さあ、いよいよヤドカリ作戦開始だ。
俺は暗視ゴーグルを装着しながら、ポスターの止め具からの覗き穴を見た。
ここからならほぼ寝室全体を観察することができる。

時刻は午前4時17分。
俺は自分の部屋の方に残ったイルカのぬいぐるみの頭と尻尾を持って引っ張った。
そうすると、尻尾からもう一匹イルカが出てきたような状態というか、尻尾だけを残して脱皮したような状態になる。
現在俺の部屋にあるのは、コピーした完全体のイルカと、オリジナルの尻尾だけのイルカだ。
この尻尾だけのイルカは、遠く離れた河原洵子さんの寝室にある頭だけのイルカと空間的につながっている状態だ。

さて、ここからだ。
俺は部屋に残っているイルカの尻尾に、腕をゆっくりと入れ始めた。
すると隣のアパートにあるはずのイルカの頭から、俺の腕が生え始めたのを確認できた。
「よし…」
その状態で指を動かし、洵子さんの布団の中に潜り込む。

興奮のためか、俺の息が荒くなっているのが分かる。
さらに指を動かし、布団の中を這い進む。
イルカの頭を貝殻に見立てたエロい『ヤドカリ』は、やがて彼女の手首にたどりついた。
位置的には左側だから、左の手だな。

「おぉ、すべすべだ…」
何回か彼女の手の甲をさすってみる。
うんうん、この程度では起きないね。
よっし、次いくぞ次!

たどりついたのは彼女の太ももだ。
ただし外側だけど。
「うは、弾力があってぷにぷにだ…」
手のひら全体と指でまんべんなく堪能する。
まだ彼女に反応はない。
おっけ、次いくぞ次!

ちょっと上に登りたいな。
手の力だけで登れるだろうか。
「っと」
苦労はしたが、どうにかなるもんだ。
たどりついたのは彼女のおなか。
「無駄なお肉はついてないみたいだな、結構結構」
覗き穴からは、おなかの部分の布団が盛り上がって見える。
ふはは、次いくぞ次!

「おぉ、なんと言う感触か…」
次にたどりついたのは…分かるだろ?
「姉さん、ありがとう! これだけでも天国のようです!」
寝るときにブラを着ける女性はいない。
もちろん洵子さんもそうだ。
覗き穴から見える景色では、胸の部分の布団が盛り上がって見える。
俺はたまらずパジャマの上から少し強く胸を揉んだ。
「ン…」
む、さすがに胸は敏感だな、彼女が少し反応した。

「胸、見てみたいな…」
イルカの胴体は指だけなら両手でも入るだけの大きさはある。
パジャマの上着のボタンをまさぐって一つ一つ外していく。
上着を少しずつめくって現れたのは、形の良い双丘…のはず。
この時点では、自分の手が邪魔で間近から胸を見ることができない。
「ならば…」

俺はイルカの頭がちょうど彼女の胸の中心に来るよう調節しながら手を引っ込めた。
こうすると、俺の部屋のイルカの尻尾の方に彼女の胸の一部が転送されてくる。
「お、おお、洵子さんの…な、生乳」
もはや感動のあまり、声が震えている。

この胸はただ大きいだけではない、理想的なバランスと十分な張りもある。
素敵なおっぱいだと常々思っていたのだ。
乳首を中心とした半分ほどの部分しか見ることができないのが少々不満だ。

しかし、この状態なら直接乳首を舐めることができる。
胸への刺激のせいか、彼女のそれは少しだけ硬くなっていた。
「ン、んん…」
少し彼女が身じろぎした。
む、少しまずいか?

胸はこれくらいでいいだろう。
いよいよ次は…。

パジャマのズボンの中に潜り込む俺の腕とイルカの頭。
正確には左手の手首までだが。

俺の利き手は右だが、イタズラの最中にナイフを上手く使うためには利き手がどうしても必要になる。
もしもの時のために、洵子さんにイタズラするという名誉ある役は左手に任せることにした。

さて、俺はと言えばもう頭がクラクラするほど興奮している。
俺の舌には彼女の乳首の感触がまだ残っている。

覗き穴からの様子は、彼女の股間部分がやや盛り上がっているように見える状態だ。
指先には彼女が履いているショーツの感覚が感じられる。
俺は左手をそのままショーツの下に潜り込ませ、さらに先へ進もうとしたが…。
「ぬ…」
左手が感じる圧力が強くなった。
よく見れば彼女の足は閉じられているようで、このままでは肝心の部分に触れるのは難しい。
こじ開けようにも、片手だけ、しかも手首だけの力ではどうにもならない。
まだまだ詰めが甘いな、俺も。
こんな単純なことを想定することができないなんて。
少しこのナイフの能力に酔っていたのかもしれない。

だが、すぐそこに楽園が待っているのが分かっているだけに、こんなことであきらめられるはずがない。
俺のエロパワーで必ず何とかしてみせる。
希望としては、何としても指で直接弄りたいところだが…。

ナイフで彼女の太ももを少し切ってみようか?
そうすれば俺の手が入るだけのスペースは確保できる。
いや、ダメだ。気付かれた時にどうやって元に戻せばいいんだ。

では、何か細い物で代用するか?
しかし、それでは満足に刺激することができない。

俺はしばらく悩んだが、どうしても打開策が思い浮かばない。
と、その時。
「ん…」
彼女が大きく寝返りを打った。