ローターの先端が滑った陰唇を左右に開き、その中にある膣口にめり込んでゆく。

「うっ。うううっ」

 ゆっくりと膣に飲み込まれてゆくローターはスイッチが入っていないので、固いタンポンと同じ感覚だろうか。ただ、美香はタンポンを膣に入れる行為を汚いと感じていて、生まれてから一度も使用したことが無かったので体に挿入感を持っておらず、乗り移っている平治には分からなかった。それよりも、田宮や付き合っている男性の生温かい肉棒を連想するのだ。
 ローターの後部を持っている指先が膣口に触れ、完全に膣内に納まった。膣口からは電源用の細い線が出ているだけだ。

「どんな感じだ?」
「まあ……膣が満たされたって感覚だな。入っている事よりも、海十の姉貴に入れられたって事の方が興奮するけどさ」
「そうか。じゃあパンティを穿けよ」
「ああ」

 美香は香帆から手渡されたシミ付きのパンティに足を通し、下腹部とお尻を包み込んだ。
 のっぺりとしたパンティの脇から小さめのローターを陰唇、ちょうどクリトリスに触れる位置にセットした香帆は、美香が窮屈なジーンズを穿き終えるまでローターから伸びる線に付いている二つのプラスチック箱を持ってやった。

「なかなか太ももが入らない」
「だろ。片足ずつ引っ張らないと」
「それでもキツイな。くっ……」

 両手で強引に引き上げ、何とか腰まで穿いた美香はローターで盛り上がるパンティを気にしながらジッパーを上げ、ボタンを留めた。どうやら香帆よりもお尻が多少大きかったようで、かなり強引に穿きこんだようだ。

「窮屈なところ悪いけど、これをポケットに入れておいてくれ」
「うっ。強引だな」
「こんなのぶら下げてたら違和感があるだろ」
「それはそうだけどな」

 ローターに繋がるプラスチックの箱をジーンズの前についている二つのポケットに押し込んでやった香帆は、タンスの引き出しから下着を取り出し、先ほど美香が脱いだブラウスとタイトスカートを合わせて身につけた。
 その間に、ブラジャーとTシャツを身につけた美香。
 Tシャツにジーンズ姿の沖河美香。そして白いブラウスにタイトスカート姿で腰に手を当てている海十の姉、香帆。
 互いを見合うと、まるで首を挿げ替えたような錯覚に陥る。

「どうだ?沖河先生が身につけていた服を着る姉貴の姿は」
「似合ってる似合ってる。別に特別って感じもしないし、違和感がないな。沖河先生はどうだ?」
「Tシャツにジーンズ姿ってのは、さすがに普段の沖河先生からは想像できないな。しかも……」

 海十が操る香帆の視線がジーンズの股間に集中する。本来なら滑らかな曲線を描く場所が少し盛り上がっていた。股間にフィットしたジーンズがローターを強制的に陰唇にめり込ませているので、入れている事を知らない人が見れば気づかない程度だろう。

「あの沖河先生がローターを二つも仕込んでいるんだから。ありえないよな」
「へへっ。香帆がやりたいって言うから入れたのよ。股間にとても違和感があるわ。それに膣の中に異物を入れるなんて不潔よ。潔癖症の私がこんな事するのは今日だけだから、この姿をよく拝んでおいて」
「分かってるって、沖河せんせっ!」

 両腕を頭の後ろに挙げてポーズをとる美香の周りをいやらしい目つきで練り歩いた香帆は、ローターを制御するボリュームスイッチが付いた小さな箱を二つ、タイトスカートのポケットに忍ばせニヤリと笑った。

「さて、痴漢ごっこでもするか」
「いいねぇ。じゃあまず、俺が攻められ役ってことで。沖河先生らしく振舞ってやるよ」
「ああ。姉貴に悪戯される沖河先生。興奮するなぁ」

 手を下ろしてまっすぐに立った美香の後ろに陣取った香帆は、そのしなやかな手で沖河美香のお尻を優しく撫で始めた。