注意!
この作品には妻が寝取られる等の非人道的な内容が掲載されていますので、それでも読みたいと思われる方だけ続きをお読みください。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、はっ、はっ、はあっ、ああっ」

 目の前で妻が寝取られている。顔の横に両手を置き、気持ち良さそうに喘ぎながら犯される様を見ていられず、目を逸らせた。
 このままでは千佳の中に見知らぬ男の精液を注がれてしまう。子宮の中で精子が泳ぎ、俺が受精させるはずの卵子に侵入してしまう。俺が千佳を助けてやらなきゃダメなんだ。あいつの精子を千佳の中に出させちゃダメなんだ。
 そう思って、正座している足を伸ばそうとした。でも――抵抗すれば、千佳に何をされるか分からない。今、千佳を助けても、こいつ等は千佳の体を操り、千佳の記憶を使って理不尽な事を続けるに違いない。
 俺は一体どうすればいいんだ――
 俯き、グッと目を閉じていると「おい。何、目を逸らしているんだよ。しっかりと見ろって言っただろ」と、智仁の声がした。

「……これ以上、千佳が犯される姿を見たくない」
「んふっ。高志、勘違いしないでね。犯されているんじゃなくて、私が犯してもらっているの。どうすれば私が感じるのか、高志には分からないでしょ。智仁は、セックスの仕方をタダで教えてくれているのよ。彼に感謝しなきゃね」
「もうやめてくれよ……。千佳がそんな馬鹿な事を言うはずない」
「う〜ん、困った旦那さんよね。愛する私をセックスで満足させてあげようとは思わないの? さっきも言ったけど、私は高志のセックスが物足りないのよ。自分のテクニックの無さを自覚してよね。チンポも智仁みたいに大きくないんだから」

 千佳は上半身を起こすと、腰を止めていた智仁の肉棒を抜き、四つん這いの体勢になった。そして、自ら肉茎を掴むと膣内へと導いた。

「んんっ! 知ってた? この方が奥まで入るのよ。ううっ……」

 智仁が腰を掴み、彼女のお尻に下腹部を密着させると、千佳は篭った呻き声を上げた。

「これ、入ってるだろ」
「はぁ〜。分かる? 亀頭が子宮口に減り込んでいる感覚」
「ああ。締め付け方が全然違うからな」
「そのまま出せば、確実に卵子まで届きそうよ」
「そうか」
「やめろよっ! 絶対に出すなっ。千佳の中で出すなっ」
「アンタの愛する千佳の子宮に、活きのいい俺の精子を大量に注ぎ込んでやるよ」
「うん、早く出して。私の子宮が疼い……ああっ! あ、あ、あっ、あっ、激しっ! あっ、あひっ、あひっ」

 千佳は狂ったように喘ぎ声をあげた。パンパンと肉がぶつかり合う音。そして奥深くまで貫いている肉棒を喜ぶかのように、彼女の膣がグチュグチュといやらしい音を奏でた。

「ああっ、あっ、イイッ! イイよぉっ。膣がっ……子宮が犯されてるっ。智仁の……あふっ。チンポが私の中で暴れまわってるっ」

 俺の心を踏みにじる言葉を遠慮なく口にする千佳は、突っ張っていた腕を崩すと両肘をベッドに立て、俯きながらセックスという快感に酔いしれていた。
 千佳が――大切な千佳が目の前で犯されているというのに、俺はただ彼女が幸せそうに喘ぐ姿を見ている事しか出来ない。目を逸らせる事も出来ない。
 シーツの下から、ギシギシと軋むベッドのスプリング音が微かに聞えた。髪の毛が横顔を隠しているが、俺とのセックスでは聞いた事の無いヒステリックな喘ぎ声は、艶やかで淫乱な表情を意図も簡単に想像させた。

「あんっ、あんっ、あっ。お腹が掻き回されてっ……。んんっ、んっ、んっ。素敵、素敵よ智仁っ。こんなに感じたのは初めてっ。ああん」
「お前の膣も最高だよ。子宮口の狭くなったところで締め付けられてっ。はぁ、はぁ」

 智仁は額に汗を滲ませながら、大きく腰を振っていた。千佳の体が前後に揺さぶられ、徐々に膝が開いてゆく。そんな千佳の腰を引き上げると、智仁はまた激しく膣を犯した。
 手も足も出ない状況で、大切なものが奪われてゆく。
 絶望するとは、こんな感覚なんだろうか。世の中には、今の俺と同じような感覚に陥っている人間がいるのだろうか。
 上ずった喘ぎ声のテンポが速くなり、千佳が拳を握り締めた。今までに無い速さで腰を動かす智仁が、息を乱しながら「ああ、あっ、はぁ、はぁ。イクぞっ」と言った。

「いいよっ。私もイキそうっ……。あっ、あっ、あっ、激しいのっ。智仁のチンポが減り込んでっ……。あふっ、あふんっ、あああ〜」

 智仁は太鼓を打つように、思い切り下腹部を千佳のお尻に打ちつけた。あいつの肉棒が子宮口をこじ開け、精液を大量に流し込んでいるんだ。俺の千佳が完全に汚された瞬間だった。俯いていた頭を上げ、口元から涎を垂らした彼女の表情が、自分でも信じられない程、憎らしく思えた。

「うっ。うっ。ううっ……」
「あっ、あっ、はぁ〜ん」

 二人は腰を打ちつけたタイミングで声を漏らすと、大きく深呼吸した。

「あはぁ〜。子宮がヒクヒクしてるの。智仁の元気な精子が私の子宮を泳いで、今度は卵子を犯すのね」
「そういう事。子供は出来そうか?」
「そうね。生理が一週間前だったから」
「へぇ〜、そうなんだ」
「ねえ高志。これってどういう事か分かるよね。あれ、泣いてるの?」

 そう言われるまで気が付かなかった。少し驚いた表情の千佳が潤んで見える。視線を横に向けると、セックスを終えて満足そうな智仁が服からタバコを取り出し、火をつけたところだった。
 一瞬でも、千佳を憎らしいと思ってしまうなんて。本人の意思じゃない事は分かっているのに。千佳を寝取られた事とは別に、愛する妻に対して憎悪を抱いてしまった事に、強烈に心が痛んだ。