「海十、起きてる?姉ちゃんだけど入るよ」

 起きているはずがないのに香帆の手で扉をノックすると、海十は返事のない自分の部屋に入った。電気をつけっぱなしでベッドに横になっている体。白いTシャツに学校指定の黒いジャージのズボンという姿。扉を開け閉めする音にピクリとも動かない体は死んでいる様にも思えるのだが、胸元を見つめると上下に動いているのが分かる。魂は抜けていても、体の機能は正常に機能しているようだ。浮遊霊に体を取られそうな気もするが、海十が飲んだ薬には自分以外の魂を寄せ付けないような霊的な効果があるらしく、心配する必要はなかった。

「寝てるの?海十。起きないなら姉ちゃんが悪戯しちゃうよ?」

 机の上に置いてあった携帯電話を手にすると、カメラモードにして化粧で整えた顔を何枚か撮ってみる。その中で一番お気に入りの笑顔が撮れた画像をメモリーに保存した。
 更には片手をジャケットの中に差し入れ、胸に宛がっている状態で撮る。感じているのではなく、ニヤリと笑って挑発するような表情に普段の姉から想像できないギャップを感じた。

「折角だから姉ちゃんの色々なところを海十の携帯で撮ってあげる。胸がいいかな?勃起した乳首?あ、グロテスクに見えるオマンコにする?」

 香帆の声でしゃべる自分に興奮する。ジャケットとブラウスのボタンを二つほど外し、その中に見えるブラジャーに包まれた胸を接写。片手でブラジャーを胸から引き離し、勃起した乳首が見える状態にしてもう一枚。
 続いて、肩幅ほどに足を開き、立ったままタイトスカートの中を撮ると、タイトスカートを捲り上げてパンストとパンティに包まれた股間を三枚撮った。

「裸を撮るよりも、こんな感じで見えるほうが海十は興奮するもんね。後で姉ちゃんがオナニーしているところを撮っておいてあげるよ」

 セクシーな香帆の体を携帯に収めた海十は、ベッドに横たわる自分の体に近づいた。

「海十、起きて。海十っ」

 香帆の真似をしてわざとらしく問いかけた後、ベッドの横に膝立ちした。

「起きないのならキスしちゃうから!」

 少しいやらしい笑みを浮かべた香帆が、意識のない海十の頬に軽くキスをするとピンク色の口紅が薄っすらと残った。

「姉ちゃんにキスされるの、初めてだよね」

 両手で海十の頬を撫でた後、頭を優しく撫でてみる。それでも海十は目を覚まさなかった。

「寝たふりしてるの?それとも本気で寝てるの?」

 海十の胸に手を置き、しばらく眺める。自分の顔をこんな風に眺めるなんて初めてだ。鏡に映る表情と微妙に違う感じがした。
 Tシャツの上から撫でるように手を動かした後、裾から手を入れて直接胸を弄る。ボリュームの無い、ごく一般的な高校男子の胸板を何度か撫で回した後、小さな乳首を指の腹で転がしてみた。面白い事に、女性の乳首と同じように固くなっている。

「ふ〜ん。海十の乳首、女の子みたいだよ。まるで寝たふりしているみたい」

 Tシャツの中から香帆の手を抜いた海十は、ズボンの股間に手を添えた。乳首を弄っていたせいか、しっかりと勃起している肉棒。そのままを手で優しくなぞり、魂の抜けた体に話し掛ける。

「もうこんなに固くして。姉ちゃんの手が気持ちいいの?まだ女の子に触られた事がないもんね。初めて触られたのが姉ちゃんで良かった?」

 肉棒を模るように指を動かし、その大きさを確認する。こうして触っているだけでも香帆の下半身は熱くなってくるのだ。
 細い手がズボンの中にゆっくりと入ってゆく。手の甲が生地を盛り上げ、その盛り上がりが肉棒の上に重なった。

「海十のチンコ、温かいね。ガマン汁が出てるよ」

 海十はわざと香帆に隠語をしゃべらせ気分を盛り上げると、そのガマン汁を人差し指で亀頭に塗り広げ、柔らかい手で優しく握り締めた。

「姉ちゃんの手で握られただけでイッちゃうんじゃない?それともしごかれるのを我慢してるの?ねえ、しごいて欲しいって言わないとしごいてあげないよ」

 表情を変えず、ただ横たわるだけの体に香帆の声で囁く。握っている手をそのまま軽く持ち上げてジャージのズボンを数センチほど引き上げると、香帆の白い手に握られた肉棒が薄暗いトランクスの中に見えた。
 肉棒は早く何とかして欲しいと言わんばかりに、尿道から涎のようにガマン汁を垂れ流している。これが自分の肉棒かと思うと、少々複雑な気分でもあった。

「ふふ、ごめん。海十は今、何もしゃべれないもんね。姉ちゃんに任せて……っと。その前に!」

 ガマン汁が付いた手を引き抜いた海十は、一度香帆の部屋に戻ると机の引き出しの奥からコンドームを一つ持ち出した。そして、化粧落としをウェットティッシュに染み込ませて自分の部屋に戻った。
 相変わらず表情のない自分の顔を眺めつつ、ベッドの横に膝まづく。

「姉ちゃんが気持ちいいことしてあげるね!何も言わなくてもチンコが反応してくれるから嬉しいよ」

 コンドームを包むビニールの上にウェットティッシュを畳んで乗せてベッドの下においた後、掛け布団を床に放り投げるとギシギシと軋むベッドの上に上がりこんだ。力の抜けた足からジャージのズボンを脱がせ、グレーのトランクスだけを穿かせる。

「海十はまだ手コキもフェラチオもされた事がないんだ。姉ちゃんが初めてでも構わない?構わないよね。腰が抜けるほど気持ちいい事、してあげるから。姉ちゃんにしか分からない弟の喜ばせ方をね」

 力なく横たわる足を左右に開かせ、その間に四つん這いになって香帆の体を割り込ませた海十は、タイトスカートの生地が張ったお尻をツンと持ち上げながら上半身を沈めた。 目の前には、トランクスの中で萎えかけている肉棒がある。その肉棒をトランクスごと右手で掴むと、ゆっくりとしごき始めた。

「ねえ、気持ちいい?姉ちゃんに手コキされて、気持ちいい?トランクスの中でイってもいいんだよ」

 少し強く握り締め、天井に亀頭が向くようにしてしごく。その感覚が分からないので、気持ちいいのか痛いのかは不明だが、肉棒が固く勃起している様子を見る限り気持ちいいのだろう。しばらくしごいた後、一旦手を離して両足の太ももからトランクスの中に手を入れ、直接肉棒を抱きしめるように掴んだ。

「両手で握り締めているのが分かるでしょ?もう……。ガマン汁がトランクスに染み出してるじゃない。そんなに興奮してるの?リクルートスーツ姿で……。ああ、下半身が疼いて切ないよ」

 自分の肉棒を直接舐めることに抵抗があるのでコンドームを持ってきたのだが、まずはトランクスの生地越しに亀頭を舐めてみた。生温かさがトランクス越しにも分かる。
 トランクスの中、親指で亀頭を撫でるとガマン汁が滑って触り心地がいい。
 本来なら「うっ」とか「あっ」とか声を上げるはずだが、やはり海十の表情は変わらなかった。
 このシーンをビデオカメラに収めたい。姉がリクルートスーツでベッドに上がり、弟のトランクスの中に両手を入れて肉棒を弄ぶ姿。
 海十にとっては、どんなAVを見るよりも刺激的で魅力的だった。
 両手で抱きしめるようにしながら上下にしごいてみる。包茎ではないが、皮で亀頭を隠す事は出来るので下から皮で亀頭を多い被せるようにしながらしばらくしごきつづけた。

「ああ、すごいよ海十。姉ちゃんの手の中でこんなに大きく、固くなってる。もうトランクスはいらないよね。脱がせてあげる」

 香帆の手をトランクスから抜き、両足から脱がせた海十は、目の前に現れた見慣れているはずの肉棒を見て妙な違和感を覚えた。

「俺のチンポってこんなんだっけ?……こういう風なアングルで見た事が無かったからかな。……まあいいや。海十のチンコって結構でかいよね。膣の中に入れたら子宮まで届きそうよ。でも私達は姉弟だからそんなこと出来ないの。分かるでしょ?」

 手を伸ばし、床に置いていたウェットティッシュとコンドームを取ると、ビニールを破いてコンドームの先をつまんだ。

「でもね、海十がどうしても姉ちゃんとしたいっていうのなら、姉ちゃんは受け入れてあげる」

 女性の経験がない海十が、香帆の手でコンドームを手際よく肉棒につけてゆく。陰毛を挟まないように肉棒の根元を左手の中指と親指で押さえ、そのまま最後までゴムを伸ばし、肉棒を覆い尽くす。その後、化粧水の付いたウェットティッシュでコンドームを綺麗に拭いた。
 コンドーム特有の匂いがほぼ消え、海十にとっては舐めやすい状態となった。自分の肉棒を舐める事に抵抗はあるが、直接舐めるわけではないので我慢できる――と言うよりは、他人の肉棒を舐めるよりもマシだと思っていた。結局、海十は姉の体でセックスがしたいと思っているのだから。