そして、もう一度目の前の肉棒を見た後、握っていた手を開いてゆっくりと立ち上がった。
 俯くとピンクのナース服に包まれたふくよかな曲線を描く二つの胸。

「そ、そういうことか……」

 果乃は小さく呟いた。
 ベッドに寝ている利和は目を瞑って寝ているように見える。寝ていると言うよりは、気を失っていると言った方が合っているかもしれない。

「これは……ほんとに……」

 胸についたネームプレートを手で上にむけ、そこに書かれた名前を目で追った果乃。

「池澤果乃……す、すごい……」

 果乃の小さな心臓がドキドキ鼓動を打っている。

「俺の……俺の意識が池澤さんの体に入り込んだって事か。俺の意思で池澤さんの体を動かせるんだ……それも自由に」

 可愛らしさの残った果乃の声で呟いているのは、利和だった。どうやら利和の意識が果乃の意識に割り込み、体の支配権を奪っているようだ。幽霊のように取り憑いていると考える方がいいかもしれない。

「で、でも……自分の体に戻れるんだろうか?」

 それが出来ないと、一生果乃として生きていかなければい。ここは一度、自分の体に戻れるかを確かめておこうと思った利和は、果乃の目で意識の無い自分の体をじっと見つめた。果乃の体に入り込んだときのように。

「うっ……ふぅ〜」

 少し頭が痛い感じがしたが、どうやら元に戻れたようだ。自分の体だと実感できる。

「あ……あれ?」

 それと同時に、果乃の意識も戻った様子。フェラチオをしていたのに、何故突っ立っているんだろうと困惑している。

「わ、私……」
「どうしたんですか? 急に立ち上がったりして」
「えっ? 私が?」
「早く検温してください」
「あっ……え、ええ」

 利和が果乃の体を支配している間は、果乃の意識がないようだ。それが分かったのは大きな収穫。
 フェラチオして肉棒を勃起させた果乃は、利和に跨ると、今日は自ら腰を降り始めた。

「んっ……んっ……んんっ」

 小さく上ずった声。果乃は三分間腰を振った後、結果を記録用紙に書くと何事もなかったかのように病室を後にした。

「さて、まずは手短なところから……」

 利和はニヤリと笑うと、開いたカーテンの向こうに見える中学二年生の女の子、白傍智津子を見た。
 彼女は相変わらず他人との接触を避けているようで、利和たちには背を向け、ベッドの柵に体半分をもたれ掛からせ少女漫画を読んでいた。毎日ずっと本ばかり読んでいる彼女。
 目が疲れないのかなぁとも思うのだが、その心配はしなくても良いようだ。
 智津子は途中で読むのをやめると、漫画をテレビ台のテーブルに置いて掛け布団の中に潜り込んだ。

「……やっぱり中学二年生とはいえ、男じゃないもんなぁ」

 そんな言葉が智津子の口から漏れる。掛け布団の中は、彼女の匂いがした。洗濯したての青いパジャマ匂いか、それとも彼女の体から発するボディーシャンプーか。髪の毛から漂うリンスの匂いかもしれない。
 その匂いに浸った後、首から上だけを布団から出して周りの様子を伺った。前のベッドには眠っているように見える利和。智津子の横にいた男性はどこかに出ているのか、ベッドの上にはいなかった。
 そして斜め前の老女は相変わらずずっと寝ている状態。

「誰に見られているわけでもないな。それじゃあ早速……」

 智津子――いや、今は智津子ではなく智津子の体を支配した利和は布団の中、両手を使って発達途上の胸を揉んでみた。
 小ぶりだが、女性の胸だという感触は十分にある。
 柔らかい乳房を最初は丁重に、しばらくすると潰すように揉みしだく。

「や、柔らかい……それにこの胸から伝わってくる感触は男では味わえないよな」

 自分の胸を揉んだところで、こんな気持ちにはならないだろう。女性の体特有の気持ちよさがそこにあった。
 身を捩じらせながら胸の感触を楽しむ利和。
 すでに乳首は硬く勃起し、ブラジャーやパジャマの生地越しにでも分かるほどだ。その乳首を生地ごと摘んでみる。

「ふっ……んん」

 思わず彼女の口から、可愛らしい声を漏らしてしまった。体がビクンと震えて気持ちがいい。

「女の子って、こんなに敏感なんだ。それとも俺が男だからそう感じるのか?」

 智津子の声を使って呟いた後、今度は右手を下に移動させた。動かないギブスの足はそのままに、自由な左足を蟹股に開いて股間を触りやすくする。
 それにしても、布団をかぶっているとはいえ、いつバレるか分からない状況でこんな事をする――いや、させるなんて本当にドキドキする。
 別に自分の体ではないので、見つかったところでどうなる事でも無いような気もするが、その初めての体験とスリルに興奮してしまうのだ。
 右手がノッペリとした股間を撫でる。その感触は、女性であることを実感させるものだった。そこにあるべきものが無いという不思議な感覚。ズボンの上からでも分かる、その神秘の割れ目。
 利和は、その割れ目に沿って指を動かしてみた。
 ムニュッとした柔らい感触と、一瞬全身に駆け巡った電気的快感。そのショックに、蟹股に開いた膝を立ててしまった。

「うっ! はぁ、はぁ……い、今の感覚ってクリトリス?」

 もう一度割れ目を、それもクリトリスが存在する上の辺りを触ってみた。

「あっ!こ、ここだ。やっぱりこの気持ちよさってクリトリスから発しているんだ」

 気持ちよすぎてちょっと怖いが、ズボンの生地越しに何度も触ってみた。胸の気持ちよさとは違った直接的な快感。肉棒で射精した時の気持ちよさが猛烈に増幅した感じだ。

「はぁ、はあ。あっ、き……気持ちいい。クリトリスって……すごいっ」

 利和が弄っているせいで、智津子の体が火照っている。他人の体に対して性的な悪戯をするのは犯罪として取り扱われるが、今の状況はどうだろう。体を乗っ取り、自分の手を使って悪戯をさせる事は現実問題として罰せられるだろうか?
 それが証明されればありうるかもしれないが、現時点で証明する手段はなさそうだ。こうやってズボンの生地が貼りつくほど愛液が染み出し、その生地の上からでも割れ目の形が見えるほどいやらしい行動を取らせる。
 しかし、第三者の目から見れば、それは本人が自慰をしているとしか考えられないのだ。

「あっ……はぁ、はぁっ……い、いいっ……すごくっ……気持ちいいっ」

 スルリとズボンの中に手を忍ばせた利和。パンティの中にある短い縮れ毛がしっとりと濡れ、その中心にある割れ目が滑り気を帯びている。利和は、その割れ目の中に指を滑らせ、直にクリトリスを刺激した。

 ビクッ、ビクッ――

 体の疼きが止まらない。膣から止め処なく湧き出る愛液がパンティの、そしてパジャマのズボンに染み込んでゆく。

「はあ、はぁ、はぁ……あっ……うっ。はぁ、はぁ……はあっ、あふっ」

 開けっ放した病室の扉。
 誰か気づくだろうか?布団の中から聞こえるクチュクチュといういやらしい音を。 その淫らな行為を。
 きっと誰も気づかないだろう。こんな所で女の子がオナニーしているなんて想像しないだろうから。

「んっ……はぁ。んんっ……」

 気持ちいい。本当に気持ちよかった。今誰かにやめろと言われても、ずっと手を動かし続けているだろう。それくらい気持ちがよかった。
 皮が剥け、充血してプックリと膨れ上がったクリトリス。天にも昇るとはこのことかもしれない。
 ずっと弄り続けていると更に快感が増幅し、男で言う射精を迎えそうになった。多分、これが女の『イク』という感覚なんだろう。

「はぁ、はぁ、はぁ……あっ……イ、イクッ……くうっ!」

 思い切り喘ぎ声を出したかった。ほとんど理性が吹き飛んでいた利和だが、その瞬間だけは何とか踏みとどまったようだ。
 ギブスを嵌めていない左足を突っ張り、背中を仰け反らせる。
 全身に力が入る事で、鈍い痛みをギブスの足から感じたが、そんなのは微々たるものだ。体中に溢れかえる快感は、射精の比ではない。
 男の体で何度イっても、この『イッた』感覚には叶わなかった。それほどの快感を体験した利和は、クリトリスに指を当てたまま放心状態となっていた。
 天井の壁がゆらゆらと揺れて見える。
 大きく息をして呼吸を整えるが、心臓がバクバクと鼓動を打つ早さが収まらない。

「はぁ、はぁ……はぁ。ふぅ〜」

 それでもしばらくすると自然に呼吸が楽になり、心臓の動きも落ち着いてくる。

「ああ……これが女の快感なんだ。まだ下半身が火照ってる」

 そっと指で触ってみると、そこにはまだ敏感なままのクリトリスがあった。

「うっ……今イッた所なのにまだ気持ちいいっ。もう一回出来るのかな」

 智津子の少し上ずった声で呟いた利和は、また彼女の濡れた指を使ってクリトリスを弄り始めた。

「はぁ、あっ……いいっ。すごくいいっ……ま、まだイケそうだっ」

 この後、利和は智津子の体でクリトリスが痛くなるまで自慰し続けた。昼食の時だけ智津子に体を返し、その後、また体を乗っ取ってその快感に酔いしれる。
 智津子は利和が乗り移っている間の記憶がない上、敷布団にまで染み込んだ自分の愛液を見てに赤面していた。かといって、この状況を誰に言えるわけでもなく、自分で新しいパジャマと下着を取り替える。
 しかし、着替えたあとも利和が乗り移ってオナニーをしたので意味がなかった。
 何がどうなっているのか分からない智津子は、ヒリヒリするクリトリス、そして疼く体に戸惑いながらじっと布団の中に潜り込んでいた――


「ちょっと悪いことをしたかな。でも、あの気持ちよさはすごいよな。男のイッた時とは全然違うんだから」

 初めてだったからかもしれないが、ずっと乗り移るという行為は精神的にもかなりダメージがあるようだ。ただ、男として一生味わうことのない至福の時を過ごしたという充実感は何にも変えがたいものであった。
 女性の神秘に触れ、大満足した利和は疲れた精神を癒すために、今日はこのまま大人しくしていることにしたようだ。と言っても、今はもう夕方の六時。
 乗り移って疲れたというよりは、やりすぎて疲れた感が強いような気がする。

「さて、明日は池澤さんに乗り移ってから……出来るかな?」

 どうやらまた良からぬ事を考えているようだ。
 明日も利和の犠牲者となる女性が増えることは間違いないだろう――