朝のラッシュ。
 今日も女子専用車両はOLや女子高生達で隙間なく埋まっていた。
 そんな状況の中、自動扉がある広い空間にはベージュのパンツスーツに白いロングコートを纏ったOL、波瀬 憂と女子高生の科頭 沙代子が向かい合うように立っていた。
 互いの顔を見つめあいながらニヤニヤと笑っている。面識のないはずの二人は、まるで親しげな友達といるかのような雰囲気を漂わせていた。
 沙代子の手が憂のロングコートに触れ、下腹部辺りのボタンを外している。そして、周りの目を気にしつつ、コートの中に手を差し入れた。

「なんだ。スカートじゃ無いのか?」
「みたいだな。でもファスナーを下ろせば簡単に手を入れられるだろ?」
「ああ。やってみる」

 憂が心持ち足を開くと、沙代子はコートの中でパンツのファスナーを引き下ろした。そして、そのままパンツの中へ手を忍ばせようとした。

「ちょっと入れにくいな。ズボンのボタンも外さないと」
「そうか。じゃあ外してもいいぜ。でも片手で外せるのか?」
「さあ」

 顔をしかめながらコートの中で手を動かしていた沙代子がニヤリと笑った。その瞬間、憂は下腹部への締め付けが緩んだことを感じたようだ。

「手馴れてるな。俺といない時も勝手にやってるんじゃないのか?」
「別に。これで手が入れやすくなったよ」
「ああ。……って、いきなり直接触るのか?」
「いいじゃん。そんなに時間もないんだし」
「いいけどさ……んっ」

 憂は短く鼻にかかった吐息を漏らした。
 コートの中に入り込んだ沙代子の手がパンティの中に忍び込み、陰毛を掻き分けながらクリトリスを弄り始めたのだ。
 女子専用車両で行われる痴漢行為。しかしそれはお互いが納得している行為だった。
 お互いが納得しているといっても――それは憂と沙代子が納得しているのではなく、二人の体に乗り移っている高校生、真二と敦夫が納得していると言うことだ。
 二人の体は女子専用車両の隣の車両に座り、深い眠りについているように見えた。

「もう濡れてる。その女の体、結構エロいんじゃない?」
「電車の中、目の前にいる女子高生に体を弄られてるんだ。感じないわけないだろ」
「それはお前が興奮しているだけだろ?」
「俺が興奮すれば、この体も興奮するって事だ。それくらい分かるだろ?」
「分かってるさ。俺だってこうやってお前の……OLのお姉さんの体を弄っているだけで下半身が火照ってるんだから。自分で体を弄らなくても興奮するなんて、男で勃起しているのと同じだな」
「男の話はいいって。今は女同士なんだから……んっ。膣に指を入れるなよ」
「クリトリスの方が気持ちいいのか?」
「そういうわけじゃないけどさ。はぁ……ん。すげぇ感じる。お前も弄ってやろうか?」
「ああ」

 二人の周りを女性達が囲んでいる。携帯電話を操作している人。音楽を聴いている人。小説を読んでいる人。友達としゃべっている人。
 誰も二人の痴態に気づいている女性はいなかった。OLの手が女子高生のブラウスのボタンを外し、その中に手を差し入れている。
 女子高生の腕がOLのロングコートの中で蠢いている。
 互いに体を捩じらせ、女の喜びを感じていた。
 淡いピンクの唇から吐息が漏れている。
 可愛らしい十代の唇が、大人びた喘ぎ声を小さく漏らしている。

「んっ、んっ。そこ……すげぇ気持ちいい」
「あっん。そんなに乳首を捻るなよ。痛くて……気持ちいいだろ」
「わ、悪りぃ。先にイカせてくれないか?クリトリスが気持ちよくて……」
「いいぜ。じゃあさっさとイッちまって俺をイカせてくれよ」
「はぁ、はぁ、はぁ、ぅぅっ。イ、イクッ」

 憂は体を硬直させると、「うっ、うっ」と何度か小さく喘ぎ声を上げた。
 全身に快感がめぐり、思わず体勢が崩れそうになる。

「大丈夫か?」
「はぁ、はぁ。思ったよりも簡単にイケたよ。クリトリスがジンジンしてる」
「そっか。じゃあ早速だけど次は俺の番だ」
「そうだな。はぁ、はぁ」

 憂が周りから見えないように沙代子のプリーツスカートを捲り、パンティの脇から指を差し入れる。すでに感じているのだろう。女子高生のそこは愛液が滲み出て、すぐに指が滑った。

「こんなに濡らしちゃって。お姉さんに弄られるの、期待してたの?」

 ニヤリと笑った憂が女口調で呟くと、沙代子も調子をあわせ始めた。

「は、はい。私をぐちゃぐちゃにしてください」
「可愛い娘ね。じゃあお姉さんの指でイカせてあげるわ。皆がいる電車の中でね」
「んっ、あっ……。お姉さんの指が私のクリトリスを弄ってる」
「気持ちいいでしょ。もっと弄ってあげるからね」
「はぁ、はぁ、ぁぁぁ〜っ」

 家から学校の最寄駅までの、ほんの二十分間。
 二人はいつもこうやって女性の体に憑依し、その快感を堪能していたのであった――。