非常に明るい照明が照らすスタジオ内。いつもテレビに登場するアイドル達が華やかな衣装を身に纏い、楽しそうに話をしている。ソファーが幾つも並べられており、勉……いや、美穂と香奈はスタッフに指示され所定のソファーに座った。隣には勉もよく知っている男性アイドルが座っている。

「しっかし正月からかったるいよな」

 その男性アイドルが勉に話し掛けてきた。

「そ、そうね……しょ、正月だもんね」

 そう言えば今日が正月だった事すっかり忘れていた勉。実家から電話の一本くらいかかってきているかもしれない。よく考えてみると、アパートにある自分の身体はどうなっているのだろうか?冷たくなっていたりして……。

 まさか死んでいるのは?

 そう思った勉だが、すでに美穂として生きるのも悪くないと思っていた。いや、それどころか受験勉強から解放されて華やかな芸能界に「摩堂美穂」として生きていけるのだ。そう考えると自分の身体なんて惜しくないと思った。 この身体……そう、十七歳になったアイドルの身体で好きなことが出来るのだ。勉にとって、これほど嬉しい事は無かった。
 頭の中でこれからの事を色々と想像してニヤけた勉。

「何ニヤニヤしてるの?」

 香奈が不思議そうに話し掛けてくる。

「何でもないよ。香奈、これからもよろしくね」

 耳元で囁いた勉は彼女の首筋をペロンと舐めた。

「んっ……」

 目を細めて頭を傾けた香奈は、嬉しそうに笑っている勉を見て、「美穂…今日は何かおかしいよ」と小さく呟いた。 怪訝そうな表情で勉が乗り移っている美穂を見る香奈。そんな香奈の身体を美穂の身体で犯してみたい。そして女性同士でエッチな事をしたいとも思った。




 リハーサルが始まった。


 『ツートップ』の二人も、順番が来るとステージの上で歌とダンスを披露した。もちろんマイクのスイッチは入っておらず、『口パク』だ。勉は美穂の身体で、テレビで嫌と言うほど見てきたダンスを踊った。
 美穂の身体は勉の身体とは違い、とても軽くてしなやかに動く。弾けるような身体はライトに照らされ、とても瑞々しく見える。そんな美穂の身体を自由に操り、香奈に全く気づかれないように振る舞う勉。もしかしたら役者になれるかもしれない。
 少し息を弾ませた二人が、リハーサルを終えて元のソファーに座る。そしてその後、数組のグループがリハーサルを行った後、しばらくしてスタッフが大きく叫んだ。

「それでは本番に入ります。皆さんよろしくお願いします」

 スタッフの声で、スタジオ内に緊張した空気が張り詰めた。勉は周りをキョロキョロしながら、目の前で慌しく動いているスタッフやカメラマン達を見た。「ご苦労な事で……」そう思いながら、左に座っている香奈の後ろにそっと左手を回し、ズボンに包まれているお尻を優しく触り始めた。