ページを捲った香帆の体がビクンと震えた。それでも本に目を通している。

「来たんだ。でもいきなり膣の中に入るのは反則よ。もう少し愛撫した後に入ってきたら?」

 その言葉に、膣の中の圧迫感が無くなった。足を揃えて座る香帆の股間に膨らみが現れたが、すぐに消える。

(やっぱりいきなり膣に入るのはダメなのか。じゃあクリトリスから)

一旦、半実体化を解いていた海十は、もう一度部分的に半実体化すると、ジーンズの中、パンティに潜り込んで膣口の上、クリトリスの辺りに幽体を擦りつけ始めた。

「んっ、そうね。まずはそうやってクリトリスを弄るのがいいよ。でも、最初はあまり激しく弄らずにそっと優しく。そうそう、そうやって……んっ。気持ちいいよ、海十」

 少し足を開いて、左手を股間に添えてみる。すると、ジーンズの中で何かが動いているのが指に伝わってきた。

「いい感じで動いてるね。海十がクリトリスを弄るから、体が少しずつ感じ始めてるよ。別にクリトリスだけじゃなくて、胸も気持ちがいいから弄ってみて」
(胸?まあいいけど)

 クリトリスを弄っていた海十は、半実体化を解いてふわりと胸に移動した。白いプリントTシャツに浮かび上がる二つの乳首。直接弄るために、Tシャツの生地を通り越してから部分的に半実体化した。
 すると、Tシャツの生地がいきなり少しだけ盛り上がった。ほんの一センチほどの球体は、ちょうど乳首と同じくらいの大きさ。その盛り上がりが乳首に重なり、上下左右に動いている。

「あっ。すごい。Tシャツの中で乳首が勝手に動いてる。いやらしい動き……」

 本から胸に視線を移した香帆は、Tシャツの中で蠢く乳首を見て興奮しているようだ。生地にこすり付けられているのではなく、乳首が何かに包まれて転がされるような感覚。不意に膨らみがなくなるのは、乳首を乳房の中に押し込んでいるからだろう。

(姉貴の乳首ってすごく固いな。今度は胸全体を弄ってみるか)

 半実体化する面積を広げ、胸全体を包み込むように広がる。

「今度は乳房を弄るの?それもいいわね」

 乳房を包まれた感触を覚えた香帆はTシャツを眺めた。程なく乳房が歪に変形し始める。Tシャツの生地に移し出されるその動きは、まるで透明人間に揉まれている様にも思えた。ただし、指の形にめり込むのではなく、形の無いものに揉まれている感じ。

「はぁ、はぁ。そんなに胸を揺らさなくても……変な気分になっちゃう」

 幽体とは便利なものだ。おそらく人型になるのが最大の大きさだと思われるが、それより小さければ色々と大きさや形が変えられるのだろう。左胸だけだと思っていたが、右胸にも何かに包まれたような感じがしたかと思うと、左胸と同様にいやらしく動き始めた。

「そ、そうなんだ。そんな事も……さすが海十ね。あっ、両胸の乳首を同時に弄ってるの?それ、すごく気持ちいいよ」

 持っていた本が机の上で閉じられた。Tシャツに浮きでる二つの膨らみは、互い違いに上下に揺れたり中央に寄せられたりしている。

「んっ。あ……いいよ。もう少し乳首を強く摘んでくれない?……あんっ!」

 椅子が激しく軋んだ。香帆は右手の人差し指を口元に当てて、その気持ちよさを押し殺しているようだった。乳首が伸びてTシャツの生地を押し上げている。そして捻れる様に動いた後、また乳房全体が動き始めた。

「すごい……。姉ちゃんはこんなに胸を愛撫されたの、初めてだよ。海十、すごく上手よ。これならもう少しで姉ちゃんの体に乗り移れるから。ああっ、また乳首が引っ張られてるっ」

 香帆は、Tシャツに愛撫されているような錯覚を覚えた。伸縮性があるため、密着した生地が幽体となった海十の動きを忠実に模写する形となっているのだ。
 十分に下半身は疼いている。そして愛液も膣口から溢れ始めていることを香帆は感じていた。今、膣の中に入られても全く痛くない。そして中でかき回されたら、程なくしてイッてしまうだろう。しかし、こうやって胸を弄られるのが気持ちいいのだ。もう少し弄ってほしい。

「そ、そう。その調子。はぁ、はぁ。姉ちゃん、ベッドに移動するからね。そのまま胸を愛撫するのよ」

 言われるがままに胸を弄る海十。香帆はゾクゾクする背中で椅子から立ち上がると、蠢く胸を見つめながらベッドに仰向けに寝転んだ。重力で胸が左右に広がるが、幽体も同じように広がって愛撫し続ける。

「ああっ!乳首気持ちいいよぉ。姉ちゃん、おかしくなりそう。すごくいやらしい動き。蕩けちゃうよ」

 さらに数分間、胸を弄り続けていると、行き場を失った愛液がジーンズの生地に広がり始めた。もうパンティの中は洪水になっているだろう。

「そ、そろそろいいよ。膣の中に……姉ちゃんの膣の中に入ってきて。そして海十の幽体で掻き回して欲しいのっ」
(やっとか。結構時間が掛かるものなんだな。もうクリトリスはいいのかな?まあ、平治がいいって言うのなら構わないか)

 胸の動きが止まり、動かされていると言う感覚が無くなる。その代わりに下半身――膣の中に突然異物が現れた。

「んんっ!は、入ってきたんだ。もう十分に濡れてるでしょ。そのまま動いて……」

 閉じていた足をM字に開いた香帆は、瞳を潤ませながらジーンズの上に両手を沿え、下腹部を押さえた。この中に海十の幽体が入り込み、動いているのだ。

「あっ。そこっ!Gスポット……。あ、ああっ。もう少し緩く押さえて……あ、イイッ!すごくいいよ。あ、あ、あっ」

 自然に腰が浮いてしまう。ジーンズの股間に耳を近づけると、中からクチュクチュといういやらしい水音が聞こえてきそうだ。いや、実際に聞こえるのだが。
 Gスポットを押さえながら、長く伸びた幽体で子宮口まで犯す。そして、更に奥へと入り込む。

「う、うそっ!子宮の中に入ってくるのっ。んあああっ!そ、そこ……あ、赤ちゃんが育つところなのに……。はぁ、はぁ。あんんっ。か、海十に入られちゃったのぉ」

 海十との違いを見せ付けるため、もう少しカッコよくイキたかったのに。
 予想外の愛撫に気持ちよすぎて香帆の地を表現できなくなった平治は、女口調はそのままに、激しく喘ぎ声を上げた。

(すげぇ。姉貴がこんな声を上げるなんて。俺が姉貴を感じさせてるんだよな。そろそろイキそうな感じか?)

 その予想どおり、香帆の体は着実にオーガズムへと突き進んでいた。膣の中で派手に蠢いているため、ジーンズの下腹部にもかすかな動きを感じることが出来る。膣と子宮を犯された香帆は、蟹股に大きく足を開いて腰を派手に浮かせると、下腹部に置いていた両手でシーツを掴んだ。

「ああっ!イクッ!もうイクからぁ……ね、姉ちゃんの体を乗っ取ってっ」
(よし、じゃあラストスパート!)
「あっ、あ、ああっ。だめだめぇっ!そんなに激しく動いちゃ……あ、イクッ、イクッ、イクッ、イッちゃう!ああああ〜っ!」

 香帆の体が激しく波打った。
 その瞬間、平治は弾き出される様に体から抜け出た。そして膣の中で蠢いていた海十は、強烈に締め付ける膣壁を感じると幽体を開放し、香帆の体全体に広がっていったのであった。