「里香、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ。お母さん」
「顔が赤いわよ。熱があるんじゃないの?」
「そんな事ない……よ。あっ!」

布団の中で里香の足が蟹股に開かされた。
何も知らない母親は、里香のおでこに手を当てて様子を伺っている。

「熱はないみたいね。お腹が痛いの?」
「…………」

里香は左手を口に当てて、頭を左右に振った。
今声を出したら……喘いでしまいそうだったから。
両手で太ももを掴まれ、足を閉じられない。
そして、股間には生暖かい道夫の舌が蠢いていた。
パンティの中で、大きなナメクジのように這い回る舌。
割れ目の中に入り込み、クリトリスを執拗に嘗め回っている。

「お母さんにお腹を見せてみて。少しくらい分かるかもしれないから」

元々看護師をしていた母親は、少しの知見を持っているので調べてやろうと思ったようだ。

「い、いい……からぁ。だ、大丈……夫」

蟹股に開いた状態で掛け布団を捲られたくない。
里香が必死に足を閉じようとすると、何故か太ももを持っていた手の感覚がスッとなくなった。
しかし……。

「ほら、見せてごらん」
「……っ!」

母親がゆっくりと掛け布団を取った。
スウェットを着て仰向けに寝る里香は、全身に力を入れていた。
右手は敷布団をぎゅっと握り締めている。

「寒いの?」
「…………」

里香は充血させた目をして、頭を左右に振った。
母親がスウェットの上着を捲り上げ、ズボンを少し下ろして下腹部に手を当てる。

「そんなにお腹に力を入れなくていいのよ」
「う……う……ん……」
「里香、力を抜いて」

力を抜くことが出来ない。
何故なら、先ほどまでクリトリスを嘗め回っていた舌が、ありえない場所に移動していたからだ。
幾ら舌が長い男性がいても、こんなところまでは届かないだろう。

「もしかして、身体が痙攣しているの?」
「ちが……う……ぅ。だ、大丈夫……らから……ぁ」
「里香……病院に行く?」
「う、ううん……今は……ひ、一人に……して、ほ、欲しい……のっ。んっ」
「でも、おかしいわ」
「だ、大丈夫って……言ってるでしょ……。お、お願い……お母……さん」
「でも……」
「い、いいから……」
「……ほんとに大丈夫?」
「……う、ん……」
「大丈夫そうには見えないけど」
「…………」

里香は口に手を当てたまま何度か頷いた。

「そう……。それじゃ、何かあったら呼ぶのよ。分かった?」
「うん……」

気になるのだろう。
母親はゆっくりと歩き始めると、二回振り返った後部屋を出て行った。