「広畑君。空河さん知らない?」
「空河さん?いえ、知らないですけど」
「おかしいわね。広畑君の所に行くって言ってたんだけど……」
「確かにさっき来ましたけど、すぐに出て行きましたよ」
「そうなの?別の患者さんを診に言ったのかな」
「そうかもしれませんね。俺、今日はそろそろ寝ようと思うので」
「あ、ごめんね。電気消してあげようか」
「いえ。自分で消すからいいです」
「そっか。もう十分歩けるもんね。それじゃおやすみなさい」
「おやすみなさい」

 すでに窓の外が暗くなった総合病院の個室。広畑敦司は看護師が出てゆくと扉の鍵を閉めた。
 これで邪魔者は来ない。そう思いながら軽く右足を引きずり、ベッドの向こうを覗いた。
 その床には、薬によって意識を失った空河久美子がぐったりと横たわっていた。

「ごめんな、久美子さん。こんな固い床で眠らせて。すぐにベッドに運んであげるから」

 敦司は高校で部活をしている時に怪我をした右足をかばう様に、意識のない久美子を抱き上げるとベッドに仰向けに横たわらせた。この病院の制服である白い半袖のワンピース。そして、その裾から伸びる細い足には白いパンティーストッキング。静まり返った部屋に敦司の高鳴る鼓動だけが聞えるような気がする。
 表情のない彼女の顔を見つめながら、白いワンピースのボタンを首元から一つずつ外してゆく。この生地の向こうに、久美子の体が存在すると思うと更なる興奮を覚える。
 下腹部まで付いていたボタンを全て外し終えた彼は一瞬の間をおいた後、白いワンピースをゆっくりと左右に開いた。徐々に現れる久美子の素肌。そして刺繍の入った白いブラジャーに包まれた程よい大きさの胸。滑らかなお腹に付いている可愛らしい臍。肩まで覗かせたワンピースが淫らに見え、自分の手で清楚な彼女を汚している事を実感した。
 汗ばむ手で久美子の両肩から袖を抜き、ワンピースを脱がせてゆく。体の力が抜けた彼女は重く感じるが、全てを委ねてくれているのだという気分になって嬉しさを感じた。
 左右に体を押しながらお尻から足まで引き抜き、彼女の体からワンピースを剥ぎ取った。ブラジャーにパンティ、そしてパンストのみを身につけた久美子の姿に頗る興奮する。
 こんな魅力的な姿を目の前にし、よく理性が保てるものだと自分でも不思議に思う敦司だが、じっくりと彼女を手に入れたいという気持ちと緊張感が理性を制御しているのだろう。
 彼女の背中に手を回してブラジャーのホックを外し、肩紐から腕を抜いて二つの胸を露にする。淡いピンク色をイメージしていた乳首は、思ったよりも黒ずんでいた。
 更にパンストとパンティに指を掛け、彼女の下半身から脱がせてゆくと、目の前に黒い陰毛に包まれた股間が現た。その陰毛の間から、初めて生で見る女性の性器が見える。
 ゴクンと唾を飲み込みながら、パンストが破けないように脱がし終えた敦司は、久美子の裸体を頭からつま先まで舐めるように眺めた。
 もうすぐこの体を自分の物に出来る。そう思いながらパジャマや下着を脱ぎ捨てた彼は、久美子が寝ているベッドに上がると彼女の横に寝そべった。
 胸元を見ると、上下に動いているのが分かる。その乳房をそっと掌で包み、ゆっくりと指に力を入れて揉んでみた。何とも言えない柔らかさと弾力が掌一杯に伝わってくる。

「柔らかい……。これが女性の胸なんだ」

 息を乱しながら彼女に覆いかぶさり、ピンク色の唇に自分の唇を重ねると、強引に歯を開いて舌を口内へねじ込んだ。

「んん。俺、久美子さんと……ディープキスしているんだ」

 歯の裏や舌を丹念に舐めて口内を犯す。それでも薬で眠らされた彼女の反応は無かった。
 しばらくキスを続けていた彼が唇を離すと、透明な唾液が糸を引いて彼女の口元に落ちていった。
 何事も無かったかのように眠り続ける久美子の首筋を愛撫し、両手で乳房を揉みながら左胸の乳首を口に含む。吸い付きながら舌で転がすと、意識の無い彼女の乳首が硬く勃起し始めた。勃起した乳首を甘噛みしたり、左胸の乳首を指で摘んで引っ張ってみたり。
 貪るような激しい愛撫を受ける久美子の指が、ほんの少しだけ動いた。

「久美子さんの乳首、可愛くて仕方ないよ。もう食べてしまいたいほどだ」

 二つの乳首を何度も何度も舐め回り、力強く吸い付くと彼女の唇が微妙に開いた。意識が無くても体が反応し、感じるのだろう。
 胸を堪能した彼は一旦久美子の体から下りると、仰向けに寝かせたまま両膝を立てさせ、足をM字に開かせた。その間に体を割り込ませ、両手の指で陰毛に包まれた陰唇を左右に開いてみる。男の肉棒とは全く異なる構造を持つ女性の性器。ピンク色の膣口を指で開いて、中を覗き込んでみた。

「へぇ〜。この中にチンポが入るのか。何とも言えないなぁ」

 愛液で滑った膣内に指を一本入れ、膣壁の感触を確かめる。生温かい膣内を指で穿ると、M字に開いた彼女の足がピクンと震えた。

「こっちはクリトリスだな。こんな感じで皮を被っているのか。剥いてみたらどうなるんだろ?」

 今度は膣口の上、皮を被ったクリトリスを指の腹で弄ってみた。皮の上から円を描くように弄ると、また足がピクンと震える。頭を上げて彼女の表情を見てみると、眉を歪めて口を半開きにしていた。

「これ以上、弄ると起きちゃうかもしれないな。そろそろ……」

 愛液で濡れた指を舐め、彼女の味を楽しんだ敦司はM字に開いていた足をまっすぐに伸ばすと、隠しておいたカプセルを飲み、久美子の横に仰向けに寝転んで目を瞑った。
 急激な眠気に襲われると、ふと体が軽くなったように感じる。

(よし。これで体から抜け出すことが出来たぞ)

 仰向けに寝る敦司の体から、薄っすらと透けた彼の体がもう一つ現れた。正確には、彼の幽体(魂)が抜け出た事を意味している。
 まるで脱皮するような感じで寝ている体から離れた敦司は、ゆっくりとベッドに立ち上がると久美子の体を見つめた。

(へへ。じゃあ久美子さん。体をいただきます)

 誰にも聞えない幽体の声で呟いた敦司は、久美子の体を跨ぐようにして立つと、彼女の下腹部に座る感じでゆっくりと腰を下ろしていった。