中学校では別のクラスで、一度も話をする事が無かった二人。
でも、伸次郎は見ていた。

「あの巨乳に触りたい……」

そう、絵梨奈は中学生の時から既に胸が大きかった。
そんな胸に憧れて彼女との接点を見つけたかったのだが、彼の性格ではそれが出来なかったらしい。
やがて3年が過ぎ、中学生活を終える。
その頃には、絵梨奈の胸はりっぱな巨乳と呼べるにふさわしいものになっていた。
女子校に入らなかった彼女に感謝しつつ、伸次郎は絵梨奈が希望していた共学に進むべく勉強を頑張った。
その甲斐あって、見事同じ高校に入学。

でも、やはり彼女との接点を作り出す事は出来なかった。

「何とか絵梨奈と親しくなりたい……」

中学時代より、その想いが蓄積され続けて数年。
ある日、思いも寄らない出来事が起こった。

「お前さあ、そんなにあの巨乳女と親しくなりたいのか?」
「あたりめぇだっつ〜の。何てったって、中学の時からずっと追いかけてきたんだからさ」
「ふ〜ん……」
「な、何だよ」
「そんなにあの巨乳が触りたいのか?」
「ああ。触りてぇよ」
「……じゃあ触らせてやろうか」
「……はぁ?」
「お前にあいつの胸を触らせてやろうかって言ってんだよ」
「俺に触らせてくれるのか?どうやって?」
「それはだなぁ……」

そいつはいつも一人で行動していたクラスメイトの由川 ミナトという男子生徒だった。
学校生活では殆ど会話をする事が無かった彼と話を始めたのは2週間ほど前から。
ミナトは、伸次郎の行動がずっと気になっていたらしく、いつも絵梨奈(ミナトにとっては巨乳女としか映らない)を見ている姿にどこか親近感を覚えたという。
ミナト自身は巨乳に興味があるわけではなく、単に女好きというだけだったが、一途に絵梨奈を見続けている伸次郎には、女好きとして深い仲になれそうだという勝手な思い込みをしていたようだ。
だがそれは間違いではなく、巨乳好きである伸次郎が女好きでないはずが無い。
女好きと言っても、世間の人が言う女好きではない。
もっと別の意味での『女好き』なのだ。

「このカプセルを飲めばいいんだ」
「ん?薬か?」
「薬と思うか?」
「違うのか?」
「違うなぁ〜。もっとすげぇもんだよ」
「……何なんだよ。勿体ぶらずに早く言えよ」
「これはなぁ……」

ミナトが言うには、遠い親戚にすごい高校生がいるらしく、その高校生から試作品を貰ったらしい。
彼にとっては学校で唯一の『友達』となる伸次郎だから、貴重なカプセルを分けてくれたのだ。
半信半疑。
でも、毒ではないのなら試さない手は無い。
そう思った伸次郎は今日の放課後、先生や学生達の動向を気にしつつ、殆ど使われていない4階の奥にある男子トイレの個室でカプセルを飲んだ。
そのカプセルの効果は、体から魂を切り離すというものだった。
平たく言えば『幽体離脱』出来るということ。
幽体離脱し、幽体となった伸次郎は迷わず絵梨奈の元へと飛んでいった。
グランドで一生懸命練習していた絵梨奈。
彼女が高飛びをしてマットに体を着地させた瞬間、思い切って彼女の体に飛びこんだ。
ビクッと絵梨奈の体が震え――たかどうかは分からないが、自然に目を開けると青空が広がっていた。

(…………)

何も言わずに起き上がると、向こうの空が少し夕焼けに染まりかけている。
そして自分の座っているのはマットの上。
更に俯いてみると、目に飛び込んできたのは体操服越しに見える自分の体にはありえない大きな二つの胸。

「あっ……」

その胸の向こうにあるほっそりとした足。
両手を目の前に持ってきて、自分の手ではない事を確かめる。

「絵梨奈っ!早く退いてよっ」

声の聞こえた方に顔を向けると、同じ体操服と短パン姿の女の子が数人並んでいるのが見えた。
皆、伸次郎に視線を向けている。

「あ……ああ」

慌ててマットから立ち上がり、次の女の子にマットを空ける。

「マ……マジ!?俺、絵梨奈に乗り移ったんだ……」

他人の目を気にすることなく、自分の体をマジマジと見つめた伸次郎。
大きく前に突き出した胸。
ノッペリとした短パン越しの股間に、張りのあるお尻。
腕を見ると、毛なんて全然生えていない様子。
滑々した感じがドキドキする。

「何してるの絵梨奈?」

多分同級生であろう女の子が近づいてきた。

「え……あっ、いや」
「さっきから自分の体をジロジロ見て」
「う、ううん。な、何でもないんだ」
「もしかして、アレが来ちゃったの?」
「え?ア、アレって?」
「生理じゃないの」

女の子は、伸次郎の耳にそっと呟いた。

「そ、そうじゃないけど……ちょ、ちょっとトイレに行ってくる」
「えっ……あ、うん」

伸次郎は何と返答したらいいのか分からなかったので、とりあえずトイレに行くと言ってその場から離れた。
そして人気のない教室――

一通り胸を弄んだ伸次郎は、熱くなり始めていた下腹部にそっと手を添えた。
短パンの上から優しく撫でると、そのままスッと下に手を下ろして、何も無い股間を上下に擦ってみた。

「ほんとに何も無いよな。今頃俺の体ならチ○ポがギンギンになっているはずなのに。でも、この股間の疼きって……」

絵梨奈の声で呟くと、短パンの上からでも分かる割れ目に沿って中指を押し付け、擦り始めた――