姿見から一メートル程離れた位置で立っている早苗は、その滑らかな腕を白い体操服の襟元に近づけると、中を覗き見れるように引っ張った。
 そして何かを期待するような表情でゆっくりと俯き、広げた襟元の中を覗き込んだ。

「うわっ。すごい谷間だ。これ、スポーツブラってやつでよね」
(こんな事するなんて信じられない。これ以上は見ないでっ)
「そういえば、さっきはどうして長瀬にあんな事を言ったんですか?」
(き、聞いていたの?)
「はい。長瀬はどうしても恋愛対象にならないんですよ。先輩のような……こんなに素敵なスタイルの人じゃないと」

 輝夫は姿見に映る早苗の姿を見ながら答えた。

(そ……そんなの、長瀬さんはまだ一年生なんだから)
「三年生になっても、先輩のようなスタイルにはならないと思いますよ。それよりも、部活が終わった後の先輩の体って汗臭くてたまんないっす」
(な、何匂ってるのよっ。変態みたいな事しないで!)

 広げた襟元の中に顔を密着させ、体操服の中を匂っている。
 他人が見れば少々怪しい行動だった。
 しかし、輝夫はしばらくそのまま早苗の汗臭い体を匂っていた。
 憧れの先輩も自分と同じように汗を掻き、匂うのが嬉しいようだ。

「はぁ〜。やっぱり先輩でも汗臭くなるんですね」
(もうやだぁ〜)
「そんな事、言わないでくださいよ。僕は先輩のすべてを知りたいんですから!」

 襟を戻した早苗の手が、また大きな胸に宛がわれる。
 輝夫は掌から溢れる乳房の感触を、その重みを確認しながら、いやらしい手つきで胸を揉む姿を早苗に見せ付けた。
 自分の意思とは無関係に動き、胸を揉む両手。
 その表情がとてもいやらしい。
 それでも姿見に映るのは早苗本人であり、彼女が自ら胸を揉んでいるようにしか見えないところに更なる羞恥心を感じた。

(お、お願いだから姿見から離れてっ。こ、こんな姿を見せないで)
「先輩の胸、マジで柔らかくて気持ちいいですね。それに胸を揉まれるってこんな感じだったんですか。鳥原先輩には揉まれたんですか?」
(そ、そんなの知らないっ)
「否定しないって事は、もう揉まれちゃったんですね。何だかすごく残念ですよ」

 そう言いながらも、早苗は笑顔を崩さなかった。
 鳥原に揉まれた胸も、今は自分のものであり、こうして自由に扱うことができる優越感に浸っているのだろう。
 早苗の手が胸を中央に寄せ、体操服の上からでも分かるほどの谷間を作る。
 そして、大きく上下に揺らして肩に掛かる重みを、皮膚が引っ張られる感覚を楽しんだ。
 こうして自分がとる行動がすべて早苗の行動として実行される事に頗る興奮する。
 掌に感じる体操服の生地。乳房の先に感じる、硬くなり始めた乳首の感触。
 彼女に思い通りの行動を取らせる独占欲、支配感は相当なものだ。
 早苗の体は輝夫の意思をまったく拒否することなく受け入れるのだから。

「ねえ先輩。先輩が一番感じるところってどこですか?」
(…………)
「先輩ってば」

 恥ずかしいのか、早苗は質問に答えなかった。
 ならば自分で探すだけ。そう思った輝夫は、両手を体中に這わせ始めた。
 ネットで調べたところによると、耳を弄られるのが気持ちいい女性がいるようだ。
 輝夫は両手を耳に沿え、優しく耳を弄ってみた。
 耳たぶを撫でてみたり、耳の中に小指を入れてみたり。
 しかし、早苗は何も言わないし、輝夫自身も特に感じるという事はなかった。
 それからも顔を弄ってみたり、腕を揉んだり、汗で少しべとついた太ももを触ってみたり。
 少しゾクッとする事もあったが、それが快感に繋がるというものではなかった。

「もしかして自分で触っているから感じないのかな?他人の触られるのと自分で触るのは感覚が違うし。そういう意味では、先輩って自分の体だけど僕に触られている事になるんですよね。どこも感じないんですか?」

 それでも早苗は沈黙を守っていた。

「やっぱり女性として感じるところを触らないとダメなのか。乳首と股間だよな」
(い、いやっ!そこは触らないでっ)
「あ、先輩。やっとしゃべってくれましたね」
(井賀岡君、お願いだから触らないで。触られたくないのっ)
「でも……」

 少し戸惑う表情を作りながら、早苗の右手は赤いブルマの股間に添えられた。
 男では考えられない滑らかな曲線を何度も上下に這う掌は快感を得るためではなく、女性の体であることを確認するために撫でている感じだった。

「これが先輩の股間なんですね。僕のとは全然違いますよ」
(ひどいよ。触らないでって言ったのに……)
「だって、触りたいんですから」

 赤いブルマに包まれた股間を触る感触、そして掌に伝わる温かさがたまらない。
 姿見を見ると、少し顔を赤らめた早苗が恥ずかしげもなく股間を弄っている姿が映し出されていて、輝夫を興奮させた。

「先輩の体、もう興奮しているんですか?」
(もう知らないっ!)
「じゃあ見てみますね」
(えっ!ちょ、ちょっと!井賀岡君っ!)

 早苗は姿見の前でブルマのゴムに両手の親指を引っ掛けると、ゆっくりと引っ張り下腹部との間に隙間を作った。

(や、やだっ!見ないでっ。絶対に見ないでっ)
「もう見えてますけど」

 輝夫は早苗の瞳を通じて、ブルマの中を覗き見た。
 白いパンティも一緒に引っ張られ、のっぺりとした下腹部と黒い陰毛の生えた股間が披露されている。
 更に前に引っ張ると、ちょうど割れ目の部分にあたるパンティの生地が少し濡れている様な気がした。

「先輩、パンティが汚れてますよ」
(やだぁ〜。どうして見るの……)
「すごくいやらしいですね。これってオシッコじゃなくて、マン汁なんでしょ」
(知らないっ)
「ほんとは僕に体を弄られて気持ちよかったんですか?それならそう言ってくれればいいのに」

 ブルマを前に引っ張っていた手が、上に持ち上げられた。
 股間にブルマの生地が張り付き、そして食い込んでゆく。

「うわ……」

 その食い込みが股間を象るように左右に割れると、早苗の体がビクンと震えた。

(ちょ、ちょっと……)
「見てくださいよ先輩。ブルマがこんなに食い込んでます。それに今、体が震えましたね。僕にも分かりましたよ。クリトリスが擦れたんでしょ」
(い、いちいち説明しないで。自分がしていること、分かってるの?)
「分かってますよ。先輩の体を弄っているんです」

 ブルマの食い込みが戻らないようにわざと足を閉じた輝夫は、そのまま体操服に手をかけると焦らす様にゆっくりと脱ぎ始めた。

(い、井賀岡君っ!それ以上は……)
「先輩の体、見せてくださいよ」

 白いお腹が現れ、スポーツブラに包まれた大きな胸が映し出される。そのまま体操服を頭から抜き、長い髪を左右に靡かせながらテーブルの上に置いた輝夫は、まだ食い込んだままのブルマを穿いた早苗の姿をじっと眺めた。
 スポーツブラの間に見える深い谷間。
 自分の体とは違い、全体的に華奢に見える上半身がさらに胸を強調しているように思えた。
 下から胸に手を当て、左右でタイミングをずらして上下に揺らしてみる。
 そのボリューム感は相当なもので、よくこんなものをつけて走れるなぁと思えるほどだった。

「ねえ先輩。この胸が無ければもっと早く走れるんじゃないですか?」
(わ、私だって好きでそうなったわけじゃないわよっ)
「揉まれ過ぎたんじゃないですか。それとも自分で揉んだとか」
(バカな事、言わないで。も早く私の体から出て行ってよっ)
「ダメですって。まだぜんぜん楽しんでないんですからね」

 足を開くと、ブルマの食い込みが元に戻った。
 しかし、その食い込んでいた部分が少し濡れている。

「先輩って感じやすいんですね。見てくださいよ、このブルマ。マン汁のシミができてますよ」

 今度は蟹股に足を開き、愛液で濡れたブルマの生地を両手で広げて見せた。

(や、やだっ……。も、もう……お願いだから)
「そろそろ先輩の気持ちいい快感を楽しませてもらいますかね。ドキドキしますよ」

 輝夫は徐にスポーツブラを掴み、シャツを脱ぐような感覚で体操服と同じく、テーブルの上に置いた。
 惜しげもなく披露される生乳に視線を集中させる。
 少し大きめの乳輪にふさわしいピンク色の乳首が勃起していた。

「これが先輩の胸なんですね。思っていたよりも大きな乳首ですね」
(ひどいっ!どうしてこんな事までするのよっ)
「そんなに怒らないでくださいよ」

 嬉しそうに乳首を弄ろうとした輝夫だが、じっくりと楽しむために椅子を姿見の前に用意し腰掛けた。
 背もたれの冷たさを感じつつ足を開き、ブルマに包まれた股間を姿見に映し出す。
 そのまま両手の指で乳首を摘むと、初めての感覚に思わず声を漏らしてしまった。