閉じている足の付け根。
股間の生地が微妙に震えている。
まだバイブのスイッチは入ったままだ。

咲希と優衣は、オーガズムに達した後、しばらく床に横たわっていた。

「んん……。んううぅ」
「はぁ、は……んっ。どうだった?女の絶頂は」
「す、すごいの一言です。まだ快感が収まりませんよ」
「だろうな。この体も疼いて仕方がない」
「勝負はどうなったんでしょう?」
「先に主任がイッただろ」
「そ、そうですか。私はもう無我夢中で何も考えられなかったので」
「まあいい。契約の事は考えておいてやる」
「ありがとうございます……んっ」

床にローションが広がり、タイツとの間に糸を引いている。
二人はリモコンでバイブを止めると、背中のファスナーを下ろしてタイツの中からバイブを抜き取った。

「こんな物であんなに気持ちよくなれるなんて……」
「女の体の神秘だな」
「全くです」

またファスナーを引き上げると、咲希は主任の椅子に座り、優衣は床に胡坐をかいて座った。

「さてと。ではそろそろ二人に登場してもらうとするか」
「そうですね。我々は影から……」
「ああ」

ニヤリと笑った姉妹は、フッと意識をなくしたように目を閉じた。
しかしすぐに目を開き、不思議そうな表情で辺りを見渡したのだ。

「ゆ、優衣?」
「さ、咲希姉ちゃん?わ、私達……」
「何!?どうなってるの!!」
「ええ〜っ!」

いつの間にか主任の部屋にいる。
着ているタイツは妙に粘ついていて気持ち悪く、下半身に妙な火照りを感じた。

「咲希姉ちゃん。こ、これって……」
「分からない。私にも全然分からない」
「確かショーが終わって舞台を降りてから……」
「うん。そこから記憶がないの」
「どうして……。それに、何故主任さんの部屋に?」

咲希と優衣は立ち上がると、タイツの上から体をなでた。

「これ……すごくヌルヌルしてる」
「そうね。まるでローションみたい」
「どうしてこんなのが全身に?」
「私も分からないよ。兎に角更衣室に行って着替えたいわ」
「うん、私も」

ローションがブーツの裏について滑りやすい。
優衣はゆっくりと歩きながら、部屋の扉を開けようとした。
しかし――。

「優衣っ!」

咲希の声に、優衣は振り向き、目を見開いた。

「さ、咲希姉ちゃん!?な、何してるのっ」

優衣の視線の先には、主任の椅子に大きく足を開いて座り、胸と股間を弄る咲希の姿があった。

「た、助けてっ。か、体が勝手に……」
「えっ!?」
「いやっ。か、体がっ……勝手に動くのっ」
「そ、そんな……」
「ほ、本当なの。いやぁっ」

白いロンググローブをはめた右手の中指が、ゴチョブルーの青いタイツの上から股間にめり込んだ。
生地の割れ目に食い込んだ指が前後に動いている。

「さ、咲希姉ちゃん!」

何がどうなっているのか分からない優衣だが、悲痛な表情で見つめる咲希を助けるべく、近づいた。
そして、股間に伸びた指を引き離そうとしたのだが――。

「ゆ、優衣っ。ちょ、ちょっと!」
「えっ!ど、どうして?手、手が勝手にっ」

信じられないことに、優衣の手は咲希の腕を掴むのではなく、咲希と同じように股間を擦った。

「いやあっ!」
「さ、咲希姉ちゃんっ。違うのっ!私じゃないっ」
「手を……手をどけてっ」
「だ、だって!」
「あっ!」

咲希は嫌がりながらも両足を椅子の上でM字に開き、その膝の上に両手を乗せた。
そして、優衣は咲希が座る椅子の前に胡坐を書いて座ると、青い生地の上から股間を執拗に弄り始めたのだ。

「ああっ」
「咲希姉ちゃん!ど、どうしてこんなっ。やだっ!私の手。止まって」
「優衣〜っ。んっ……あっんっ」
「ごめんっ。でもっ、どうしても止まらないのっ」

左手の指が、生地ごとクリトリスを摘んでいる。
更に右手の指が生地ごと膣にねじ込もうとする。

「いやぁ〜っ!」
「さ、咲希姉ちゃん……」

優衣は自分の意思で動かない体に、必死になって抵抗した。
しかし、どう足掻いても勝手に動いてしまうのだ。
咲希も優衣の手から逃れようと必死になるのだが、足の上に置かれた手は全く動こうとしなかった。

誰かに操られている。

そんな感じだった。

「い……やぁ。はぁ、はぁ。んんっ、ふんっ……あっ」
「咲希姉ちゃん、咲希姉ちゃん」
「優衣っ。ふぅんっ。だ、だめ。やっ……あっ」

弄られる姿を見まいと顔を背けて顔をしかめていた咲希だが、次第に抵抗する声が小さくなっていった。
そして、次第に喘ぎ声が混じるようになっていったのだ。
自分の意思では動かない優衣の指が、タイツの生地に浮かび上がる陰唇を広げ、固く勃起しているであろうクリトリスをはじくように刺激する。

「あんっ!あっ、ああっ。やっ、そんなに……は、はじかないでぇっ」
「だ、だって指が勝手にっ……わ、私、こんな事しなくないのに」

優衣は泣きそうになりながら、自分のせいで喘いでいる姉を見た。
指ではじくたびに、咲希のM字に開いた足がビクン、ビクンと震える。

「ひんっ!んっ、だめっ……だめっ。こ、擦っちゃっ……あっ、ああっ」
「咲希姉ちゃんっ。ごめん、ごめんなさいっ」
「やぁっ。あっ、あっ……んんっ、んっ、んっ……あぁぁ」

クリトリスを弾いていた優衣の指が、今度は激しく擦り始めた。
白いロンググローブをつけた二本の指で、陰唇の中、クリトリスを――。
咲希は頭を左右に振りながら、その刺激を強制的に受け入れさせられたのだ。

「ああああ!あっ、だめっ……い……やぁ。あっ、あっ!あっ、ああっ」

椅子の上で、猫が背伸びをするように背筋を伸ばした咲希。
そして、これ以上声が出ないと言うほどの叫びにも似た喘ぎ声を出して、オーガズムを迎えた。

「あ、あ、ああっ。そんなっ、いやっ!あっ、あっ、優衣っ……い、んあああああっ!」

股間の生地から生暖かい液体が滲み出てきた。
どうやら失禁してしまったようだ。
咲希はビクビクと体を震わせながら、椅子の上でしばらく放心状態となった。