「さあ、どうするかな」

 悦二はソファーに深く腰を沈めたまま、肌蹴たブラウスを脱ぎ捨て、青いジーンズを引き下ろす桃子を眺めた。若い彼女のスタイルは見事なものだった。このまま体を操ってセックスするのは簡単な事だ。しかし、それでは面白味に欠けると彼は思っていた。

「じゃあどうしたいの?」
保育士4

 裸体になった彼女が手を後ろに回し、青く染まった瞳で悦二を見下ろしている。髪を束ねるオレンジのリボンが妙に印象的だ。

「楽して犯したいなら、桃子に成りすましたまま今すぐ上に乗ってあげるけど? それじゃ単純すぎるから……」

 桃子は何かを思いついたようにハッと口元に手を当てると、表情を一変させた。

「そうだ。……お、お願い。私を幼稚園に返してっ。早く戻らないとみんなが心配しているわ」

 ニヤリと笑いながら立ち上がった悦二に彼女は怯え、後ずさりした。

「た、助けてっ! だ、誰かっ」

 体勢を崩しつつ玄関まで小走ると、背後に迫る悦二を気にしながら扉のノブを回し、外へ逃げようとしている。

「逃げたいなら逃げてもいいぜ。裸で外に出る勇気があるならな」
「来ないでっ。ど、どうして開かないのっ」

 何度もノブを回し、扉を開こうとするが一向に開かない。悦二がその様子を愉快そうに見ながらゆっくりと近づいて行く。実際には扉の鍵は掛かっておらず、手前に引けば簡単に開くのだが、彼は桃子にわざと白々しい演技をさせ雰囲気を楽しんでいるのだ。

「やだっ。開いてっ!」
「早くしないと後ろから俺の肉棒を突き刺すぞ」
「酷い……。お願いっ、犯さないでっ」
「そんな事言って、しっかりと尻を突き出しているじゃないか」
「そ、それは……違うのっ。扉が……開かない」

 両手で必死にノブを握り締める彼女は、その怯えた表情と言葉とは裏腹に、肩幅ほどに足を開きお尻を突き出していた。括れたウェストとお尻のボリュームが女体の艶かしさを感じさせる。
 彼女の後ろに辿り着いた悦二はその滑らかな曲線をいやらしく撫でた後、しゃがみ込んでお尻の肉を左右に開いた。

「ちょ、ちょっと。やだ……」
「肛門が丸見えだ。それにマンコもグチョグチョに濡れてるじゃないか。いやらしい愛液が滴り落ちているぞ」
「み、見ないでっ」

 否定しながらも、桃子は細い足を蟹股に開いた。その開いた股間に手を忍ばせ、愛液で濡れたクリトリスを指で弄ると、「うはっ」という、呻きにも似た喘ぎ声が二人の口から同じタイミングで漏れた。

「この感覚、たまらんな。俺の体じゃないのに、自分の体と同じように感じるなんて」

 ニヤリと笑った悦二だが、その言葉を発したのは顔を引きつらせながら彼を見る桃子だった。彼の指がクリトリスを何度も弄ると、互いの体がビクビクと震える。膣の中に二本の指を突き刺すと、二人は同時に顎を上げて「ああっ」と喘いだ。

「か、感じるっ。膣を掻き回されると足の力が抜けそうだ。この体は相当気持ちいいな」

 そう言ったのは、桃子の快感を共有する悦二だった。ガクガクと震える細い足。指をストロークさせると、徐々に膝が曲がり始めた。内腿に愛液が滴り、互いの口から喘ぎ声が漏れる。

「あっ、あっ、あふっ。はぁ、はぁ、はぁ……」
「も、もういい。そろそろ入れるか」

 膣から指を引き抜いた悦二が立ち上がると、桃子が彼の手首を掴み、眉を歪めながら悲しそうな表情で愛液に濡れた指を綺麗に舐め取った。そして、また扉のノブを両手で掴むと、より一層お尻を突き出して足を開いたのだ。

「いい心がけだな。そうやって大人しくしていれば乱暴な事はしないさ」

 悦二の台詞だが、実際に喋ったのは桃子だった。彼は無言で桃子の腰を掴むと、いきり立った肉棒をゆっくりと股間に近づけた。

「フフフッ。動くんじゃないぞ。このまま膣の奥まで突き刺してやる」

 桃子がノブを握り締めたまま、悦二に向かって喋っている。どうやら彼は、台詞を全て彼女に言わせているようだ。自分の言葉を、彼女の口から言わせる事に興奮するのだ。

「うっ……。ほら、チンポの先が触れたぞ。このままゆっくりと膣に突き刺してやるからな……うっ」

 上ずった声を震わせる彼女の手に力が入った。亀頭が膣にめり込み、肉茎が滑らかに入り込んでゆく。

「ううっ。膣壁にチンポが擦れて……き、気持ちいい。私の膣内ってたまんな……あふっ!」

 途中から勢いよく肉棒を捩じ込むと、桃子はしゃべりながら喘いだ。悦二も肉棒を突き刺しながら「はぁ」と息を吐いた。

「肉壁がチンポに絡みついて……このヒダ、名器と言えるよな」

 桃子は緩いストロークで腰を振る悦二に華奢な背中を見せながら、彼の言葉を代弁した。肉棒と膣の両方から蕩けるような快感を得る彼は、口を半開きにしながら少しずつ腰の動きを早めた。
 膣の入口にあるヒダがカリ首に引っかかり、異様な気持ちよさを感じる。まさに極上の快感だ。

「あっ、ああっ。これはたまらんな。すぐにイッてしまいそうだ」

 子宮口をこじ開けそうな程、奥に入り込む肉棒は彼女の膣内で意図も容易く朽ち果てそうになった。桃子自身はまだオーガズムへ達する様子は無いが、悦二としては挿入されているだけで女性の快感を十分に感じる事が出来るのだ。
 挿入する快感と、挿入される快感。彼は頭を垂れながら、無言で腰の動きを早めた。

「す、すげぇっ! あっ、あっ、んんっ、あんっ、あっ、あっ、あっ。桃子の体もっ……イイ感じになってきた」

 膝に力が入らなくなった彼女は顎を上げたまま喘ぎ、自分の体に起こる快感の変化を口にした。セクシーな腰をしっかりと掴む彼は、絶頂へと上り詰める互いの体の快感を受け取りながら、力強く腰を振り続けた。 

「はぁ、はぁ、ああっ。さ、先に俺の方が……イクッ!」

 ノブから手を離し、扉に上半身を預けた桃子は、体を前後に揺らしながら彼がイク瞬間を待った。そして、より高速に腰を動かす悦二の快感を喘ぎ声と共に喋り続けた。

「あっ、あっ、あんっ。すげっ……良く締まって絡み付いてきてっ。も、もうイキそうだっ。あっ、はぁ、はぁ。ああっ。イクッ!」

 歯を食いしばり、精一杯腰を動かす彼は桃子の膣内に激しく射精した。彼女の腰を強く掴み、大きなストロークで二回、三回と打ち付ける。

「ああっ! あっ……あっ……は、はぁ、はぁ、はぁ。イ、イッた……」

 最後まで彼の言葉を代弁した桃子の声が震えていた。それでもまだ彼女の体はオーガズムを迎えていないため、今度は悦二がフローリングの床に寝転がり、彼女の体を操って騎上位でセックスを始める。

「はぁ、はぁ、はぁ、あっ、あっ、はぁ、はぁ……」

 息を乱しながら腰を振り続ける桃子を、悦二は満足気に眺めていた。上下に揺れる胸。下腹部に感じる彼女の重み。そして先ほどと同様、膣が犯されているという桃子側の快感を感じていた。

「はぁ、はぁ、あっ、あっ。はぁ、はぁ、うっ……んっ、んっ」
「分かるぞ。もうすぐイキそうだな」

 彼が呟くと、桃子は上下に揺れながら頷いた。白い精液と愛液が混ざり合い、肉棒が突き刺さる膣口から溢れ出ている。ニチョニチョといういやらしい水音が激しく聞えると、桃子の口から「ああっ、イ、イクッ!」という裏返った喘ぎ声が漏れた。
 悦二の体にも力が入る。太ももの筋肉が硬直し、両手に拳を作った。

「あっ、ああっ、あ、あっ、ああ……イクッ、イクッ……うああっ!」
「うああっ!」

 桃子の体がビクビクと震えると、二人は同時に喘ぎ、朽ち果てた。男の絶頂とは比べ物にならない気持ちよさ。膣が痙攣し、肉棒を強く締め付けた。

「はぁっ、はあっ、はあっ。あっ、あ〜っ」

 肉棒を膣に挿入したまま上半身を倒し、胸元に寄り添った桃子を抱きしめた悦二は、全く同じタイミングで息を乱しながら彼女の体が発したオーガズムの余韻をしばらく楽しんだ――。



「この体は当たりだったな」
「ああ。久しぶりに名器と巡り会えた。うっ、はぁ」
「スタイルも申し分ないし、喘ぎ声もなかなか良かった。でも、セックスしてしまうと彼女と付き合いたいという感情が薄れたな」
「そんなもんだろう。俺の性格は」

 悦二はソファーに座り、彼女に汚れた肉棒を綺麗に舐め取らせながら次のターゲットを思案していた。別の若い保育士もいいが、子供の活躍を見に来ている若妻も捨てがたい。そんな事を思っていると、桃子が下着を身に付けながら、「青組に一人、美人の母親がいるぞ」といやらしい笑みを浮かべた。

「記憶を読んだのか」
「他には、赤組に二人くらいか。ま、俺が好みで選んだ場合……だけどな」

 ブラウスとジーンズを穿き、エプロンを元通りに付け直した桃子はオレンジのリボンを外し手串で髪を整えた後、もう一度括り直した。

「とりあえず桃子の体を返すか」
「返したついでに、別の体を持って来ようぜ」
「じゃあ……もう半分の魂を持って行け。魂を分けすぎると体の支配が薄まって抵抗されるかも知れないからな。後々面倒な事になる」
「ああ」

 悦二は右手の掌に精神を集中させると、体の中に残っていた半分の魂を青白い光の玉として浮かび上がらせた。

「う……はぁ」

 その瞬間、彼の意識がなくなった。ふわりと浮かんだ光の玉を手にした桃子が、ゆっくりと自分の体に埋め込んでゆく。

「んっ……ふぅ。これで俺の魂はこの体に全部入り込んだって訳だ」

 魂の抜けた彼の体はピクリとも動かず、ソファーで生気を無くしていた。その様子を眺めた桃子がフッと笑い、玄関へと歩いてゆく。

「……まだ少し生温かいな」

 先程、両手で握り締めていたノブに手を掛けた彼女は小さく呟くと、すでに運動会で盛り上がる幼稚園へと歩いていった――。



……ということで、余韻が残ったかも知れませんが一応終了です〜(^^;