超SSとは言えなくなってしまいましたが(^^


 車両全体に酒臭い匂いが漂う、終電近い電車。
 平日の夜とあって、車両内にそれ程の乗客は乗っていなかった。

「大丈夫か?」
「大丈夫れすよぉ〜。アタシよりも課長の方が大丈夫れすかぁ〜?」
「相当に酔っているな。家まで帰れるか心配だ」
「何言ってんれすぅ。これくらい大したことないのれすよぉ」

 フラフラになっている部下、足憲 由茄(あしのり ゆな)を四人掛けの長椅子の右端に座らせた吉住課長は、彼女の前に立って「ふぅ〜」とため息をついた。
 ストレートの黒い髪に美人な顔立ち。白いブラウスにピンクのVネックカーディガンを着ている。淡い茶色のフレアスカートが洒落ていた。
 吉住の部下では一番人気のある彼女だけに、課内での飲み会があるといつも持てはやされていた。
 彼女としてもそれが心地よいのか、ついアルコールの量が増えてしまうようだ。あれほど気をつけるように言ったのに。
 皆、悪気があって飲んだり、飲ませたりしているわけではないので明日の仕事に差し支えなければそれでいい――そんな風に思うようになっていた。

 会話が途切れてからほんの一分。由茄は電車の揺れが気持ちいいのか眠りについてしまった。車両の壁に頭を凭れさせ、両手は体の横に垂れている。

「はぁ〜。こりゃ、家まで送らなきゃまずいな。変な男に連れて行かれたら大変だ」

 苦笑いをした吉住は、深い眠りについたであろう由茄を眺めた。
 若い部下が、彼女をちやほやするのはよく分かる。吉住だってこんな美人と付き合えたらどれほど幸せか。だが、家族を持つ彼には関係のないことだった。
 
「明日は二日酔いで出て来れないんじゃないかな……」

 そんな事を思っていると、ふと彼女の胸に異変を感じた。カーディガンに包まれた二つの胸が歪に変形し始めたのだ。

「えっ!?」

 飲みすぎたのか?
 そう思ってじっと見つめるのだが、やはり由茄の胸は不自然に動いていた。まるで胸を揉まれている様な感じ。

「な、何だ?どうなってるんだ?」

 目の錯覚ではない。確かにカーディガンが揺れ、変形しているのだ。中央に寄せるように動いたり、円を描くように動いたり。
 一体何が起こっているんだ?まるで透明人間にでも悪戯されているような感じだ。
 吉住は車内を見渡した。由茄が座っている四人掛けの椅子には彼女しか座っていない。そして後ろにある四人掛けの椅子には誰も座っていない。
 少し離れた長椅子に、酔いつぶれたサラリーマン達が数人いるだけだ。

「これは一体……あっ」

 Vネックの襟元が引っ張られ、カーディガンの生地が盛り上がった。
 カーディガンの中に手を忍ばせて胸を揉んでいるように見える。現に、カーディガンの生地には人間の指らしき形が浮かび上がり、揉みしだいているのだから。

「う、嘘……だろ」

 信じられない光景に、吉住はただあっけに取られるだけだった。
 深い眠りに落ちている由茄は全く気づいていない様子で、ずっと寝息を立てている。
 それをいいことに、見えない手はカーディガンの中でしばらく胸を揉み続けていた。

「…………」

 誰かに部下の胸を揉まれている。吉住はそう思った。しかし、その非現実的ないやらしさに思わず見とれてしまうのだ。
 Vネックから見えるブラウスのボタンが二つほど外れると、今度はブラウスの生地が左右に開き、胸の辺りが盛り上がった。
 直接胸を揉まれているようだ。左胸のブラウスがモゾモゾと蠢き、時折大きく膨れ上がる。指で乳首を摘んでいるのだろうか。そして、ブラウスの盛り上がりが右側に移動し、同じく胸を弄んだ。

「あ、足憲君……」

 彼女を起こそうと思い小さく声を掛けたが、それ以上は話しかけなかった。
 何故なら、閉じていた由茄の足がひとりでに開き、フレアスカートの生地に盛り上がりが出来始めたからだ。
 スカートの中に手が入り込んでいる。
 吉住は直感した。スカートの裾を捲り上げないように入り込んだ手。太ももを撫でている様子が生地の動き方で想像出来る。
 未だ、ブラウスの中にある盛り上がりは胸を弄んでいるようだ。
 スカートの生地に浮かび上がった盛り上がりは足の付け根に達したかと思うと、内ももの方に消えていった。
 その様子を見て不覚にも勃起してしまった吉住は、また車両の中を見渡した後、由茄に視線を戻した。
 先ほどまで閉じていた赤い唇が少し開き、微妙に震えている。
 スカートの盛り上がりは無くなっているが、おそらく見えない手はスカートの中に存在し、由茄の股間を弄っているのではないだろうか。

「ぁっ……」

 由茄が吐息を漏らした。表情が曇っている――というよりは、感じているのだろうか? 眉を歪めて息が荒くなっているように思えた。
 じっとスカートの股間辺りを見てみると、かすかに生地が揺れている。やはり弄られているのだ。
 ズボンの中で勃起する肉棒を今すぐしごきたい。
 そんな事まで考えてしまった吉住を、更に官能的な動きが翻弄した。
 今まで胸を弄っていた膨らみが消えたかと思うと、フレアスカートが少し捲れ上がり、両方の太ももの上に膨らみが現れた。その膨らみが股間――いや、腰の辺りまで達すると、信じられないことに両足から白いパンティがずり落ちてきたのだ。
 ゴクンと唾を飲み込んだ吉住は、そのパンティの行方をじっと見つめた。
 スカートから出てきたパンティが脹脛を通り、足元まで下ろされる。そして、右足が不自然に持ち上げられると、パンティが足から抜かれた。同じように左足からもパンティが抜かれると、まるで見えない釣り糸に吊られているかのように宙を漂った。

「なっ……お、おい。嘘だろっ」

 由茄のパンティが、意思を持っているかのように宙を舞い、吉住が着ているジャケットのポケットに入り込んだ。これでは吉住が泥棒したように思われてしまう。
 更には、見えない手によって吉住の体が捕まえられ、強引の由菜の隣に座らされてしまったのだ。

「な、何だよ一体っ……」

 立ち上がろうとすると、見えない手によって強引に押し戻された。

(大人しくしろ。さもないとお前が痴漢呼ばわりされるぞ)
「なっ!!」

 何もない空間から男性の声が聞こえる。
 誰かいるのだ。透明人間のように姿が見えない誰かが。

「だ、誰だ」
(誰でもいいだろ。大人しくしていればいい思いをさせてやる)

 また声が聞こえると、力が抜けた由茄の右手が浮かび上がり、吉住のズボンに宛がわれた。

「わっ……」

 柔らかい由茄の手が勃起した肉棒の上で前後に動かされる。もちろん本人の意思ではなく、見えない男の手が由茄の手を上から押さえるようにして動かしているのだ。

(どうだ?綺麗な女の手でしごかれるのは?お前はその手を使って好きなことをしていればいいさ。俺は女の味見をさせてもらうから)

 由茄の手がズボンの上で止まった。そして――由茄の足が大きく開かれると、フレアスカートの生地が今までにない盛り上がりを見せたのだ。海坊主のような丸い盛り上がりが、股間のところまで入り込んでいる。
 ズボンの上に乗せられた由茄の手がピクンと震えた。

「んっ……。ぁっ……。はぁ……はぁ」

 明らかに感じている。
 きっと見えない男の舌が由茄の股間を舐めているのだ。それだけではない。先ほどまで止まっていた胸が、また歪に動き始めたのだ。今度は両方の胸がカーディガンの生地ごと揉まれている。
 まだ目を覚まさない由茄。愛しい彼氏に愛撫されている夢でも見ているのだろうか?
 見えない男に電車の中で体を弄られていると気づいたとき、どう思うだろうか?

 未だ、ズボンの上に乗っている由茄の右手。
 この手を動かしてしごきたい。そんな衝動に駆られた。
 見えない男はしばらくフレアスカートの中に潜り込んでいたが、駅が近づくアナウンスが聞こえると中から出てきた。
 その代わりに、スカートの中からクチュクチュという音が聞こえてくる。

「あっ……あっ、はぁ、はぁ、はぁ……んんっ」
(お前にも聞こえるだろ?指を二本入れてかき回してやっているんだぜ)
「…………」

 電車がホームに着いて自動扉が開いたが、客は一人も乗ってこない。その間にも、見えない男の指が由茄の膣に入り込み、いやらしくかき回しているのだ。

(大人しい奴だな。誰も見てないって。お前もその手でしごけよ。俺が手本を見せてやろうか)

 扉が閉まり、電車が動き出すといやらしい水音は聞こえなくなったのだが、今度は由菜の左手がひとりでに持ち上がり、空中で何かを握り締めるような状態になった。
 そして、握り締めたまま前後に揺らされる。

(やっぱり美人の手でしごくのって最高だ。どうだ?お前もズボンを脱いでこんな感じでしごいてみろよ。たまんねぇぜ)

 由茄は見えない男によって肉棒を握らされ、手コキを強要されているのだ。

(出来ればこの肉棒を膣に突っ込んでやりたいところだが、さすがに体勢が厳しいからな。今日は手コキで我慢するか……ううっ!)

 一人でしゃべりながら、由茄の手を使ってあっと言う間に射精してしまったようだ。カーディガンの胸元からお腹にかけて、精液が飛び散っている。

(ふぅ。気持ちよかった。お前もこの女が寝ている間にやっちまえよ。俺は堪能したから別の獲物を見つけてくる。じゃあな)
「……お、おい……」

 何とも無責任な見えない男は、吉住の前からいなくなってしまったようだ。
 残されたのは、服に精液のついた由茄と、彼女の手が股間に乗っている吉住。

「一体どうすればいいんだよ……」

 とりあえず由茄の手を椅子に戻した吉住は、ポケットの中に手を入れ、彼女が穿いていたパンティを握り締めた。

「……湿ってるんだよなぁ。まったく」

 服についた精液を拭き取り、パンティを穿かせている間に起きてしまうだろうか?
 そんな事を考えながら、吉住は大きくため息をついた。

「俺も透明人間になりたいよ」