そ、そんな〜
「えっ!?わ、私がいる……。ど、どうして?」
「よし、入れ替わり完了〜!」
「へっ……」
「気付かないのか?自分の声に」
「あっ!こ、声が……って、この声……」
「そう!赤橋がしゃべっている声は俺のさ。そして俺は赤橋の声……っていうか、体全部なんだけど」
「ど、どうなってるの!?私……海原君に……なってるの??」
「ああ。ちょっとだけ体を借りたくてさ。実は今日の放課後、バスケ部が体育館を使うだろ。俺達バレーボール部って、今週の土曜日に練習試合があるんだ」
「そ、それと体が入れ替わった事とどう関係あるのよっ!」
「バスケ部の顧問って菅原先生だろ。菅原先生って赤橋の事を気に入ってるんだ。だから、赤橋の姿で菅原先生にお願いすれば体育館を譲ってくれるんじゃないかって思ったんだ」
「そんなっ。私の姿で菅原先生に会いに行くっていうの?」
「だってさ、赤橋にお願いしたところで、嫌って言うに決まってるだろ」
「当たり前よ。あんなセクハラおやじ、話しかけるだけで気持ち悪くなるんだから」
「だから、俺が体を借りて、代わりに話しに行こうと思ってさ」
「ちょ、ちょっと待って。そんなの絶対に嫌よ。大体、どうして私が海原君の体と入れ替わらなくちゃならないのよ」
「さっきから言ってるだろ。菅原先生が赤橋の事を気に入ってるからだって」
「だからってそんな……。か、返して。私の体を返してよ」
「昼休みの時間だけさ。今から菅原先生に話してくるよ!」
「じょ、冗談でしょ!」
「冗談でこんな事しないって。俺達も練習試合に勝ちたくて必死なんだ。いつも負けてる相手だから、今回は絶対に勝ちたいって意気込んでいるんだから。それで、皆で金を出し合って、体を入れ替えられる薬を手に入れたんだ。そういう意味では、俺って男子バレーボール部の代表なんだよ」
「そんな事、勝手に決めないでよっ!あっ!ちょ、ちょっとっ!」
「じゃ、すぐに返すから待っててくれよ」
「やだっ!そんなに走ったらスカートが捲れちゃうじゃないっ。もっと大人しく走ってよ」
「ああ、悪りぃ悪りぃ。このお尻が見られたら恥ずかしいもんな!」
「あっ!ス、スカートを捲るな〜!」


……と言うわけで、無理やり体を入れ替えられてしまった彼女は、自分の体が帰ってくるまで体育館の隅で大人しく待っているのでした。
昼休みが終わるギリギリの時間に帰ってきてくれたのですが、元に戻ると何故か下半身に火照りが(^^
でも、恥ずかしくて聞けませんでしたとさw