「わっ!」
「きゃっ!」

それは友二が学校から帰るため、階段を駆け下りた時に起きた事件だった。
いきなり目の前に人が現れたものだから、その勢いは止まらない。
瞬間的に足を踏ん張ろうと思ったが、結果として飛び出てきた人に衝突した。

「いってぇ〜。急に飛び出してくるなよっ!」

友二は目の前で体勢を崩しながらも、中腰で立っている制服を着た男子生徒に怒鳴った。
その男子生徒は、目を丸くして友二を見ている。
そして友二も、怒鳴った後に続く言葉が出なかった。

「……えっ!?な……わ、私っ!」

先に声を出したのは――友二の目の前にいる男子生徒だった。

「あっ……お、俺が……どうして目の前にいるんだっ」
「わ、私……ど、どうしてっ!」
「えっ?」

二人とも何が起きたのか分からない様子。
異様な空気が包み込んでいた。

「俺がどうして目の前に……えっ!」

そういった友二は、自分の声に違和感を覚えた。
そして、俯いくと――そこには、赤いタイトスカートを穿いた友二の足に似ても似つかぬほっそりとした綺麗な足があった。

それは目の前にいる友二も同じことだった。
自分の姿を確認し、動揺を隠せない。

「えっ、えっ!?」
「な、何だよこの声。それに足は……」

理解しようとすればするほど頭の中が混乱する。
だが、二人はしばらく経ってある結論に達した。

「俺達、身体が入れ替わってるんだ」
「ど、どうしてこんな事が……」
「俺だって分からないよ、広多先生」
「わ、私だって……仁科君」

そう。二人は先生と生徒という関係だった。
ちょうど広多先生も帰ろうとしていたところに、友二が衝突して身体が入れ替わってしまったのだ。

「こ、こんなのって……」
「ど、どうしよう……」
「お、俺……広多先生になったんだ……」
「…………」

広多先生の身体になった友二は、ゆっくりと立ち上がると周りに散った先生の小物を拾った。
友二になった広多先生も小物を拾ってショルダーバックに詰め込む。

「ね、ねえ仁科君。私たち、これからどうすればいいか考えないと……」
「そ、そうだよな。ずっと俺が広多先生のままってのは……」

そういって俯くと、赤いスーツに包まれた豊満な胸元が目に飛び込んでくる。
胸の谷間が何ともセクシー。

「……む、胸だ……」
「に、仁科君……」
「俺の身体に胸が付いてる」
「ちょ、ちょっと……」
「胸だ……うわ……や、やわらけぇ……」
「や、止めなさいっ」
「すげぇ、すげぇよ!」
「あっ!仁科君っ!」

広多先生の――女性の胸を触り、頭の線がプツンと切れたのか?
友二は広多先生の体のまま、その場から走り去ってしまった。

「ど、何処に行くのよっ!」

その後姿に唖然としていたが、このまま一人で何処かに行かせるわけにはいかない。
慌てて自分の体を追い始めた――






「な、何するのっ!手を放しなさいっ」
「何だよ仁科、そのしゃべり方は。キモいぜ」
「ち、違うのっ!私は仁科君じゃないのっ!」
「はぁ〜?頭のネジが緩んでるんじゃねえの?なあ広多先生」
「本当ね、んふっ。仁科君はおとなしくそこで見ていなさい」
「なっ、何するのっ」
「教えてほしい?これから皆に生活指導をするのよ」
「せ、生活指導って……」
「この状況で……分かってるくせに」
「ダ、ダメよっ!そんなの絶対にダメッ。許さないわよっ」
「仁科君の許しなんて必要ないでしょ。私が自分で指導するんだから。ねえみんな」
「そうそう。そういうことだよ。俺達、広多先生に色々教えてもらいたいんだ。勉強熱心な良い子だからさ」

友二の姿をした広多先生は、二人の生徒に羽交い絞めにされていた。
そして目の前には、信じられない光景が広がっている。
自分の体が勝手に使われ、生徒たちとセックスしているのだ。
嬉しそうな表情で。

「おお、先生の中ってすげぇ気持ちいいぜ」
「あんっ!私も気持ちいいわよ。もっとかき混ぜてくれないかな」
「せ、先生。俺、もう出るよっ!」
「いいわよ。私の顔にかけて頂戴……あっ……もうっ。すげぇ臭いじゃない」
「五日間くらいオナニーしてなかったからな」
「それ、濃い過ぎだっつ〜の。先生の顔、カピカピになっちゃうじゃないの」
「たまんねぇよなぁ。広多先生とセックスできるなんて」
「遠慮しないでいいのよ。先生の体はタフだから君達の欲求を全部満たしてあげる」

「や、止めてっ!お願いだから私の体を返してっ!」
「大丈夫よ。仁科君も後でしっかり相手をしてあげるから」
「何言ってるのよっ!早く止めなさいっ」
「順番なんだから。仁科君は大人しくしてなさい。あんっ。そんなに奥まで入れたら、感じちゃうじゃないの」
「十分感じてるだろ先生。さっきからマン汁垂れまくりなんだから」
「へへ。実はそうなの。次はお尻の穴にも入れてほしいなぁ」

「い、いやぁ〜!」


こうして体が入れ替わってしまった広多先生は、目の前で自分の体を男子生徒に汚されてしまったのであった。
その後、入れ替わった二人がどうなったかは知るよしもない――

おわり