満員電車は嫌い。
結構痴漢に遭遇し、お尻や胸を触られたものだ。
でも、女性専用車両ができた事で男たちの汚れた手から開放された。
とはいえ――こうやって女性専用車両に乗っていても、私は相変わらず痴漢をされていた。もちろん、ブラジャーに変身した与一によって。
スーツ越しには分かりにくいがブラウスの中では、ピンクでおしゃれなブラジャーが私の胸を優しく揉みしだいている。
中央に寄せて胸の谷間を作ったり、下から持ち上げるようにしてタプンタプンと揺らしてみたり。
Dカップの胸が他人の目のあるところで、そして他人の目に気づかれることなく弄ばれる。周りを見ても、恥ずかしさで少し耳が赤くなった私を見ている人はいない。

車窓に映るビルを見ながら平静を装いつつ、意識は胸に集中している。
いやらしい与一の事だから、もうすぐ――

や、やっぱり。

つり革を握っている右手にギュッと力が入った。

「…………」

ブラジャー右側のカップ、その裏生地がまるで舌のように滑らかな感触になり、器用な動きを始めた。
硬くした舌の先で乳首を転がしている。

「…………」

私は気づかないうちに足を絡めたり、膝同士を擦りつけたりしていた。
思わず甘い声を出したくなる。
でも――私は平静を装いつづける。
わざとらしく咳払いをして、肩に掛かるショルダーバッグの紐を直したり、左腕に嵌めた腕時計を見てみたり。
気を紛らわそうとすればするほど、胸に意識が集中した。
乳首が舌にはじかれている。
という事は、乳首が勃起しているという事。
感じやすくなってしまったのだろうか?
いや、誰でもこんな事をされれば気持ちよくなるに違いない。
そう自分に言い聞かせながら、無条件に早くなる鼓動を抑えるために大きく深呼吸した。